最近よく見る記事(例:“爆発する中国「シェアリングエコノミー」 市場規模は57兆円”)でも紹介されている通り、中国ではデリバリーやタクシー配車、バイクシェアリングなどO2O(Online to Offline)領域のサービスが生活に欠かせないものとして国民に広く定着しています。
今回は自身もヘビーユーザーとして使っている、上海を拠点に美容室O2Oを展開する“Pumpkin Coach(南瓜车)”というアプリを紹介します。ひとことで言うと腕の良い美容師を低価格で予約できるサービスで、既に40万以上のユーザーを抱えています。
またこのサービスが面白いのは、ユーザーと美容師をマッチングするだけでなく、自社でオフラインの美容室を展開しているところです。
Pumpkin Coachを利用するメリット
1. 腕の良い美容師のみが登録できるプラットフォーム
まず、美容師は面接、マネキンカットのテストなどを通してやっとプラットフォームに登録することができます。聞いた話によると、この時点で倍率は100倍以上。また登録後もUberやAirbnbのような、評価システムを設けているので、より良い評価を得るために丁寧にカットします。
2. 美容師のポートフォリオを事前に確認可能
いくら総合評価は良くても、人なので得意不得意あるはずです。そこを見極められるのが美容師の「ポートフォリオ」機能です。例えば、「男/四角顔/短髪」で絞ることもできれば、「女/長顔/長髪」で絞ることもできます。美男美女ばかり。
3. VIPカードを作る必要なし
中国で髪を切った経験のある人なら分かると思うのですが、次回以降の来店を促すために店員はVIPカードを作ることを進めてきます(これが結構面倒くさい)。このVIPカード、中にお金をチャージする仕組みのお店もあり、もし切り終わった後に気づいたら最悪です。
4.価格が透明化されており、事前決済
美容師のランクによって価格は異なり、事前にアプリ上で確認することができます。WeChatやAlipayを通して事前決済をし、予約完了。支払い証明のためのQRコードが発行されます。
当日、髪を切り終わり美容師のスマホでQRコードをスキャンしてもらえば取引完了です。ユーザーが髪型に満足するまで美容師はお金を受け取れない仕組みも、安心して使える1つの理由です。
どうモデルを実現させているのか
1. 美容室の場所はプラットフォーム(企業)が押さえている
従来の美容室は、立地が集客のために重要な要素であったことは間違いありません。ただPumpkin Coachは、美容師の質こそが1番重要な要素です。そのため、駅から徒歩10分の場所や、人気のないビル10階などに店舗を構えて家賃コストを抑えることができています。
2. 自由な働き方を求めて、中国全土から応募がある
実家へ帰省したり、早めに帰宅したりなど、美容師の自由度はかなり高めです。以前自分で美容室を経営していた独立思考の美容師が多く、このフリーランス的な働き方に憧れて、毎月全国の美容師から応募があるらしいです。
ちなみに
以前北京で1年間通っていた美容室は何度行っても田舎のヤンキーみたいな髪型にされてしまっていました。上海に来てPumpkin Coachを使い始めたいまはその時に比べて、価格は変わらないのにも関わらず、だいぶ良くなったのではと思っています。。
韓国にいって整形手術する女子大生がいるなら、近い未来に中国まで美容師を探しにくる女子大生もいて良いはず、、!
中国アプリは面白い
実際、日本人ほどアレルギーなく、漢字に接することができる民族は世界にいないので、いろいろ面白い中国アプリを使ってみてもらいたいです。まずきっかけとしてPumpkin Coachアプリをダウンロードして、美容師のポートフォリオを見てみるのは面白いと思います。
これからもたまにアプリレビューしていきます。