暗号通貨とそれらが織りなす経済圏について②

毎日暑いですね。お読みいただき、ありがとうございます。

前回は、トークンとは何ぞや?という点、そのトークンを活用してどういったことができるのか?やりたいのか?について触れました。そのトークンの性質、トークンのユースケースについて、今回もう少し掘り下げたいと思います。

トークンとは・・・(前回からの再掲)

暗号通貨。基本的に発行主体が存在し、プラットフォーム上で使える特定の利用用途があったり、証券的な価値・財産的価値があったり、代替貨幣であり、証票。

なので、ビットコインとかイーサリアムがパブリックな万人に公開されているブロックチェーン=プラットフォームだとすると、トークンは、その分散型台帳のうえで取引できる暗号通貨です。そして繰り返しですが、発行主体が存在します。発行主体が、何らかの意図・目的をもって、そのトークンを発行するわけですね。

うーん。発行主体?証券?この辺り、結構混乱するので、丁寧に解説していきたいと思います。

そもそも、暗号通貨の扱いって何なのでしょう。マネーでしょうか、通貨でしょうか、アセット(資産)でしょうか。そのすべてに該当するのでしょうか。

この辺り、貨幣の出現のきっかけにさかのぼって色々調べていたのですが、カビール・セガールの「貨幣の『新』世界史」が大変面白く、何回も読み返してしまいました。

もともと、紀元前ウン前年も前に、塩や肉などの人が食べて、生きるのに必要なエネルギーを保存しておき、商品として別の価値とやり取りする過程で発生した見方がありますね。その時は、商品が貨幣の機能を果たしていたのでしょうし、そのあと、硬貨が出現することで、商品と商品の間に入り、いつでも持ち運べて計算単位や交換基準が決められることで、交換がしやすくなっていったと。

そして銀や金そのものの含有量に裏付けされた通貨が国家によって制定され、それによる徴税や通貨発行がなされていきました。ただ、そうすると今度は裏付けとしていた銀や金が足りなくなり、通貨を発行すればするほど通貨の価値が下がっていったのが、メソポタミアでも、ローマでも、モンゴルでも、日本でも共通してみられる通貨の歴史のようです。

最終的に、ドルが金1オンスに対して35米ドルにペッグされたブレトンウッズ体制が幕を閉じるのは1971年のニクソンショックが発生してようやくのこと。つまり、今の中央銀行が金に裏付けされない自国通貨を管理・発行していくようになったのは、人類の長い歴史の中でここ50年に満たない、最近のことなわけですよね。

そして、そこに彗星のように2009年、暗号通貨が出現して今に至ります。

そのような歴史を踏まえると、たった10年しか経っていない中で、暗号通貨は通貨になっている!と言い切るには無理があると思いますし、実際は今のボラティリティーの激しさや、発行量に上限があるという希少性から、まだ万人に広く決済として利用される通貨には程遠いですよね。もちろん、ビットコインが決済に使える店舗は出てきていますが、まだまだ日常的な決済には使われておらず、持っている人は値上がりを期待してホールドしてしまう傾向にあり、投機利用がメインなのも事実。

言い換えれば、ビットコインはデジタルなゴールドにはなりましたが、デジタルな通貨にはまだなっていない、という言い方が適切かと思います。

むしろ、暗号通貨は通貨たりえるか?という点を試されているように思います。

つい最近も、ニューヨーク証券取引所のCEOが、ビットコインが世界初の国際通貨になりうる可能性を秘めている、と発言していましたね。

そして現状について言えば、例えばビットコインが先物で取引されていることからも、麦やトウモロコシなどに近い商品(コモディティ)なのか、それとも株式などに近い有価証券(セキュリティ)なのかについては、まだ世界で共通見解に至っていませんし、日本でも暗号通貨に関する規制が、改正資金決済法から金商法に移行するのでは?という噂があります(そうなると、有価証券のカテゴリに入るということになります)。

ただ、そのいずれも、暗号通貨取引の目的を投機や投資をベースにした考え方で、そうなってしまうと、どんどん暗号通貨が日常の決済から離れていってしまいます。ここには、有識者の方々の間でも、懸念が漏れ聞こえます。

そうではなく、トークンを日常的に活用した贈与経済のようなものを確立したい。

トークンエコノミーの自分なりのコンセプトとしては、日常生活で当たり前のように徳を積む人がお互いを評価し、評価し合う。評価経済というとちょっと冷たい響きがあるので、どちらかというと贈与経済に近い。市場経済であれば、単なるローンや、クレジットカードの支払い、債権・債務にまつわる商品になってしまうが、この人の取り組みが面白い、興味がある、知りたい、応援したい、だからトークンを渡す、受け取る、お返しをする。

夢を応援して何かしらの特典をもらうのは前回触れたVALUがありますが、それだと、名前が売れていて発信するパワーのある有名人にコインが集まりやすく、クラウドファンディングとあまり変わらない。それよりは、もっとミクロな、日常的に発生することでいいと思う。オフィスでの投げ銭や、自己研鑽のコミュニティでもいい。自分の学びについて発信し、お互い共有しあう場でもいい。書いた記事に対してでもいい。

何かしら、お互いに「やっている」こと、「行動した」ことをシェアし、それを讃え合い、人間関係のつながりを作り、可視化されていなかったコミュニティ、トークンによってつながり合うコミュニティを形成していく。今や、ブログの記事に対してトークンを支払うALISメディアや、市民が発信し、信頼スコアに応じてトークンをもらえて政治家にトークンを送って応援することが可能なPoliPoliといった、新しいスタートアップが続々と出てきているので、すでに実現に向けて色々な取り組みが始まっているし、地域独自通貨としての実証実験はいくつも事例があります。

肝心なのは、何でもいいので、投資や投機だけではない、暗号通貨を支払い、受け取ることによってそのコミュニティ-で経済圏が作られるという事例を増やしていくことだと思います。トークンエコノミーのムーブメントは、まさにそれに該当します。

今回は、ここまでにします。次回は、ではそのトークンエコノミーはブロックチェーン、そして暗号通貨で実現されるべきなのかどうか?について、話ができればと思います。

お読みいただきありがとうございました。