イケてないなと思うフィードバックコメント

ITアーキテクトブログ
6 min readJan 1, 2018

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フューチャーアーキテクト(裏) Advent Calendar 2017 の10日目です。

tl;dr

  • 会社で360度評価のためにプレゼンテーションをやっていて、チームのみんなからコメントをもらえるよ
  • 良いコメントもあれば、そうでないことを言う人もいるよ
  • 雑にコメントせずに、本人に何をどうしてほしいか具体的に伝えてもっと世界をよくしようよ

はじめに

今所属している会社にて毎年恒例な成果アピールプレゼンテーションが行われます。自己評価に加えて、先輩・同期・後輩含めたいわゆる360度評価を行なう場となります。枠は一人10分間なんですが、この前ぼくは20分近く話してしまい、タイムキーパーをしていた新人さんに怒らました。うっかりですね。プレゼンの後にチームリーダー・同僚・後輩からフィードバックが行われ、非常に身に染みるお言葉を多く頂きます。そこそこ大企業なはずなのに、全社員参加なため膨大なリソースを投入しているはずなのに、当たり前のように毎年実施しているので、単なる制度というより企業文化そのものなんだなと感じています。

成果アピールプレゼンテーションのフィードバックコメントについて

個人的には自分の技術的成長だけを見ていた時期に「どうそれを活かすかが大事かと」と軌道修正させていただいたり、キャリア的に悩んでいた時に「後輩に憧れられる存在に慣れ」とハッパをかけられたり、「どの技術で会社にどう貢献するつもりか」と自分の立場を再認識させられたりと、やる前は面倒くさいなと思ってましたが、実りが多いイベントだとおもています。覚えている内容を書き出すとエモい内容ばかりで恥ずかしいですね。

そんな成果アピールプレゼンですが、中には意味が無いなというコメントだなと思う時があります。自戒をこめてまとめてみます。完全に個人的な所感なので、中には当人たちに響いているコメントもあるかもしれませんのであしからず。

イケてない(と思う)フィードバックコメント

1. 〇〇さんの後継者を作らないとダメだよ

(説明)◯◯さんが活躍していて得難い人材の場合によくでるコメントです。第二の◯◯を作らないとダメだよという亜種もあります。

そりゃそうなんだろうけど、それって◯◯さんが行なう仕事じゃなくてマネジメントの仕事じゃないのか?って思います。◯◯さんも自分のコピーってなんだよ?っておもいますよね。◯◯さんも彼または彼女の経験に裏付けされたの数々のスキルセットを併せ持った上で活躍していると思うので、全く同じ経験を積ませることは不可能な以上、実現性が無いでしょう。

(原因と対策)これが、△△の技術領域のスペシャリストをもっと増やさないとならないので、育成計画を一緒に考えましょう、とかだったら凄くわかるので、その人のどういった部分が優れており社内的に希少な存在かを具体的にフィードバックしてあげましょう。

おそらく、◯◯さんの何が優れているため希少な存在なのかコメントを送る人が理解していない気がします。自分の組織やチームにどんなスキルセットが何人いるかポートフォリオを把握し、人材育成やリクルート計画を真面目に考えたほうが良いと思います(と言いながら、組織のリーダのなったことなんて一度も無いですが)。

2. ◯◯さんのタスクが属人化しているのでスケールさせよう

(説明)◯◯さんが多くの仕事を主体的にリードしており、かつその業務内容がブラックボックス化している時によく聞くコメントです。

タスクが属人化していると言われると、それはその通りなので、翌年メンバーを入れて後輩育成に精を出すと、今度は◯◯さんの存在感が薄かったねと言われます。中々バランスが難しいところです。しかし、有能な人にタスクが集中しちゃうのは世の常ですよね。とは言ったものの、周囲のちょっと離れた人から見ると、その人がいなくなると仕事が回らなくなるリスクを感じてしまい、ついタスクを分散せようという善意で上記のコメントが産まれるのかなと思います。

(原因と対策)1とちょっと似ている内容ですね。1と同じなのですが、◯◯さんのタスクが属人化しているのはマネジメントの判断でそうなっているんじゃないのか?ってよく思います。技術的にInfrastructures as a Code的な文脈で自動化しようよとかだったら簡単ですが、そうでもない仕事もまだ沢山あるのが辛いところですね。もちろん、単純に業務内容がブラックボックス化しているのであれば、Wikiなり手順書なりAnsibleなりに示せば良いのでこれは簡単ですが、その意図ならそう言ってほしいですね。

ただ、繰り返しになりますが、プロジェクト体制でチームとして働く以上は常に引き継ぎを考える必要あるので、言っている事自体は正しいと思います。

3. 今年は◯◯さんらしさが無かった

(説明)過去、目立って活躍していた人が、黒子に回った時によく言われるコメントです。1,2を真に受けて後進育成をがんばっちゃうと言われるケースが多く、どっちなんだよ!って突っ込みたくなりますね。まぁ、有名税みたいなものかもしれませんが。

(原因と対策)◯◯さんらしさってなんだろう。自分ってなんだろうと己を見つめ直すために1ヶ月くらい途上国を旅したくなりますね。結局、何をして欲しかったのかさっぱり分かりません。というかして欲しいことがあるなら、週次かせめて月次で言ってあげたら?と思います。実際は自分の目の届かないところで、もっと細かくフィードバックしているのかもしれませんが、このコメントだけ聞くと意味不明だなと思います。

(番外編)アウトプットは良いかもしれないけど、◯◯さんは早く帰ることが多い。他のメンバーへのケアが必要

論外ですね。

これを言って◯◯さんにどうしてほしいのか、意味もなく残業して欲しいってことなのか。これを聞いた他の若手がどう感じるのか?30年前の発言なのかな?って思っちゃいますよね。そもそも、タスクの成果ベースで評価できていないってことじゃないかて思いますね。結局、席に座っている時間でしか評価できていないぞオレはって言っているみたいで、ちょっと恥ずかしいことなのかもしれませんね。

まとめ

  • 言うことが無いからって、後継者を作れっていうのは思考放棄でしょう
  • 期待している役割とタスクはこまめにフィードバックしよう
  • ワークライフバランスの世の流れくらいは当たり前に抑えよう

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