フロー状態という幸せを得るために働く

Yoshihito Kuranuki
3 min readFeb 19, 2017

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仕事や勉強をしていると集中して没頭する瞬間がある。それを「フロー状態」と呼ぶらしい。そんなフロー状態について聞いた話から着想を得て。

フロー状態になると、周りから雑音が消えて、その対象に集中し、高い生産性を発揮することができる。アイデアなら次から次に湧いてくる、プログラミングなら次々とコードが進む。

そんな状態は、脳も喜んでいるらしい。そのフロー状態になっていること自体が、幸せな状態なのだと言える。詳しくは知らないけれど、おそらく脳内物質が分泌されているのだろう。

もし、仕事をしていてフロー状態になれるのだとしたら。フロー状態になって幸せになれるのだとしたら。それはもはや、仕事をすること自体が幸せになる手段だと言えないだろうか。仕事は手段ではなく目的なのか。

それで思い出すのが「ポジティブ心理学」の話だ。以下の有名なTEDでの講演がある。

「成功したら幸せになれる」この思い込みを逆転させることが、幸福に近ずく方法なのだと言っている。

高い目標や努力の先にある成功しか幸せになれないと思い込めば、誰も幸せになれない。まず、脳をポジティブにして幸せになることが、仕事の成果を高めてくれる。考え方次第という訳だ。

フロー状態になって幸せならば、実は仕事の目的とは、仕事をすることそのものと言っても良いのではないだろうか。仕事で何かを達成する達成感よりも、仕事をしている方が幸せを感じるのだとしたら。

そうは言っても、フロー状態になるには、それが好きな仕事であったり、自分にとってちょうど良い難易度の仕事であったり、意義や意味の感じられる仕事であったり、きちんと集中できる環境にいることであったり、様々な条件がある。

でも、フロー状態が幸せだとわかっているなら、そうした仕事や環境を用意することが会社の役割なのではないだろうか。

会社として、フロー状態になれる仕事と環境さえ用意すれば、マネジメントなんて要らなくなるのではないか。いや、フロー状態につながるような仕事以外はしなくても良いようにすることがマネジメントではないか。

プログラマにとって、プログラミングはフロー状態に入りやすい仕事だと言える。フロー状態で仕事をしていると、プログラマは幸せや楽しさを感じることができる。それがまた高い生産性に繋がる。

先日、入社希望の若者が、先輩社員へのインタビューをしていた時「仕事をしていてポジティブな気持ちになるのはいつですか?」という質問をしていた。

そこで多くのプログラマたちは、プログラミングをして没頭している瞬間、なんでも作れると思える瞬間、俺ってすげーってなる瞬間、全能感を得られる瞬間、と答えていた。つまり、フロー状態ということだ。

やはり、プログラミングをしてフロー状態になることがポジティブな瞬間であり、幸せな状態なのだとしたら、プログラミングに集中できるような会社にしていくことが、私たちの会社の方向性なのだと再認識した。

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1