ふりかえりでKPTが出ないのは良いサインか悪いサインか

Yoshihito Kuranuki
3 min readMar 21, 2017

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今日も「ふりかえり」に参加してアドバイスしたこと。ふりかえりはKPTというフレームワークで実施している。

KPT。良かったこと(Keep)と問題(Problem)、それに改善するためのアクション(Try)を出してふりかえりを行う。そのふりかえりを繰り返すことで、少しずつ改善や成長をしていくための取り組みだ。

チーム単位ですることもあるし、私たちは教育のために個人単位でも行っている。

ふりかえりに慣れてくると、よくあるのが、「KeepもProblemもあまりなく、Tryもない」という状態になるときがある。また、ふりかえりの単位を短くして、週に1度だったふりかえりを毎日するようになると、「KPTで出すことがない」となることもある。

果たして、それはうまくいっている状態なのだろうか?うまくいっているからKPTが出ないのか?

否。どんなに上達しようと、いいチームになろうと、KPTが出ないということはないし、期間を短くしたからといって、まったく良いことも悪いことも無いということはないはずだ。

もし、KPTが本当に出てこないとしたら、それはもしかしたら、その日々の仕事で、少しでも良くしようとアクションをしていない、少しでも成長するためのチャレンジをしていないのではないか。

出来ることをできるようにやっているだけでは、何事も上達しないし成長もない。出来ることを少し超えた目標をもって取り組むことでこそ、成長できるのだ。

自分の今の実力で出来るよりも、もっと速く仕上げることかもしれないし、もっと会議で発言することかもしれない。今よりもっと、と考えて取り組めば、KPTが出ないなんてないはずだ。

現状に満足しているなら、KPTは出なくなるだろう。もし成長をしたいと考えているならば、KPTが出ないことは、決して良いサインという訳ではない。

ポイントは、KPTが出ないからと言って、なんとかKPTを捻り出そうとすることではなく、日々の行動で挑戦をしていくということだ。何をするにも、自分なりの達成したいテーマをもって仕事に臨む。

今よりもちょっと難しいことに挑戦することで、達成できればKeepだし、出来ない点があればProblemになり、それを克服するためのTryが出てくる。それが少しずつ成長するということに繋がる。

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1