中間管理職のいらない世界。

Yoshihito Kuranuki
3 min readMar 30, 2015

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私はよく小さな会社が良いと言っている。特に、クリエイティブな仕事や問題解決の仕事をする人たちの会社は、頭数が多いことで価値が高まる訳ではないから、小さくて良いのだ。

お客様と社員が満足して仕事ができることが一番だ。投資家じゃないんだから、スケールしないからって別に良いんだよ。

小さい方が信頼関係が築きやすい。小さい方がサボる奴が出てこない。小さ方が助け合いができる。小さい方が共通の価値観だけで集まれる。小さい会社だと良いことが多い。

しかし、小さいからといって、信頼関係があって、助け合い、サボることなく、共通の価値観で集まれるかというと、そうではない。ただ小さければ良いという訳ではなさそうだ。

その本質は「中間管理職がいないこと」ではないか、と考えている。

チームのメンバーが働きやすいようにすること、仕事に邁進できる環境をつくること、それがマネージャの本来の役割だったはずだが、中間管理職になると、そうじゃなくなってしまうケースが多い。

中間管理職は誰のために仕事をするのか?顧客ではなく上司を見てしまう。上司のために部下を管理することになる。間に入るだけで価値だと思ってしまう。何も生み出していないのに。

メンバーの評価は中間管理職がすることになる。トップが直接見れなくなると、数字で評価を出してもらうしかなくなる。中間管理職は、その数字をつくることが仕事になる。

中間管理職がいなければ、直接メンバーの働きや背景も知ることができて、数字なんかじゃなくて、お客様とメンバーを見れば評価もできるし、お互いに納得感もある。

数字で評価することになった瞬間に、いろいろ大事なものが抜け落ちてしまう。数字さえクリアすれば良くなってしまうこともあるだろうし、その人の本当の価値も見えなくなってしまう。

間に人を挟むと、数字でしか測れなくなってしまう。

中間管理職を置かないようにすることが、信頼関係と助け合いの会社をつくるポイントなのではないか。

しかし、組織を大きくするとどうしても間に人を挟んで管理する必要が出てくる。そうしてヒエラルキーが出来上がる。クリエイティブな仕事はヒエラルキーの中で、本当の価値を発揮することはできない。

クリエイティブな仕事なら、もっと個人の力や個性を重視した方が、働く本人もモチベーションが高まるはずだ。ヒエラルキーは、単純労働をする人たちを管理するための組織構造だからだ。

組織を大きくしながら、かつ、中間管理職を置かずに、信頼関係を築きあげることが、新しい時代の、新しい職業のための組織構造だ。ホラクラシーって呼ばれるものがヒントになるだろう。

そこに挑戦していくのだ。

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Yoshihito Kuranuki

ソニックガーデンという会社を経営しています。「心はプログラマ、仕事は経営者」の精神で、プログラマという仕事を誇れるものにすることがミッション。 ブログ http://kuranuki.sonicgarden.jp ※2019年1月に新刊「管理ゼロで成果はあがる」でました。→ https://goo.gl/reZez1