わからないことの貴重さと、教えることの難しさ

Yoshihito Kuranuki
2 min readJan 20, 2017

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一度わかってしまえば、わからなかったことが、わからなくなることってある。

わからなかった未経験者には戻れないんだ。

未経験者だからこそ楽しめることがある。映画でも、マンガでも、小説でも、アトラクションでも、スポーツでも。

あー、あの映画を見てなかった自分に戻って、もう一度見たい。まだ見てないなんて、それって幸せなことだよ・・・なんて。

最初のうちは新鮮だから、何をしたって楽しかったりもする。初めてのドラクエをしたときは、スライム倒すだけで楽しかった。先の展開がわからない楽しさもある。

知識や経験がないことは、劣っていることのように思えるけれど、そうではない。

わからないことを、わかってしまうのは、不可逆な変化だ。戻ることはできない。

たまに、忘れてしまって、新鮮な気持ちになれることはあるけれど。

「わからないこと」は、とても貴重なことなのだ。

何かを教えるときの難しさも、ここに起因している。

自分はわかっていて、相手がわかっていない。何をどう伝えれば、相手がわかるようになるのだろうか。相手の気持ちにならないといけない。

だけど、わからなかったことは、もう戻ってこない。

そこは想像するしかない。

もし、わからなかったことが、わかるようになった瞬間があったとしたら、それを書き留めておけば、その後に続く人たちにとって、大きな指針になるかもしれない。

だけど、わからなかったことが、わかるようになったら、嬉しくなって、そんなことも忘れてしまう。そう、うまくはいかない。

やっぱり教えることは難しい。

わからないことを嘆かないで良い。未経験だからと恐れる必要もない。

そんな貴重な体験、わかるようになることを楽しめば良い。

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1