分散型社会でのコミュニティ構造とは?

Kohei Kurihara
6 min readSep 2, 2018

--

“コミュニティが必要な理由とは?” そんな議論をブロックチェーン界隈ではよく議論をされています。そしてそのコミュニティの持つ価値が、一体何を生み出すのかというのが実は大きなポイントになります。

そう、コミュニティとはまさに参加している全ての人たちにとって価値のあるものであり、それはコミュニティの運営者、そして参加者が協力して作り出していくものです。ただ、コミュニティ内でのユーザーとの関係性構築は一つの手段であり、今までバラバラになっていた産業の橋渡しの役割として今後機能していく大きな分岐点でもあります。

それぞれが多様で違った考え方やバックグラウンドを持ち、かつ今まではバラバラで活動してたものが、技術の進歩により今後一つになっていく事が求められていくようになります。そして、そのキーワードの一つが分散型の技術であると考えています。

過去のGoogleサーチの結果を見てみると、2016年以降 “ブロックチェーン”というキーワードでの検索が大幅に上昇し、2017年12月にピークを迎えます。

“blockchain search” Google Trend from Jan 2014 to August 2018

これはブロックチェーンへの関心が大きく変化してきている状態を表す一つの流れで、それとともに大きな変化とお金の流れの確信が起きつつあります。

“ビットコイン” というキーワードとの比較で見てみると、ブロックチェーンが緩やかに上昇しているのに対して、より特定の期間で大きく上昇している事がわかります。

“bitcoin search” Google Trend from Jan 2014 to August 2018

これは一つにコミュニティの持つ力によって全体の価値が大きく押し上げられ、それにより取引のボリュームが変化した一つの兆候ではないかと考えられます。将来価値を決める際に、コミュニティの持つ力とそれに伴う新規参入の量というのは非常にインパクトがあり、特に検索結果というのは全体の人々の関心を示す一つの指標として非常に興味深いものです。

良いチームは個別最適化を目指し、コミュニティ内の関係性をさらに強くしていく事で全体の価値を高めていく流れを目指しています。この個別最適を初期の段階で目指していく流れを “Vertical Community” と個人的には表現していて、単一的な価値を向上させる上で非常に効果的です。特定のブロックチェーンプロジェクトが目指すコミュニティマネジメントとは正にこの “Vertical” な状態を作り上げる事で価値を高め、エコシステムを作っていく事になります。

これは一種の宗教的な文脈に似た部分もあり、コミュニティ内の関係性が強ければ強いほど全体の価値が大きくなり、中心が存在する事によって方向性が明確になります。

Vertical Community images to squeeze new components

ただ、このコミュニティマネジメント手法は初期段階のオペレーションでは非常に有効に働くものの、コミュニティの価値観が分散化していくに伴い(技術自体がマーケット全体に広がり、参入障壁が小さくなる)、他のコミュニティとの関係性の構築が非常に重要になって行きます。

CHARACTERISTICS OF THE PRODUCT LIFE CYCLE STAGES AND THEIR MARKETING IMPLICATIONS(https://marketing-insider.eu/characteristics-of-the-product-life-cycle-stages/

有名なマーケティングの商品ライフサイクルという理論がありますがコミュニティのケースで当てはめると、初期のイノベーティブなマインドを持った人たちというのは、技術やマーケットが成熟するに伴い選択権を得られるようになります。選択権がコミュニティのマネジメント側からユーザー側に移った際に、コミュニティマネジメントの手法もマーケティング戦略同様に変化させていく必要が出てきます。

もちろん、初期のイノベーティブなユーザーに加えて新規ユーザーの受け入れを行なっていく必要がある事は間違えありませんが、ここで必要になるコミュニティマネジメントというのは、垂直的に価値観を共有するものではなく、より幅広くかつ柔軟に価値観を共有する必要が出てきます(いわゆる薄く広いつながり)。

Horizontal Community across Vertical Community

幅広いコミュニティというのが新技術の導入の際に非常に重要な役割をしめる事が多く、複数の導入要因を技術と技術を求めている側でバランスをとりながら進めていく際に大きなドライバーの働きを担うようになります。例えば、産業で新しい技術を導入する際に、重要なポイントとしてはいかに導入側のペインポイントに対して最適な技術を提供できるかというのが鍵になります。

持続可能な技術の浸透を目指していく上で必要なコミュニティというのは垂直型のコミュニティと並行型のコミュニティの共存バランスであり、そのコミュニティを上手く組み合わせる事によってバランスをとり、実際の導入までのコミュニケーションを実現する事ができるようになります。

最後にブロックチェーンのような新技術に必要なコミュニティというのは今後さらに並行的な視点で幅広く人々が移動できるものであり、そのコミュニティは長い視点での技術の実装を見据えていく上でより重要視されていくだろうと思います。

--

--