評価経済についての覚え書き

MoJa
2 min readOct 31, 2013

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「〜のおかげでお金を払わずに済んだ」というのは評価経済ではなく、貨幣経済の範疇に含まれるだろう。

国が発行している貨幣だけでなく、あらゆる通貨的なものを媒介とする経済は貨幣経済の範疇だろう。

FREEexは、参加者がカリスマに金銭的な援助を行う制度あって、これも貨幣経済の範疇を出ていないだろう。このカリスマがクリエイターやアーティストであればパトロン制度になるし、カリスマが何らかの指導者であれば家元制度と変わらない。

評価経済をより透明な概念として説明できるようにするには、説明に貨幣経済のアナロジーを用いている部分を意識的に評価経済を構成する要素から外さなければならない。そのためには、まず、評価経済のキー概念である評価というものを、交換できず、数値化できず、数えることができないものとして規定しなければいけない。

いまにして思えば、Nintendo DSが登場してまもないころにリリースされた『君のためなら死ねる』というDS用ゲームは、評価経済を象徴するようなネーミングタイトルだった。

数値化されない評価は相対的かつ主観的な概念で、行為のレベルでみれば、ある対象に対してどこまで何かをしてやれるか、といったことに具現化してくるだろう。しかし、この具現化がもつ程度性には貨幣換算が入り込んでくる余地が大いにあるので注意が必要である。いわゆるサービス業というものはこの領域に存在している。

ここまで注意を払った上で立ち上がってくる評価経済を説明するアナロジーは、地縁、血縁などであり、典型的には家族である。

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