【スタートアップ必見】移転してわかった事前に知っておきたい6つのこと

おかげさまで当社は事業拡大に伴い、昨年(2016年)5月に事業所を現在の品川シーサイドに移転致しました。

今回は、弊社がその移転にともない知ったこと・学んだことなどをシェアさせていただこうと思います。特にアーリーステージのスタートアップが、できるだけコストは抑えてもう少し大きいビルに移転したいというようなニーズに対して役立つような情報かもしれません。

1. 共益費だけじゃない!いろんなものに費用がかかる

これまで借りていた小規模ビルでは発生しなかった費用があれこれ発生するようになりました。 具体的には、現在入居している中規模ビルでは共益費以外に以下のような費用が発生するようになりました。

ゴミ処理費用

これまでは、ゴミ処理費用は共益費に含まれていましたので、ゴミの量など気にすることはありませんでしたが、 移転後は重量課金制となりました。 従業員数20名ほどで一月に5千円ほどかかるようになりました。

ゴミ回収費用

これまで、自分たちでゴミ置き場に捨てに行ったり、 共益費の中から毎朝清掃員の方が回収してくださっていましたが、 入居したビルでは管理会社の指定業者とゴミ収集契約をすることが決められていました。 1日1回のゴミ回収で月に約4万円ほどかかります。 ひと月20営業日と考えると1回2千円です。

「防火防災管理者」の選任と「防火管理点検」

ビルの規模(東京消防庁HP参照)によっては、防火防災管理者という資格を持った社員を防火防災管理者として選任する必要があります。 これは6,500円のテキスト代(平成28年6月現在)を支払い、消防署で2日間の講習を受けると取得できます。

また、年に1回専門業者に依頼し、フロアの防火管理点検を行い、消防署に提出する必要があります。 この点検はビル管理会社に依頼をしても良いですし、 専門業者に個別で依頼しても良いのですが、150平米のフロアの場合1回約8万円かかります。

引越し警備費用

他のテナントの迷惑とならないよう休日に引越しを行おうとした場合、入り口に臨時警備員を配置する必要がありました。 4時間半で2.7万円ほどの費用が発生しました。 実際は引越し業者の搬入がスムーズで、警備が必要だったのは最初の30分ほどだけだったのですが、 引越し日が休日の場合は、ビルによっては借主負担で警備員を置く必要がありますので、移転前に確認されることをお勧めします。

2. 原状回復を避けて粘り強く居抜き入居者を探すことが大事

スタートアップの移転理由は増員に伴うものがほとんどだと思います。 浅い年数で移転することが多く、そこまで汚れていないでしょうし、 居抜きで次のテナントに入居してもらい原状回復費を削減できるとベストです。

以前入居していたフロアは50坪ほどでしたが、 退去に伴う原状回復費には250万円ほどかかるということでした。 床下配線、電気配線、クリーニング、造作壁の撤去等を行い、フロアをまっさらな状態に戻すためににかかる費用です。 これを次のテナントに居抜きで入居してもらうことにより電気配線、造作壁等の撤去が不要となり、 現状回復費用を約6分の1に抑えることができました。

居抜きの入居者を探すために私たちが行ったことは、主に以下の3つです。

  • facebookで入居者を募集する
  • スイッチオフィス」への物件の掲載(無料)
  • 不動産業者への居抜業者紹介依頼

あとは、常にオフィスを綺麗に保ち、粘り強く内見対応をした結果、幸運にも退去の直前で居抜き入居者が見つかりました。

そのまま使える綺麗なオフィスを壊してしまうのはもったいないですし、 移転を決めたらすぐに次の居抜き入居者を探すことをお勧めします。

3. オフィスデザインの肝は「B工事」にあり!

一般的にオフィスの内装工事には、工事区分というものがあり、 「A工事」「B工事」「C工事」というものに分かれています。

A工事

費用負担・・・貸主
工事対象(例)・・・廊下・トイレ・エレベーターといった共用部の内装など

B工事

費用負担・・・借主
工事対象(例)・・・専有部内の空調、電気・照明、防災などのビル設備に対する移設や増設工事

C工事

費用負担・・・借主
工事対象(例)・・・専有部内の内装工事、電源・電話・LANなどの配線工事、什器設置工事

借主である私たちが費用負担する工事はB工事とC工事です。 B工事は主に空調、電気、照明、防災設備の移設や増設に関わる工事ですが、 天井に設置されている既存のスプリンクラーや感知器をいかに移設・増設せずオフィスの内装をデザインするかが、費用を抑えるうえで最も重要です。

スプリンクラーはフロア全体に均等に撒かれるように配置されているため、 スプリンクラーの範囲を妨げるように壁を造作してしまうと、新規で増設しなければなりません。

また、スプリンクラーの移設や増設の数が少ない場合でも、いったん管に通っている水を全て抜いてから工事をするため、相当な費用がかかります。何も考えず好きにデザインしていくと、B工事費用だけでも数百万円も余計にかかってしまうことがあります・

B工事費用を抑えたプランを提案してくれるデザイン会社さんにお願いするとよいでしょう。

4. デザインはメリハリが大事! キーワードは「造作」

「造作」という言葉はオフィスデザインでよく出てきます。 打ち合わせでも「造作壁」や「造作家具」などという言葉が飛び交いますが、 要は「特注」ということです。

資金さえあればいくらでも造作してオリジナリティが出せるのですが、 私たちのようなスタートアップでは造作が必要な部分とそうでない部分のメリハリが大事です。会社の顔であるエントランスは造作壁をたてましたが、それ以外の場所は極力既製品を取り入れるようにしました。

ここに写っている家具はほぼ既製品ですが、弊社のデザイナーがオフィスデザインに合わせてコスパが良さそうなものを選びました。全てAmazonで購入可能なものばかりです。 写真の通り、既製品でも費用を抑えてそれなりにおしゃれな空間を作ることができました。

5. 引越業者選びは不動産紹介会社に聞け!

スタートアップであれば荷物も少ないですし、デザインに費用がかかる分、引越しの費用は抑えたいところです。 デザイン会社がそのまま引越業者まで手配するケースもありますが、割高になることがほとんどです。

とはいえ、膨大にある引越し業者から、自分で見積もりを取るのは大変です。 一括見積もりサイトに登録すると何十社からも連絡がきて電話とメールの量だけでパンクしてしまいします。

そこで、私たちは不動産紹介会社に紹介いただいたオフィス引越しを得意とする引越し業者の中から数社見積もりをお願いしました。デザイン会社を通して引越しする場合の見積もりは50万円でしたが、 実際にかかった費用は5分の1ほどで、対応も十分満足のいくものでした。

引越し業者の方から聞いた話だと、賃貸契約の日割りの関係で月末は引越し件数が多く金額を下げにくいそうです。逆に月初は引越し件数が少なく金額を下げやすいそうですので、移転日は月初がお勧めです。

6. Wish Listを公開する

スタートアップだから許していただけた部分でもあるかもしれませんが、 移転のご挨拶とともに本当に必要なものをWish Listにして公開し、その中からお祝いを贈っていただきました。

PCを小脇に抱えて移転しただけの私たちにとっては本当にありがたいことでした。 最近は法人でもAmazonのWish Listを公開することも一般的になっていますが、 これを活用できたことで、本当に必要なもので、長く使えるものをお祝いとしていただくことができ、 それ使う度にいただいた方に恩返しすべく精進しなければという気持ちにもなります。

まとめ

  • 入居するビルが共益費以外にどんな費用が発生することになるか事前に確認する
  • 移転を考え始めると同時に居抜き入居者探しを始める
  • B工事費用を抑えたオフィスデザインを考える
  • 「造作」が必要な部分と既製品が使える部分を分けデザインコストを抑える
  • 不動産紹介会社に引越業者も紹介してもらう
  • Wish Listを活用する

いかがでしたでしょうか?移転時にはやらなければならないことが多く大変なこともありますが、 新しい環境で仕事できるとは社員のモチベーション向上にもなり、楽しいこともたくさんあります。

このなかのひとつでもこれから移転を計画されている方のお役に立てれば嬉しいです。