「やってみないとわからない」という思考停止

Yoshihito Kuranuki
2 min readFeb 5, 2017

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「やってみないとわからない」だから、試すんだ。そのことは間違いじゃない。確かにその通り。

立派な計画を立てても実行しなければ、1ミリも社会に影響を与えない。

頭でっかちにならずトライアンドエラーで、逐次修正しながら進めよう。

アジャイルにやっていきましょう。少しずつ小さく試していけば大丈夫。

そう、世の中には、やってみないとわからないことばかりだ。正解が決まっていないことの方が多い。

だから、やってみる、行動してみるということに価値はある。

・・・だけど、それ、本当にやってみないとわからないことなのか?と考えたか。「やってみないとわからない」といって、考えてみることも放棄してないか。

考え尽くしたあとに、やってみないとわからないことを試さないと、やってみたことが良かったかどうかもわからない。

やってみることに仮説があるかどうか。

なぜやるのか。仮説をもって取り組めば、仮説が正しかったか、間違っていたか、わかる。仮説がなければ、うまくいっても、何が良かったのかわからない。逆もしかりだ。

そして、仮説に説得力はあるか。ただの思いつきは仮説とは言えない。

ロジカルでなければ説得力はない。当てずっぽうでは、いくらでも時間がかかってしまう。

事前に複数の選択肢を出したかどうか。いくつものアイデアの中から、ロジカルに選んだものは、説得力のある仮説となる。

やってみるのも良いが、その前に考えよう。考えるだけなら、コストはゼロだ。考えた末に、それでもやってみないとわからないのだから、やってみる。

考えるけど、行動しない。だから、わからないままでいる。それよりは試した方が良いのは間違いない。だけど、考えなくて良いわけではない。

もちろん、程度の問題だ。考えるコストより、やってみるコストが低ければ、やってみれば良い。

アジャイルもリーンスタートアップでも、考えずにやりましょう、なんて誰も思っていない。行き当たりばったりではなく、臨機応変なのだ。

「やってみないとわからない」は思考停止。

Photo by Anna Pascale on Unsplash

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1