わからないことの貴重さと、教えることの難しさ
一度わかってしまえば、わからなかったことが、わからなくなることってある。
わからなかった未経験者には戻れないんだ。
未経験者だからこそ楽しめることがある。映画でも、マンガでも、小説でも、アトラクションでも、スポーツでも。
あー、あの映画を見てなかった自分に戻って、もう一度見たい。まだ見てないなんて、それって幸せなことだよ・・・なんて。
最初のうちは新鮮だから、何をしたって楽しかったりもする。初めてのドラクエをしたときは、スライム倒すだけで楽しかった。先の展開がわからない楽しさもある。
知識や経験がないことは、劣っていることのように思えるけれど、そうではない。
わからないことを、わかってしまうのは、不可逆な変化だ。戻ることはできない。
たまに、忘れてしまって、新鮮な気持ちになれることはあるけれど。
「わからないこと」は、とても貴重なことなのだ。
何かを教えるときの難しさも、ここに起因している。
自分はわかっていて、相手がわかっていない。何をどう伝えれば、相手がわかるようになるのだろうか。相手の気持ちにならないといけない。
だけど、わからなかったことは、もう戻ってこない。
そこは想像するしかない。
もし、わからなかったことが、わかるようになった瞬間があったとしたら、それを書き留めておけば、その後に続く人たちにとって、大きな指針になるかもしれない。
だけど、わからなかったことが、わかるようになったら、嬉しくなって、そんなことも忘れてしまう。そう、うまくはいかない。
やっぱり教えることは難しい。
わからないことを嘆かないで良い。未経験だからと恐れる必要もない。
そんな貴重な体験、わかるようになることを楽しめば良い。