本質が先にある経営をする

Yoshihito Kuranuki
2 min readJun 19, 2015

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私が経営をする上で気をつけていることがある。名前や形式的な事柄よりも、本質的な事象や結果を重視してマネジメントするということだ。

たとえば「肩書き」だ。一般的な会社であれば、肩書きや役職があって、それぞれに権限が割り当てられている。その肩書きを得ないと、出来ないことや、やってはいけないことがある。

しかし、私たちの会社では、誰もが同じ権限で、やってはいけないことはないし、誰もがやりたいことをやって良い会社だ。もちろん、仲間に迷惑はかけないように、価値観に反しないことなら、だけど。

たとえば「弟子」「一人前」という区分けがあるが、一人前にならないとやってはいけないことはない。弟子としての約束はあるが、仕事に境界線はない。出来るなら、どんどんと一人前の仕事を奪えばいい。

つまり、一人前と認められてから一人前の仕事をするのではない。一人前の仕事をしているから、一人前として認められるのだ。肩書きはあとから付くのだ。

会社の制度も同じことだ。会社が制度を作ってくれたから従う、というのではなく、様々なやりたいことをやって、現場で試して、取り組んだ結果をもとに制度としてしつらえていけばいいのだ。

制度が先にあって制度に従うだけになってしまうと思考停止に陥ってしまうし、なによりも変化しないことになって、成長がなくなる。現実が先で制度が後だ。

会社そのものだって同じだろう。会社なんて器があって、そこに入ったから社員になって仲間になるわけじゃない。お互いに助けあい高めあえると思える仲間がいれば、その結果として会社になる。

会社に入ったから仲間になる、のではなく、仲間になったから会社に入る。それが自然だし、それが会社の本質なんじゃないだろうか。

「アジャイル」も「リーンスタートアップ」も「ホラクラシー」も、私たちを表す言葉かもしれないが、それは結果であって、本質ではない。そんな言葉を目指してやっている訳ではないのだ。だからこそ変化し成長していける。

形や言葉が先にあることで人の思考は縛られる。なるべく本質を見て、本質から考えることで軸をブラさずにいれるし、その時々で柔軟な判断でベストな方法を選ぶことができるはずだろう。

本質が先で、言葉が後。そんなことを気をつけている。

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1