暗号通貨とそれらが織りなす経済圏について⑩

Maiko1059
6 min readAug 18, 2018

--

今回は、暗号通貨ステーブルコインの最後として、Basisトークンを取り上げます。

無担保型の、非中央集権型?とされていますが、色々記事を読んでいて、以下3点が気になっていました。

1.3つトークンがあるって聞くけど、その役割を簡単に言うと?

2.将来の値上がりに期待されるというのはどういうことか?

3.分散型っていうけど、どこまで分散型?

ホワイトペーパー(https://www.basis.io/basis_whitepaper_en.pdf)を読んだところ、上2つの疑問は解消できた気がするので、それについて書きたいと思います。まずは1つ目の役割の方から。

【1.トークンの役割】※分かりやすくするために一部主観的な表現を用いていますがご容赦ください

・Basis token・・・ペグ対象のアセットとペグされる、基軸トークン。その供給量はブロックチェーン上で自動調節される。

・Bond token・・・Basisのキャピタルゲインを積極的に得たい人が買うトークン。Basis配当の優先権がある。

・Share token ・・・Basisのキャピタルゲインが欲しいけどそこまでではない人が買うトークン。Basis配当の優先権なし。供給量は一定。

以下に、全部略します。

Basis token→Basis, Bond token→Bonds, Share token→Shares

次に、ざっくりとした全体の流れです。

【2.Basisトークンの供給増減の流れ】

①Basisのペグアセット(最初はUSドル。将来的には他の法定通貨もやりたいらしい)に対してのターゲットプライスが決められる。ここでは1Basis=1USDがターゲットプライスとなる。

②オラクルにより、Basis対USDの価格を外部からブロックチェーンへ取り込む

③Basisトークンの供給が以下2つのパターンで自動調節される。

-1.価格が上がると?Basisが発行され、BondsとShares保持者へ渡る

-2.価格が下がると?Bondsが発行され、売られる。BondsはBasisを買うために使われる。

③の部分を抜き出してもう少し細かく以下にまとめます。

-1.Basisの需要が上がり1ドルより上がると、新しいBasisが作られ、BondトークンとShareトークンホルダーに配当される。以下にBasis配当の仕組みを記載(※1)

-2. Basisが1ドルより下回ると、Bondsが作られ、売られる。それを買ったBondホルダーは、Basisをロックアップする。これはBasisトークンの供給を引き締めるのと同じことを意味する。

Bondsを買う人たちは、Basisの将来の値上がりに期待している。将来Basisが1ドルより上がり、供給が増えた時に、配当として1Basisで贖われることを約束されているから、購入する。以下にオークションの仕組みを記載(※2)

確かにこのサイクルがうまくいけばいいけど、確かに、これを維持するためには、Basisの需要が上がり続けないといけない。落ち続けることは想定されていない。1ドルを基準に、その上下で供給量が自動で調節されるよ、というのはDaiと似てはいますが、市場全体に流れるBasisの供給量自体を調節しているので、分散型のセントラルバンクを彷彿とさせます(本当に分散型であれば)。

※1・・・配当の仕組み。

新しくBasisが作られ、発行されると、BondsやSharesホルダーの待ち行列(the Bond Queueと呼ばれている)に均等に配分される。if we need to create 100 Basis, we convert the 100 oldest outstanding bonds into 100 new coins. というように。ここの配当は、Bondsが優先。Sharesは、Bondsホルダーがいなかった場合に配当を受けられる。Bondsは早くに買った人ほど待ち行列の先に行くので配当を受けやすい。Bondsは5年期限がある。それを過ぎると期限切れ。待ち行列に自分より前の古いボンドがいなくなった時に、自分のボンドが期限切れでなければ、1Basisの支払いが受けられる。

しかしこの仕組みの中で、Sharesホルダーはまともに配当を受けられるのか?何のためにいるんだ?と思ってしまう・・・(ホワイトペーパーの14ページ目に、there are 0 outstanding bonds and 10 million outstanding shares, then each share receives 0.1 Basisとあるので)

※2・・・bondの売り(オークション)の仕組み

ホワイトペーパーの15ページ目に説明がされているが、いくら想定のBasisを買うか、および、どれだけの量のBondトークンを買うか、を決めて買いを入れるが、One bid for 80bonds at 0.8 Basis each, one bid for 80 bonds at 0.6 Basis each, and one bid for 80 bonds at 0.4 Basis each.と3つ買い注文がある中で、なんで0.6Basisが勝ちになっているのか不明でした・・・。誰か分かる方教えてください。

あとこのオークションで、Basisトークンがめちゃめちゃ安く買い叩かれるみたいなケースも、やりようによっては可能なように見える(ソロス・ショックよろしく)。

あとは最後に、3のどこまで分散型なのか?の点については、ほぼホワイトペーパーに書かれていないように見えます(私が読み解きに力及んでない説もありますが)。Basisプロトコルっという言い方をしているのですが、イーサリアム上で動くとか、ERC20の文言がどこにも見受けられないので、DAppsではないという理解でいいのですかね。そして独自ブロックチェーンなのかな、と思いましたが、DPos(Delegated Proof of Stake)と似たような仕組みを使うらしいですが、そうするとノードが限られるので、分散型といいつつも実は分散型ではない・・・?このコインは、取引所に上場していないこともあり、どこまでが構想なのか、実際に稼働するのか、見てみないと何ともいえないところがありますね・・・。

ありがとうございました。

次回は、ここまで主だった種類の暗号通貨のステーブルコインを見てきましたが、それ以外にステーブルコインってないのだろうか?というところを見ていきたいと思います。

--

--

Maiko1059

crypto currencyに興味を持って色々と調べるうちに抜け出せなくなりました。