「3.0」をめぐる旅

修理固成
Cre8 University
Published in
May 22, 2018

長年追求してきた人生のテーマが「3.0」

私が3.0に辿り着いた事の始まりは独立当初、生きていく中で必要に迫られて実用の方向から掴もうとした。特に未来を想像し創造することが念頭にあり、その一念で思索と実践を繰り返してきた。

2013年当初は「3.0」をアンテナにWeb3.0、Work3.0、Marketing3.0、Motivation3.0などと「3.0」の名がつく書籍を読みふけった。2014年には、人材コンサルベンチャーの立ち上げに従事をする最中「Career3.0」をコンセプトに新たな働き方や本質的なキャリア支援に関する研究会を見つけ、学びを乞おうとした。代表にメールを送るとCDAやキャリアコンサルタントなど有資格者限定の研究会だと、あなたは無資格で門外漢だと追い返された。それでも食い下がり念願の学びにありついたことは今でも覚えている。以下は私のメールよりそのまま引用。

「大学在学中、内定を第一志望含め数社から獲得するも働き方や生き方、既存のパラダイムに違和感・限界を覚えると同時に、次の時代が求めているのは、自分らしい生き方とその根っこの想いでつながるクラウド型の社会であると確信・先取りし2013年卒業と同時に独立し1年半が経ったところです。卒業後は自由な時間とつながりを活かし、様々な企業・大学・コンサルタント等と連携しながら京都にてアントレプレナー実践塾、大学でのキャリア講座&ゼミや法人向けの次世代型リーダーシップ研修などを手がけてきました。なので、次世代の社会やキャリア、生き方の実現を志す皆様と活発な意見交換ができればと思い参加希望をさせて頂きました。皆様と比べると、経験も専門分野も浅く力及ばずかと思われますが次世代の自分らしい生き方を1年半模索・実践・提案し続けてきた経験は微力ながら皆様とはまた違った角度から議論の盛り上げにお役に立てると思っております。」

「コレ(Career3.0)はなんとしても学ばなければならない」

「いち早く体得して未来の創り手に回るんだ」

と鬼気迫る勢いであった当時が思い出される。図々しいくらいアグレッシブであったが、とても歓迎されニューキャリア論を2年近く直伝で学ぶことができたありがたい機会に恵まれた。

Career3.0自体には大いに可能性と価値を感じた。それと同時に、限界も薄々感じていた。Career3.0自体の限界ではない。 キャリア領域の「3.0化」だけでなく、その本源的価値や動力をひろく社会に応用し、全体が連動する大きな場が要ると念った。

閉塞感漂うあらゆる領域に「3.0」というパラダイムシフト(→ブレンド)の変革力が必要だと直観したからである。個人のキャリアの変容だけではとてもではないが間に合いそうもない、そう念った。

ただそれでも、やはり、個々の変化が変化を呼ぶものだとも思い直した。それからは、とにかく3.0と名を冠するものや未来に関する事柄は蜘蛛の巣状に寄せ集めあらゆる領域に学ぶようにしてきた。

それから、全てが一致したからか、
大学院の卒業年度のメインテーマが、

「Mentoring3.0」

「3.0」のグランドデザインとなる人間力モデルを学び、その中真の概念となるメビウス論を受け取る。さらには、EQ3.0、Learning3.0、リーダーシップ3.0とメンタリングリーダーのあり方とやり方の一致するところを深める事ができた。人間としての在り方3.0,生き方働き方3.0,を演習しながら体験的に学べたことはあまりに大きい。

◎まずは「メンタリング3.0」では、メンター∞メンティが”共創・共進化”するInter-Beingがメンタリングリーダーのあり方の要であった。息するように出入りするメビウスダンスの躍動感がそこにある。

◎「自己認識3.0」の主眼は、人間力の核として特に「ミッションステートメント」に置かれた。人生には様々な偶然と必然があり、そのDotsをConnectingし統合するのがMVP。他者を否定する戦略思想を好しとせず、利他の気持ちで自∞他が結ばれ”私たち”へと統合された。また統合力を目に見える形で体現する鷲見先生の人間力には大変驚かされた。

◎町田先生は、意識∞無意識の結び目にある潜在意識を「声の力」を通じてクリーニングし解放する。仏教の原点を「ありがとう」という受け入れやすい形に編集し、誰でも簡単に深い瞑想体験ができる自己探訪・異界探訪の場を作っている。また今年4月にオープンしたありがとう寺は、心を肥やし、無意識を耕す体験ができる素晴らしい場である。ハワイからの流れがここにつながっていることも実におもしろい。

◎小森谷先生は、制限パターンを解放するために、①認識②受容③活性④行動というプロセスを設計している。コア・パターンを探求する問いかけから、真の意味での自己構築が始まる。解放された「Self-Transforming mind」を実践しないと、個人∞組織のシナジーにはなり得ない。オーガニック型組織へと変態しパラダイムがブレンドされた「マネジメント3.0」には、一人一人にこの「自己変革マインド」が必須であろう。

◎そして、時のテーマである「ダイバーシティ経営」を3.0へと導くのが荒金先生のファシリテーター型リーダーシップ。ワールドカフェなど対話の場では「否定はしない」というルールが多く、それが積極的に対立するダイナミックな対話やそこから生まれる気づきを阻害していると薄々感じていた。しかし、時には、コンフォートゾーンを飛び出し自分を壊す必要もある。信頼をベースにぶつかり合いクオリティにこだわるためである。デメリットに思われがちな多様性、そこにある矛盾を活力に変えるのが対話である。郷に入りても和して同ぜず、異に交わりて新が生まれる。

更には社会を見渡すと、『仏教3.0』『日本3.0』という書籍も出版されているように、各業界で「3.0」を希求する声が聞こえて来る。

だから学びながら実践し、実践しながら学んだ
「3.0」そのものを弘く社会に役立てていきたく念っている。

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