AIで候補者の活躍可能性は予測できるのか?

Kunio Yamada
3 min readNov 12, 2017

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最近、HRとテクノロジー(Technology)を掛け合わせてHR Techと言う言葉が話題を呼んでいます。また、HRの分野にもAIを活用する企業が増えてきています。

HR Techにより、人事業務が変わるのは間違いないですが、特に採用と、人材配置において、AIとどう向き合うかいつも考えています。

Deep learning(深層学習)に関しては、画像認識や、自然言語解析に関して高い威力を発揮します。特に自動運転やAIスピーカーは、無限に学習データがあるので、一気に普及すると思います。しかし、HR領域に関しては、Machine learning(機械学習)がやっと効果があるかどうか分かってきた感じです。

HRではDeep learningは使えない

ではなぜ、人事の領域でDeep lerningが使えないかというと、Deep lerningはブラックボックスになり、導き出した答えの過程が全く見えない危険性があるからです。

その点、Machin learningでは、導き出した答えの過程が見えやすく、納得感があります。

リクルートでは、企業に候補者を推薦した後、書類選考の合否を学習させ企業や採用担当の好みを判別できるAIを開発し活用しています。これにより候補者を効率的に紹介することが可能になったそうです。

ただし、採用担当の好みの候補者を推薦し、仮に入社したとしても、その人が活躍できるかどうかは全く分かりません。

私は、人は無限の可能性があり、企業が溜めてきた、過去のデータの蓄積で、入社する人の将来を予測することは不可能だと思っています。なぜならば環境の変化や将来出会う上司など「偶然の出会い」により価値観や行動スタイルが大きく変わることがあります。

そのため、AIを活用して、入社前に候補者の活躍可能性を予測することは、現段階ではとても難しいし、不可能だと思っています。

ソフトバンクやリクルートなど業務の効率化でAIを活用するのは、有効な施策だと思います。しかし、データ量が少ない、中小企業では人事面においてAIを活用することが困難です。

テクノロジーの変化のスピードは凄まじく、世の中いろいろなプロダクトが日々リリースしています。我々のようなHR TechプレーヤーはAIなどのバズワードに惑わされず、まずは、顧客の課題解決のために何ができるか考え、日々前進して行きたいと思います。

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Kunio Yamada

株式会社Meta Anchor 代表取締役(https://meta-anchor.com/)