Polkadot Blog : Polkadot Staking Dashboardの紹介(和訳)
<出典>
日本語翻訳にあたり一部表現を加筆・修正しています。表現には最大限の配慮を行なっていますが、明かな誤訳、事実と異なる記載があればご連絡ください。なお本記事は投資行為を推奨するものではありません。
Polkadotの新しいStaking Dashboardの登場により、DOTのステーキングがより簡単に行えるようになりました。この新しいインターフェースはPolkadot-JS Appsの開発者ツールの代わりに、より直感的で使いやすいステーキング体験をユーザーにもたらします。
Polkadotエコシステムは非技術者のDOTホルダーに向けた待望のアップグレードを行います。本日(2022年6月30日)Polkadot Decodedで初めて披露された新たな「Staking Dashboard」は、シンプルで合理的なインターフェースを提供し、ユーザーにもっと直感的なステーキング体験を提供します。今後予定されているノミネーションプール(現在はKusamaのみ)の開始と合わせて、新しいDashboardを利用することで新規のDOTホルダーや非技術者ユーザーは他プロジェクトのステーキングサービスを用いてステークする必要がなくなりました。
現在このDashboardはベータ版として試用することができ、将来のアップデートでStakingのUXを継続的に向上させるためのいくつかの機能が予定されています。
PolkadotはNominated Proof-of-Stake(NPoS)と呼ばれるステーク証明の方法を使用しており、DOT保有者はバリデーターを選択し、トークンをステークして報酬を受け取ることでネットワークの安全確保に貢献することができます。
新しいStaking DashboardはUXの向上に加え、他プロジェクトのアプリケーションやステーキングの代行業者を使用するのではなく、リレーチェーン上で直接ステークする「ネイティブ・ステーク」を用いることでより多くの参加を促すように設計されており、ネットワークの安全性と分散化の確保を目指しています。
Polkadot Staking Dashboard ベータ版
Staking Dashboardを介して、すべてのPolkadotステーキング機能を管理することが可能になりました。このインターフェースは、既存のPolkadotウォレットに接続することで動作します。現在、Polkadot-JS ExtensionとTalismanをサポートしており、Subwalletのサポートも近々予定されています。さらに、読み取り専用のアカウントもサポートされており、任意のアカウントを読み取り専用で接続し、ステーキングの履歴を追跡することが可能です。Dashboardでは現在Polkadot、Kusama、Westendの各ネットワークがサポートされています。
Staking Dashboardでは現在、以下の機能を提供しています。
・バリデーターの検索、お気に入り登録、バリデーターの指名
・opt-in Subscan API integrationにより、支払い履歴の閲覧
・ノミネーションプールのサポート(現在、Kusamaのみで有効)
・ステーキングについての用語の分かりやすい解説
・モバイルデバイスの読み取り専用アカウントに対応
・優れた分散化のためにRPCノードからExtrinsicに関連するデータを直接取得
・ネットワーク全体のステーキング状況の計測
Appの外観
Overbiew
「Overview」タブでは世界中でステーキングされたDOTの累積供給量や、ネットワーク上で報酬を獲得しているノミネーターの数など、ネットワークの状態に関する情報を提供します。また、ステーキングの統計に関する情報もあり、ユーザーのステーキング額と残高、最近のステーキングに対する報酬額の概要が表示されます。「announcements」のセクションでは、ユーザーステーキングに影響を与える可能性のある、ネットワークのステーキングパラメーターに関する最新のニュースを特集しています。
Staking
このセクションではユーザーのステーキングに関する全ての関連情報を一目で確認することができます。「Stake」タブではユーザーの現在のステーキング設定の概要が表示され、ノミネートの開始・停止、bondされたDOT額の変更、選択したバリデータの選択・変更、そして報酬の支払い先の選択を行うことができます。「Payouts」タブは、最近のステーキング報酬の支払い履歴が表示されます。
Validators
このタブではネットワークに参加しているバリデータの概要と、ノミネートの選択に影響を与える可能性のある統計情報を確認することができます。バリデーターを手数料率で並び替え、アクティブでないバリデータ、過剰登録・過去にブロックされたバリデータ、100%の手数料を請求するようなバリデータ、オンチェーンIDを持たないバリデータを除外することができます。お気に入りのバリデーターを見つけたらピン留めして「Favorites」タブに保存することで、後から容易に検索や選択ができます。
Staking Dashboardを使ってみましょう!
まずはStaking Dashboardにアクセスします。次に、「Connect」を選択して、TalismanやPolkadot-JSなどの互換性のあるウォレットからアカウントを接続します。「Read Only Accounts」を選択し、任意のアカウントアドレスをDashboardに直接インポートします。
アカウントと報酬の支払い先が設定されていることを確認したら、ステーキングを行う準備が整いました。途中で分からない用語があった場合は、(i)をクリックして用語解説をご覧ください。
近日実装予定の機能
Staking Dashboardの開発は現在進行中です。この記事を書いている時点では、Github上で2つのマイルストーン[こことここ]が活動しており、コードベースを生産可能な状態にして機能を完成させることを目的としています。
既存のコードの改良に加えて、検索機能、バリデーターの表示機能、より公平なノミネーションの生成、バリデーター選択アルゴリズムの統合など、さまざまなバリデーター検索メカニズムの改良が最初のリリースまでに予定されています。また、プロキシアカウントのサポートやSubWallet拡張機能のサポートといった優先順位の高い項目も、近い将来のロードマップに記載されています。
この素晴らしいステーキング・ポータルにより、コミュニティはPolkadotリレーチェーンに直接ステーキングするための簡単で現代的、かつ高度なインターフェースを手に入れました。ユーザーが(信頼できる他プロジェクトのサービスを介してではなく)直接ステークする簡単な方法を手にしたことで、より多くのネットワーク参加を促進し、最終的にはより安全なネットワークとなるはずです。
ベータ版以降もUXは改善され続け、ダッシュボードはエコシステムのためのビッグデータに貢献し、スタイルガイド、バリデータの検索、統計、将来のポルカドットのAPIなどを含んだアプリケーション側の取り組みを補完するようなプロジェクトを鼓舞するはずです。
ベータ版に関するフィードバックや今後の機能についてのご提案がありましたら、フィードバックページをご覧いただき、是非ご意見をお聞かせください。
PolkadotまたはKusamaを使った開発に興味がありますか?是非ご連絡ください!
<翻訳者 参考資料:初学者のためのPolkadot入門(PDF版)>
非技術者向けに書かれたPolkadotの入門書であり、そもそもブロックチェーン技術が必要になった背景や目的、PoSの仕組み、ガバナンスやセキュリティについて体系的に整理されています。