2016年度 Jリーグ各クラブ 営業収益分析
前々から気になっていたJリーグ各クラブの収益周りを簡単にまとめてみました。あまり深い示唆はありません。趣味的なまとめです。
データはJクラブ個別経営情報開示資料(平成28年度)を参照させて頂きました。
上記の経営情報開示資料の通り、Jリーグ各クラブの営業収益は
広告料収入、 入場料収入、 Jリーグ配分金、 アカデミー関連収入
物販収入、 その他収入の6つに分けて出されています。
6つの収益の中でも全体の67%の収益が”広告料収入”と”入場料収入”から発生しており、この2つからクラブ間の収益差が生まれています。

また資料によると
アカデミー関連収益に関しては、
アカデミー(育成・普及)事業を、クラブ運営法人と直接関係のあるNPO法人や一般社団法人に移管している場合には、アカデミー関連収入及び費用が上記数値に含まれないことがある。
物販収益に関しては、
「物販収入」および「物販関連費」は、代理店に委託販売しているケース等もあることから、取扱い高総額でのクラブ間比較はできない。
という所で、各クラブが提出している数字の内容にばらつきがありそうなので数字から言える事もなく、そもそも全体収益の中での比率も小さい為、一旦は参考までに。
一応アカデミー関連収益と物販収益を少しグラフ化すると、各クラブに以下のような差がありました。

アカデミー収入に関してはこんな感じで、FC東京、横浜FM、鹿島が他に比べると抜けています。イメージ的にもFC東京、横浜FMは下部組織の名前を良く聞く為、収入が多い事も理解できます。
また資料にはアカデミー収入に対して、アカデミー経費という項目もあり、収入-経費を収支としてグラフ化すると以下のような順番になりました。

磐田、浦和がだいぶ下に下がったので数字に背景があるかもしれませんが、上位のラインナップは収入と収支でそこまで変わりませんでした。
傾向としては東京、神戸、茨城、神奈川、福岡、埼玉(大宮) 等 関東圏や西日本主要都市のクラブがうまくいっているようです。
また物販に関しては代理店を挟んでいる可能性もある為正確な数字ではないですが、浦和、鹿島、広島、川崎、G大阪のような昨年上位に食い込んだクラブの収入が多い傾向にありました。

アカデミーと物販に関してはざっくりこんな所です。
また配分金に関しては全体の中の比率は6%とそこまで高くなく、以下の通り各クラブそこまで大きい差はありません。配分金の算出ロジックは特別な計算の仕方があるようですが、リーグ戦の成績等 が影響してきているかと思います。

その他収入に関しては詳細不明の為、割愛します。
続いて収益の大半を占める、広告料収入と入場料収入についてです。
広告料収入に関しては以下の様な順番でした。
J1の収益構成を見ると全体収益の5割弱が広告料収入から発生しており
とても影響が大きい部分です。

名古屋、浦和、横浜FM、神戸が抜けており、名古屋と福岡の差は24億程あるようです。広告料はスタジアム、ユニフォーム 等 広告スペースも多岐に渡ると思いますが、上位4社は広告獲得がうまくいっているようです。
名古屋は昨年降格してしまいましたが、上記のグラフを見ると年間順位と広告料は関係している想定されます。収入が低い5社は他のクラブと5億以上広告費で差を付けられていますが、J1での戦いにも長年苦戦している状況です。
続いて営業収益比率の中で2番目に比率の高い入場料収入です。

上図の通り、入場料収入は浦和がダントツという形でした。また川崎までの上位5チームで全チームの合計収入額の50%弱を稼いでいます。それだけお金が一部人気チームに偏っているという状況です。

入場者数で見ると新潟が鹿島、名古屋を抜いて出てきますが、基本的には入場料収入と上位ラインナップは変わらない状況です。
こちらも上位6–7社で全体の総入場者数の50%程を占める形となっており、クラブ毎で入場者数に偏重がある傾向となった。
最後にメインの収益である広告料と入場料をピックアップし、各クラブの収益の中で上記2収益がどれだけの比率であるかでプロットして見た。

ここからの示唆が出しにくいが、、広告費率が高いクラブの方が収益額としては大きく安定する傾向にある。広告比率が高い中でも唯一甲府だけが収益額としては安定していない。
※黒●は全クラブの収益の合計から算出
※鹿島はその他収益が多い為、左下に位置している。
今回まとめて見て思った事は、やはり収益を獲得する上で大切なのはいかに広告料と入場料を稼げるか(+@リーグ外大会での上位進出)が重要。
その中でも5年前の広告料と入場料を比較すると成長額、成長率ともに広告料の伸び率の方が高い為、広告料をいかに成長させるかがクラブの収益アップには重要なのではないか。

