複数の選択肢から考える

何か決めるために議論をする際や、新しい何かを設計をする際に、1つのアイデアについてあれこれ考えるのではなく、複数のアイデアから選ぶように考える、という方法をよくとる。


若いメンバが何か考えてきた時に「そう考えた理由は?」という質問をする。それに対して理由がない場合は、改めて考えてきてもらう。

ナレッジワーカにとって、多くの仕事は正解のない仕事ばかりだ。企画を立てる仕事も、調査をする仕事も、絶対の正解なんてない。正解がわかっていないから依頼するのだ。

正解がわかっていることをするのは、ただの作業だ。決められたことをするなんて、コンピュータにでもやらせれば良い。

出してきた成果に対して、それが正しいかどうか判断することは難しい。だから、それを考えた根拠を問う。思考のロジックを聞いて、納得できるかどうか、そこがとても大事になる。


考えた理由を持つこと、と言っても、難しく感じるかもしれないが、そこで、複数の選択肢を考えることが有効になる。

複数のアイデア、少なくとも案を3つ出す。そうして、それぞれについてメリット・デメリット、リスク・リターン、実現可能性、様々な観点から比較をして、良い案を選ぶ。それで、選んだ理由ができる。

たった一つの良いアイデアを出そうとすると袋小路に入り込むことがある。だって絶対的な正解などないのだから。どんなことも、トレードオフがある。選択肢の中でベストを選ぶ、それが理由になる。

たとえ、くだらないアイデアであっても選択肢として上げることが大事なのだ。とてもダメなアイデアより、選んだアイデアは良いのだとしたら、その選んだ過程がロジックになる。


議論をする際も、複数のアイデアを出した方が良い。たった一つの良いアイデアを出そうとすると誰も発言しなくなる。

まず、複数のアイデアを出す。そうしてから、それぞれのアイデアについて良し悪しを議論すれば良い。

参加者同士で、互いの主張をぶつけ合うのは生産的ではない。複数のアイデアにした時点で、個人の主張から外れて、純粋にアイデアについての議論ができる。それは生産的だ。

なかなかアイデアが出てこない時、最悪なアイデアを出すというテクニックもある。例えば、ランチにどこに食べに行くか誰もアイデアが出ない時、マクドナルドに行こうって言うと、それに代わるアイデアが沢山出てくる。これは、マクドナルド理論というらしい。


システムの設計をすることも、複数の選択肢から選ぶことに他ならない。

どんなアーキテクチャにするのか、どんなプラットフォームを使うのか、プログラミング言語は何か、フレームワークはどうするのか、沢山の選択肢から選んでいくことになる。選択の組み合わせで出来上がる。

複数の選択肢から選ぶことで、たとえ失敗したとしても、その改善ができるようになる。当てずっぽうで取り組んだことは、失敗から学べることは少ない。

意図を持って選んだ選択肢でうまくいかなかったとしたら、次からは、その背景にあるロジックから見直すことができる。


正解のない問題を考える場面は、仕事以外でも沢山でてくる。

もちろん、誰に迷惑をかけないことで、自分のことなら直感で決めても良いだろう。ただ、直感も実は、自分がこれまで培ってきた経験を元に決めているのだろうけれど。

そして、直感に従うというのは、自分のことを信じて、自信がないとなかなか出来ない。自分の直感だけを信じて生きるなんて、結構な自信家だろうな、と思う。

もし直感だけで不安なときは、ロジカルに考えてみよう。そのロジックを支えるのが、複数の選択肢という訳だ。

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