深セン・広州・北京旅行記その2 盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)

Toshi Watanabe
6 min readJan 13, 2019

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というわけで、昨日の続きです。第一回はこちら

すでにいくつかのメディアでも取り上げられていますが、今回はアリババのスーパーマーケット盒馬鮮生(フーマー・フレッシュ)とテンセントのスーパーマーケット超級物種にも訪れて来ました。それぞれ中国の巨大ネット企業であるアリババとテンセントのスーパーマーケット。QR決済だけでなく、様々な体験を内包しており、次世代のスーパーマーケットとして注目を集めているようです。

ネットでブログ等を探したところ、深セン1号店はかなり離れたところにあるのですが、最近中心地にもできたようなので、Googleマップを頼りに訪れてきました。

フーマー・フレッシュ(青いカバのマーク)
・行き方:地下鉄1号線の会展中心駅から直結している皇庭広場(WONGTEE PLAZA)の地下一階に入っています。電気街からだと、華強路駅まで歩いていくと乗り換え無しで着きます。

皇庭広場(WONGTEE PLAZA)
フーマーフレッシュの入り口

このアリババフレッシュ(なんとなくこちらの方がしっくり来るので…)、いろいろ特徴的なスーパーマーケットなのですが、
・実際にお店で選んだ品物を30分で配達してくれる
・アプリを使った原産地トレーサビリティがある
・ECでも買える
・買ったものを調理してくれて、その場で食べられる
というのがわかりやすくて面白かったです。一つずつ書いていくと、

・実際にお店で選んだ品物を30分で配達してくれる

まず、スーパーマーケットなのでその場で買うこともできますが、お店では品物を選ぶだけで、袋詰と30分以内配送(配達範囲の制限はあり)はお店がやってくれる。お肉や野菜など、やはり現物を見て購入したいものもありますが、それを実際に確認した上で購入し、配達までやってくれるのは便利。すべての商品にはバーコードかQRが着いているので、もちろんアプリで購入から支払い、配送まで完結します。お店には青いTシャツの方が数多く走り回っていて、商品を袋詰しています。天井には、袋詰された買い物バッグを輸送するレーンもあって、袋詰めされたバッグが我々の頭上を流れていきます。

フーマーフレッシュ店内は、青いTシャツの方々が注文を袋詰して回ってます
天井には袋詰の終わったバッグが流れていきます

・原産地トレーサビリティがある

日本でも原産地が気になる性分ですので、もちろん中国でも気になります。中国の方も同じようで、各商品について、表示もしてありますが、アプリでコードを読み込むと商品のトレーサビリティが行える仕組みを提供しています。Whole Foodsじゃないですが、商品の質やオーガニックなどを気にすることができるのは、やはり消費者が豊かになったことで、選択肢が増えた結果なのでは無いかと感じました。

カニにもQR付き。自分で良さそうなのを網で掬うこともできます

・買ったものを調理してくれて、その場で食べられる

お店の奥には、購入した商品を調理してくれるキッチンがあります(調理は有料ですが、20元いかない程度だったと)。トレーサビリティじゃないですが、使う材料が見えるという安心と、調理の手間をアウトソーシングできるのは非常に便利だと思いました。プロが作ってくれるし…自宅での片付けもしなくていいし、レストランで食べるより割安。日本でもイオンなどの大型スーパーでやってくれたら、毎日使ってしまうかもしれません…

お店で買ったもの、調理したものを楽しめる場所が店内に。

配達軍団は大きく2種類?

深センだけでなく、各都市で見かけた配達集団。青と、黄色の2社があるようで、街中を電動バイクで走り回っています。

黄色の配達軍団
青の配達軍団。どちらも電動スクーターをフル活用してます

超級物種はお隣の駅に

ちなみに、先程のショッピングモールからひと駅分地下道を歩いていくと、お隣の購物公園駅に着きます。ここにあるショッピングモールには、テンセント出資のスーパーマーケット「超級物種」があるのでこちらも見てきましたが、アリババで見たような配達要員が駆け回っている姿やコンベアに乗せて配達、というのは見えず、普通のスーパーマーケットという感じでした。中国国内の一部店舗では、ドローン配達を実験している模様です。

何が面白いって、スーパーで何か食料を買うのを考えると、買った後はだいたい自宅に持ち帰って保存するか、その日の料理に使うと思うんです。その作業を盒馬鮮生が代行してくれる。なんていうか、スーパーマーケットで食料品を買う、というUXを考えたとき、かなり快適な物が実装されていて、数多くの人が使う価値がある(2018年のクリスマスに訪れましたが、めっちゃこんでました)と考えているのでしょう。とはいえ、買ったものの袋詰めもそうだし、配達インフラそうですが、現状自動化されていないので力技ができる規模感と人口の構成があってだなあと思う部分もあったのでした。

明日はNoMEとMEISO、それから実は一番面白かった刀削麺のチェーン店について書こうと思います。

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Toshi Watanabe

Visiting Scholar at Stanford (2017 June-2018 ). From Japan, a Media company. Engineer/Bizdev at The Asahi Shimbun(2019-). なお、mediumは個人のSNSであり、会社や所属組織の意見とは無関係です。