配管内赤錆防止装置「NMRパイプテクター」の全てを知る

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日本システム企画株式会社

1)マンションなど一般的な給水管は赤錆で経年劣化するので赤錆防止装置「NMRパイプテクター」が必要になります

マンション、病院、ホテル、学校など全ての建物には風呂、洗面台、台所、洗濯用の水道があります。その配管材料は一般的に、ビニールライニング鋼管(VLPと略号で書かれる)という鉄管の内側に塩化ビニール層が設けられ鉄が直接水に触れない為、赤錆の発生を防ぐように工夫されています。

しかし直管部というまっすぐの部分は赤錆の発生はありませんが、配管と配管の継手、配管と銅の合金製のバルブとの接合部、配管を直角に曲げる為に使用される、直角に曲がった銅の合金でできているエルボー部との接合部は、配管の断面部が水に触れる為、赤錆が発生します。その配管と色々な部材が接している接合部は、ネジで結合していてネジ山は鉄側にある為、徐々にネジ山は赤錆劣化で欠落していき20年程経過すると残っているネジ山の数は半分ほどに減少します。その赤錆劣化のスピードは特に鉄と銅の合金が接している所は銅より鉄側の劣化が早まる異種金属接合部となり、鉄側のネジ山脱落は早くなります。

2)赤錆化した配管接合部から地震で漏水が多発・・・ それを防いだNMRパイプテクター

日本は地震の多い国です。東日本大震災や熊本大地震の時に建物の倒壊は殆どありませんでしたが、配管の接合部が赤錆により経年劣化していた為、漏水が多発しました。

その中で、「NMRパイプテクター」を導入した建物の漏水は全くありませんでした。特に熊本大震災の時に多くのマンションや病院で漏水が発生しましたが、「NMRパイプテクター」を給水管や空調冷温水管に設置していた熊本赤十字病院では、漏水が一件も起きませんでした。

3)NMRパイプテクターの使用目的

NMRパイプテクターは鉄、銅など酸化で劣化する金属製材料を使用した配管が、建築後20年を過ぎると配管全体、或いは配管同士の継手部のネジ山が酸化劣化する事で配管取替え(配管更新工事)が必要になるのを、酸化劣化を防ぎ不要にします。

配管洗浄とNMRパイプテクターの比較

鉄製の配管の場合は、できた配管内の赤錆を水に溶けない体積10分の1の硬い黒錆にNMRパイプテクターは変え、配管内の赤錆閉塞を小さくし水の流れを良くすると同時に配管の強度を強くし、地震による漏水を防ぎ管内をキレイにし、赤錆で悪くなった水質を改善する事で配管洗浄を不要にします。当然、NMRパイプテクターを設置した後、適正な水の使用があれば、配管の赤錆劣化は完全に停止する為、以後NMRパイプテクターを使用し続ければ、この配管は建物が存続する限り使用できることになります。

NMRパイプテクターを使用した際の配管断面イメージ図

4)NMRパイプテクターは水の自由電子を使った電気防食装置です

鉄は水中の酸素と水分子により酸化され赤錆になります。

鉄(Fe)+ 酸素O + 水HO → 水中の赤錆FeO(OH)

この時、鉄(Fe)は電子を3つ酸素(O)と水酸基(OH)に取られてしまうので、この鉄に電子を与えるとこの鉄の酸化反応は停止します。いわゆる電気防食です。

また、すでにある赤錆(FeO(OH))は電子を与えられると今まで付いていた水分子(H₂O)と酸素(O₂)は切り離され、体積が10分の1以下の小さな硬い、水に溶けない針状の結晶になります。色が黒いので黒錆と呼ばれ酸化劣化しない為、不動態とも呼ばれます。配管内の赤錆が全て黒錆に変化すれば、その配管は内側からの酸化劣化が完全に無くなり、配管外部からの赤錆劣化が無い限り、建物が存続する限り使えるようになります。

このように「NMRパイプテクター」を設置した配管は、建物寿命まで配管寿命を延長できる事になります。

5)NMRパイプテクターの理論的解説

鉄(Fe)から水中の酸素(O₂)と水分子(H₂O)により、電子(e-)が奪われる事で赤錆(FeO(OH))になるので、この鉄部に電子(e-)を供給する事で新規の赤錆を防止するのが電気防食になる事は前に述べました。また、すでにできている赤錆(FeO(OH))に電子を供給すると、付いていた水分子(H₂O)と酸素が切り離され、不動態の黒錆(Fe₃O₄)になる事も先に述べました。

この電子を与える方法として一般的に考えられるのが、電極を挿入して使用する方法です。電子は抵抗が少なく最も近くの錆に吸収される為、錆コブの数だけ電極は必要になります。量水器(メーター)、バルブ、そしてエルボー(曲げ部)の両端に錆コブは発生するので、一戸当たりパイプスペース内で6~8ヶ所、風呂、トイレ、洗面台、台所、洗濯機蛇口など各2~4ヶ所、計各戸14~24ヶ所の錆コブがあり、マンション全体では14~24×戸数の電極が必要になり、費用も配管更新と同等になります。配管を切断して電極を挿入する為、配管強度も低下するので注意が必要です。

その他に考えられる事は、水が保有する自由電子(固有名詞は水和電子)を利用する方法です。この水の自由電子は一般的に雷の放電として知られています。2005年1月号の科学誌「サイエンス」で、カリフォルニア大学のバーレット博士のグループが液体の水は、H₂Oが64個以上のクラスター(水の凝集体)で自由電子はその時はクラスターの内部に位置しているので水が運動しても出てきませんが、H₂Oが32個以下のクラスターになると水の自由電子はそのクラスターの外側に位置を変える事を発見し、論文で発表しました。雲のように小さなクラスター状態では、水の自由電子(水和電子)はクラスターの外側に位置しているので、その雲のような小さなクラスターが運動すると自由電子は剥離放電され、雷が発生する事が理論的に説明できるようになりました。この水和電子は大変還元力が強い為、赤錆を完全に防ぎ赤錆を黒錆にします。ボイラーで水蒸気を作り、水蒸気が動いている配管は鉄製でも錆びない事が知られていましたが、理由が明確なりました。また、水蒸気が冷えてお湯(大きなクラスター)で戻る配管は赤錆劣化するという状況も理解できる事となりました。

液体の大きなクラスターを小さくする事で最もポピュラーな方法は、超音波を利用する方法です。加湿器は水を入れるとH₂O単体の水蒸気を作りますが、超音波での防錆装置はありません。理由は水分子中の水素はプラス帯電、酸素はマイナス帯電している為、スイッチをオフにするとすぐプラスとマイナスが引合い、小さなクラスターは1秒以内に大きな液体のクラスターに凝集してしまう為、水の自由電子はクラスターの外側から内側に位置を変えてしまい、その水が運動しても水和電子の剥離放電は無くなります。

次に水のクラスターサイズを小さくする方法として実施されたのが、電気を流してクラスターを切る電子場処理装置です。この方法も一時的に水のクラスターは小さくなりますが、装置を通過した水は1秒以内に超音波処理と同じように水素のプラスと酸素のマイナスが互いに引合い、大きなクラスターに戻り、その水が運動しても水和電子の剥離放電は無くなる為、防錆を目的に電子場処理装置を製造・販売していた会社は全て事業を止めました。

次に大変多くの会社が日本のみならず、世界中で製造・販売したのがコイルを巻いた電磁石、或いは永久磁石を用いた磁気装置です。配管内に磁界を形成し、その磁界を水が勢いよく切る事で誘導電流を発生させ、それによりクラスターサイズを小さくする方法ですが、電子場処理、超音波処理と同じく通過した水は1秒以内に大きなクラスターになる為、装置から1M以上離れると水が運動しても水和電子の剥離放電がない為、防錆効果は出なくなります。その為、世界中で磁気装置の防錆効果は無いと評価されています。

世界で唯一「NMRパイプテクター」が科学的データで、その防錆効果を検証し普及しているのは、共鳴を利用し小さなクラスター状態を6時間以上持続させる事に成功したからです。水分子中の酸素は偶数の原子番号なので共鳴は起きませんが、水素は奇数なので核はN極とS極を持つ磁石になっており、特定の電磁波で共鳴を起こします。この現象は、核が磁石なので核磁気共鳴と呼ばれます。一部の知識の偏った人が核磁気共鳴は1万ガウス(1テスラ)以上の磁場が必要と誤った考え方を主張していますが、日本核磁気共鳴学会で地球磁場でも核磁気共鳴が起きると論文が発表されています。

水素の電子もある特定の電磁波で共鳴現象が起きます。これは電子スピン共鳴(ESR)と呼ばれています。いずれも共鳴は放置すれば長時間持続します。今までの水のクラスターを小さくする技術・方法は、水和電子が水の運動で剥離放電する小さなクラスターの状態を1秒しか持続出来なかったのに対し、「NMRパイプテクター」は6時間以上持続させる事に成功した事で、建物中の配管内の赤錆劣化を全て防止する事ができるようになりました。

6)最初に公的機関としてNMRパイプテクターの防錆効果を確認した北海道工業試験所での検証結果

2001年7月に当時の北海道工業試験所(現、北海道立総合研究機構工業試験場)の大野雅基副場長のご理解の下、工業試験所の給水管を使用して「NMRパイプテクター」の防錆効果確認試験を実施しました。

当時の工業試験所の建物は築後25年経過しており、給水配管の材料には亜鉛メッキ鋼管が使われていました。亜鉛は築後4~5年で消失してしまう為、配管内全体に赤錆が発生しており、夜間滞留水の朝一番の水を工業試験所の1階男子トイレの洗面台蛇口から採水したところ、その3回の水中の鉄分値の平均値は、0.786㎎/ℓと水道法水質基準値の0.3㎎/ℓを大幅に超え、給水配管内の赤錆劣化が進んでいる事を示していました。

2001年7月25日に高架水槽出口の給水配管(内径100m/m)の外側に、「NMRパイプテクター」PT-100DSを1台設置しました。「NMRパイプテクター」設置後、7月31日から8月21日の間に4回設置前と同じ条件で夜間滞留している朝一番の水を採水し、水中の鉄分値を測定したところ、その4回の平均値は0.553㎎/ℓまで低下しました。

その後、9月28日に「NMRパイプテクター」設置2ヵ月後の採水を同じ条件で行ったところ、水中の鉄分値は0.423㎎/ℓとより低下しました。11月21日に「NMRパイプテクター」設置4ヵ月後の採水を同じ条件で行ったところ、鉄分値は0.262㎎/ℓとさらに低下し、夜間滞留水を朝一番に飲んでも良い水道法水質基準の0.3㎎/ℓ以下となり、配管内の朝錆の溶出を完全に防止した事を立証しました。この結果から「NMRパイプテクター」により、配管内に発生していた水に溶ける赤錆は、水に溶けない黒錆に変化した事が検証され「NMRパイプテクター」の赤錆防止効果が確認されました。

7)北海道大学勇田敏男名誉教授が「NMRパイプテクター」の北海道工業試験所での検証試験を監修

この北海道工業試験所での「NMRパイプテクター」の防錆効果検証試験は、北海道大学名誉教授勇田敏男先生の監修の下に実施されましたので、2003年3月25日発行のマンション管理新聞で、取材記事「公的機関のデータが示す効果立証数値 表面工学から解き明かすメカニズム」として、道立試験研究機関である「北海道工業試験所(札幌市)で、「NMRパイプテクター」の実証実験が平成十三年七月から四ヶ月間行われた。」と報じられました。

同試験では北海道大学の勇田敏男名誉教授(工学博士)が検証、「赤錆の黒錆化で水中への溶出も止まり、赤錆の黒錆化による配管更生が進んでいる」と報告している。検証を行った「NMRパイプテクター」設置前と、設置後の採水中の鉄分値の測定結果は前述した通りで明確な防錆効果が確認されました。そして勇田名誉教授は、「このデータが示す通り、効果は確認できた。私も好奇心から自宅に設置したところ、冷蔵庫で作られる氷に水泡が少なくなり透明度が格段に増した」と話しました。勇田博士は元々は表面工学の研究者。生体工学の分野でも名は知られ、人口心臓弁や人口股関節の研究で数多くの実績を残している。そして素人にも分かりやすく説明してくれたが、実は給水管対策も「ひとつの表面工学(界面工学)だ」という。「管と水、管と錆、錆と水、そして、還元作用のメカニズムもひとつの表面工学。水問題には以前から関心をもっていて、北海道工業試験所のデータには非常に興味をもった。私としては、機会があれば同装置の研究に参加してより深めていきたいと思っている。場合によっては、医療分野を含めて従来の「機器」を一新させてしまうほどの可能性を秘めているかもしれない」との期待を抱いている。科学では解明されていない分野はまだまだ多い。「科学者は謙虚でなくてはいけない。ニュートンは「広い真理の砂浜がある。科学者はそこで無心に遊んでいる赤子である」と言っているように科学者が知り得ている真実はごく一部。私はできればNMRパイプテクターをより深く研究して、ひとつの真実に近づきたいとも思っている」と勇田博士はNMRパイプテクターに興味津々のご様子だ。と報じられました。

8)「日本大学工学部で配管防錆装置導入」とNMRパイプテクターの防錆効果につき全私学新聞(平成14年7月13日発行)で報じられる

記事内容は次の通りとなります。

高度成長期前後に建築された建物を抱える学校で最近問題になっているのが水道や空調設備の配管に発生する錆だ。一般に鉄筋コンクリートの建築物の耐用年数は四十年以上といわれているが、建物内に通っている水道の配管は十年を越すと内部を通る水道水に含まれる酸素と管の素材である鉄とが化学反応(酸化)を起こして徐々に錆び始める。これを防止するためにはいくつかの方法があるが、日本大学工学部(福島県郡山市)では特定の電磁波を水道水に送り込むことによって水の原子核を共鳴させて錆を止める装置を設置し、短期間で錆の溶出を水質基準値以下に下げることに成功している。本紙では昭和五十年代に建てられた研究棟で週始めになると赤水(錆が混じって茶褐色に濁った水)が出るようになり対策に苦慮していました。この話を校友が社長をしている水処理設備会社にしてみたところ、配管更新などの膨大な予算をかける事無く配管の防錆ができる装置「NMRパイプテクター」開発元 日本システム企画株式会社(本社・東京都渋谷区)を扱っていると伺い、説明を受けてみました。同社の説明では、三棟並んで建っている研究棟の大元にある水道管に装置一基を取り付けると一カ月ほどで錆が止まるとのことでした。最初は半信半疑だったのですが、本校では幸い工学系の大学で水質検査も自前でできることから、物質科学工学科の平山和雄教授に設置前、設置後の検査を依頼する条件で導入しました。昨年の七月三十日に事前検査を行い、装置設置四週間後の九月二十五日に事後検査を行ったところ、本当に錆の数値が十分の一以下となり、水道法に定める水質基準値を下回る好結果が出て、たいへん驚きました。

NMRパイプテクター(PT-75DS)設置後の変化は次の通りでした。日本大学工学部(8、9、10号館)給水管の大元に設置したのは8月25日。設置前(7月30日)の夜間滞留水の朝一番で採水した水中の鉄分値は8号館で7.80㎎/ℓ、9号館で1.20㎎/ℓ、10号館で0.11㎎/ℓと赤錆は大変進行していました。1ヵ月後の9月25日には8号館で0.11㎎/ℓ、9号館で0.04㎎/ℓ、10号館で0.06㎎/ℓといずれも水道法水質基準値(0.3㎎/ℓ)を下回り、配管からの赤錆の溶出が止まったことを立証しました。

9)日本赤十字社 旧医療センターでのNMRパイプテクター防錆効果検証

東京都渋谷区広尾にありました日本赤十字社旧医療センターは1999年当時、建築後24年経過しており、給水管は亜鉛メッキ銅管が使用されていました。7月5日、新生児の部屋の蛇口から夜間滞留していた朝一番の水を採水したところ、茶色に着色した水中の鉄分値が2.0㎎/ℓと、水道法水質基準値の約7倍と非常に高く赤錆が水に溶けた状態でした。

給水管内の赤錆劣化が進んでいる為、配管更新を当初考えられましたが8年先には建替えの計画があり、配管更新費用が10分の1以下で配管寿命を延長できる、「NMRパイプテクター」の試験設置が決まりました。7月9日に新生児の部屋から約150M離れた屋上高架水槽出口側(2次側)配管に、NMRパイプテクターPT-200DSが1台設置されました。設置2週間後の7月26日には、朝一番の採水で水中の鉄分値は0.48㎎/ℓまで低下しました。設置6週間後の8月20日には、その水中の鉄分値は0.27㎎/ℓと水道法水質基準値0.3㎎/ℓ以下となり、配管内の赤錆の溶出を完全に止めた事を立証しました。

10)日本赤十字社旧医療センターでの効果検証結果を「日赤医療センター院内報」の記事として全国の日赤病院、自治体に報じられた

日本赤十字社は、前記の「NMRパイプテクター」による医療センター給水管内の防錆効果の検証結果を、全国92の日赤病院に日赤医療センター院内報として通知を行い、建替え前に実施していた配管更新工事は、費用が10分の1の「NMRパイプテクター」での延命処理に切り替えるよう促しました。日赤医療センター院内報で報じられた一部分を紹介すると下記のようになります。

【赤水解消に大幅コストダウン達成】

「当病院は築後二十四年を経過している為、近年は給水管の経年劣化による腐食から赤水の発生が各所で見られるようになり、そうした問題の発生した系統はその都度、部分的に配管更新工事を行ってきました(中略) 配管更新工事を行えば、当面は赤水の問題を避けられますが、費用が高い上に、将来腐食が進行したときに同じ問題に直面する事になるため、既存の配管を効果的に保護・延命できる良い方法はないかと各工法を検討しました。その結果、配管を切断せずに外部から設置できるという「パイプテクター」を採用しました。「パイプテクター」はNMR共鳴エネルギーにより、水分子間に発生したマイナス電子が赤錆を黒錆に変え、赤水を解消し、配管を保護・延命するという原理ですが、これは病院で断層写真の撮影に使用されているMRIと同様の現象を起こすエネルギーであるといえばご理解頂けるかと思います。断水が不要で、水が装置と接触しないために安全性が高く、早期に赤水を解消でき、四十年間以上配管を保護・延命で配管内の赤錆が不動態の固い被膜の黒錆に還元される工程で、赤水は解消していきます。それを次のように確認しました。(中略)赤水の発生が見られた給水栓で、設置前に赤錆の状態を確認するため、朝一番の水を採取し水質検査を実施したところ、鉄2.0㎎/ℓ、色度30度と水道法水質基準に不適合のレベルでした。しかし、パイプテクター設置6週間後に同条件で検査の結果、鉄0.27㎎/ℓ、色度5度といずれも大幅に減少し、水道法水質基準に適合となり、また見た目にもはっきりと水がきれいになったことが確認されました。各棟の給水管すべてを更新すると数億円かかるところが、揚水ポンプと高架水槽の出口側配管に「パイプテクター」を設置したことにより、効果は何百本にも分岐する枝管の各末端まで及び、また費用は全部で約2,500万円と配管更新工事の約10分の1程度の費用でした。「パイプテクター」は配管の外部から設置できるため、水が装置と接触せず安全性が高いこと、また断水が不要なことは他の工法にはない大きなメリットであり、病院施設の給水管メンテナンスとして、大変画期的な工法ではないかと思われます。」と院内報で報道されました。

11)配管診断で赤錆劣化の為、寿命2ヵ月の給水管を赤錆問題を全て解決し20年間延命

東京都調布市にある大手フィルムメーカーの子会社のDPE(現像)工場は、2000年11月に当時35年で給水管の材質は亜鉛メッキ鋼管のため、赤錆劣化で漏水が多発していました。朝一番の採水で夜間滞留している水中の鉄分値が0.5㎎/ℓ、色度15度と水道法水質基準を超えており、配管の診断を受けたところ寿命はわずか2ヵ月でした。

11月16日、当時の会社責任者の依頼で配管防錆装置「NMRパイプテクター」を設置しました。同工場はDPEのため1日800tの多量の水を使用していたため、水の運動エネルギーが大きく水和電子の発生も多くなり、設置してわずか6日後の11月22日には同条件の採水で水中の鉄分値は0.05㎎/ℓ未満、色度も2度と水道法水質基準値を下回り、配管内の赤錆の溶出を完全に防止しました。2020年夏に工場の操業が終了するまで以後20年間、漏水の発生も完全に防止し、朝一番の採水では鉄分値は常に測定限界以下でした。

このように水の使用量が多い給水管や、水が循環している空調冷温水配管などは赤錆劣化が進行していても新規赤錆の発生を防ぎ、既存の赤錆を黒錆に変えることで配管の長期寿命延長ができる事を立証しました。

12)NMRパイプテクターの防錆効果の論文を発表-その1

2003年11月16日から21日まで大阪大学で開催された、「第13回アジア太平洋防錆国際会議」で「NMRパイプテクター」に関する論文を発表しました。表題は「NMR現象による配管腐食防食技術」でアブストラクトは次の通りです。※英文の和訳

「現在、給水・給湯・空調配管内に発生する赤錆問題に対して元来その腐食対策として配管延命装置や配管更生工事が行われてきている。この様な中、配管内を流れる水分子に対して核磁気共鳴現象を起こさせる事により配管中に多量の還元電子を発生させ赤錆を急速に不動態の黒錆に還元させる事により、配管内の腐食を防止する技術について研究を行った。

通常、配管内を流れる水分子は大きな固まりを形成しており運動エネルギーも低く、分子運動による摩擦エネルギーの発生もほとんどない。そこでこの水分子を構成している水素の核磁気共鳴現象の性質を利用して電磁波を吸収させる事により水を励起状態にし、分子運動を向上させ、圧送ポンプ等のエネルギーで水を動かし摩擦エネルギーの発生を促進させ、電子を発生させた。

この電子が赤錆(オキシ水酸化鉄)に還元反応を起こし、黒錆(マグネタイト)へと変化する事を確認した。

この試験方法として、黒錆の重量変化による測定を行った。通常、鋼管を使用している建物では配管内に赤錆が発生する。そこで水が接触する赤錆表面に発生している黒錆の変化量を測定する事によりその配管更生技術を確認した所、黒錆の重量が2.2%から72.9%へと70.7ポイント増加している事が確認された。

この事はNMR現象により水分子を励起状態にし、圧送ポンプのエネルギーで水を動かし、その摩擦エネルギーにより発生した電子で赤錆表面が急速に黒錆に還元されたと言える。

このNMR現象により急速に赤錆を黒錆に還元させる配管更生技術は、元来の配管延命装置や配管更生工事に変わり配管内腐食劣化を止める今後の配管内赤錆防食の有効な技術の一つと考えられる。」

論文の本文は以下の通りとなります。

1.緒言

現在、給水・給湯・空調配管内に発生する赤錆問題に対して従来その腐食対策として酸化防止剤、各種配管延命装置の使用や赤錆を除去した後にエポキシ樹脂を塗布する配管更生、並びに古い管を新管に交換する更新工事が行われてきている。しかしながら配管更生、更新工事は工事中施設の使用を休止する必要がある事と費用が高いという問題があった。また従来の配管延命装置は完全に赤錆の発生を停止させたり、既に発生している赤錆閉塞の解消はできなかった。¹ )

この様な中、オキシ水酸化鉄をマグネタイト化させる技術の実験を行った。

通常、水分子は水素結合によって凝集結合体を構成しているが水分子の水素原子核に核磁気共鳴現象を起こさせる事により励起状態にして水素結合をしにくい状態にし、水の凝集体を小さくし、その励起状態の水を圧送ポンプ等の力で動かすと水分子同士の摩擦により発生する電子でオキシ水酸化鉄をマグネタイトに還元させた。

この確認方法として水質検査による鉄イオン値の溶出量及び配管内表面のマグネタイトの含有量を測定し本研究を行った。

2.実験方法

オキシ水酸化鉄がマグネタイトに還元した事を確認する試験方法として、水との接触面の赤錆(オキシ水酸化鉄)が発生する亜鉛めっき鋼管を給水管或いは空調冷温水管として使用している実際の建物内の給水管或いは空調冷温水管に核磁気共鳴現象を起こさせる装置を取り付け、技術の確認試験を行った。

2-1.一過性の水が流れる給水管内の赤錆(FeO(OH))がマグネタイト(Fe₃O₄)に還元された事を調べる方法

2-1-①.(装置の取付位置)

高架水槽或いは圧送ポンプ二次側配管(内径75~200mm)にNMR現象を水分子中の水素の原子核に起こす装置を取付ける。

2-1-②.(測定用サンプル水の採水方法)

装置取付位置より100~500m離れた位置に存在する建物内の洗面台蛇口より、夜間12時間以上配管内に滞留している滞留水を、朝一番最初に使用開始時に公的試験機関使用の試料容器を使用し500ml採水する。

2-1-③.(採水期間)

採水は装置設置1~3日前及び装置設置2週間後より4ヶ月後までの期間定期的に2ないし3回採水を行う。

2-1-④.(全鉄イオンの測定法)

各採水サンプル中の全鉄イオン量の測定はICP発光分光分析法とフレームレス原子吸光光度法によって行った。

2-1-⑤.(反応の確認方法)

採水中の全鉄イオン量が装置設置前に比べ設置後に大幅低下する事により給水管内部に発生した水溶性の赤錆(FeO(OH))が水との接触面が不溶性のマグネタイト(Fe₃O₄)に変化した事を確認した。

2-2.同じ水が循環している空調冷温水管内の赤錆(FeO(OH))がマグネタイト(Fe₃O₄)に還元された事を調べる方法

2-2-①.(装置の取付位置)

循環している空調冷温水配管の全ての冷温水が通過する冷温水発生機の二次側配管(内径200mm)にNMR現象を水分子中の水素の原子核に起こす装置を取付ける。

2-2-②.(測定用サンプル錆の採取方法)

装置取付位置より200m以上離れた空調冷温水枝管(内径80mm)を長さ30cm抜管し、取出した配管の替わりに新管を入れカップリングで固定する。亜鉛めっき鋼管の内面に発生している赤錆の表面を取出し、抜管から1時間以内に金属ブラシで擦り、約100cm2の面積から1g以上測定用サンプル錆を採取した。

2回目以降4回目までの抜管は前回取除いた管の隣を各回共長さ約10cm切取り、代わりに前回までの分を含めた全部の抜管した長さの新管を入れ、カップリングで固定する。サンプル錆の採取は1回目と同様にして行った。

2-2-③.(サンプル錆の採取期間)

サンプル錆は装置設置前と設置3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後の計4回採取した。

2-2-④.(錆中のマグネタイトの質量分析方法)²)

  1. 錆試料検体を乳鉢で軽く砕き、ふるい(100μm程度)にかける。
  2. 100mLビーカーにふるいを通過した試料 約0.5g(小数点以下第4位まで計測可能な天秤を使用する)を正確に計り取る。
  3. 精製水30mLを加え、100mLビーカーごと超音波洗浄器に30秒かける。
  4. 100mLビーカー底に磁石(3000G程度)を付着させて、手振りにより撹拌した後上澄み液を200mLビーカーに移す。(上澄み液を移す際にビーカー底に残った液は、駒込ピペットを使用する)
  5. 上記3~4の操作を3回繰返し行う。
  6. 上澄み液を集めた200mLビーカー底に磁石を付着させて、手振りにより撹拌した後、上澄み液を捨てる。
  7. 200mLビーカー底に残った黒錆を少量の精製水で100mLビーカーに戻す。
  8. 上記3~7の操作を5回繰返し行う。
  9. 上澄み液を除いた精製黒錆にメタノール5mLを加え、100mLビーカー底に磁石を付着させて手振りにより撹拌した後、上澄み液を捨てる。この操作を2回繰返し行う。
  10. 真空乾燥機で100mLビーカーごと減圧乾燥(室温、30分)し、精製黒錆の乾燥重量を正確に計り取る。
  11. 下式-1より錆試料検体中の黒錆重量比を出し、錆試料中における黒錆の質量とする。
式−1

2-2-⑤.(反応の確認方法)

亜鉛めっき鋼管製の空調冷温水配管内部に発生した赤錆(FeO(OH))がマグネタイト(Fe₃O₄)に還元された場合、水と接触している表面の赤錆中におけるマグネタイト量が増加するので、その増加により赤錆(FeO(OH))がマグネタイト(Fe₃O₄)に還元された事を確認した。

3.結果

3-1.一過性の水が流れる給水管内赤錆(FeO(OH))のマグネタイト(Fe₃O₄)への変化結果

3-1-①.(北海道工業試験場建物内の給水管よりの採水中の全鉄イオン値測定結果)

本試験場所建物の高架水槽二次側亜鉛めっき鋼管給水管(内径100mm)にNMR現象発生装置を取付け、その採水の水質検査試験結果を以下Table.1に示す。装置取付け前の1階トイレ手洗蛇口より採水の水質検査3回分の平均値は鉄イオン値0.789mg/lと給水管内に赤錆(FeO(OH))が発生しており、その水中への溶出が確認された。しかし装置設置2ヶ月後での採水の鉄イオン値は0.423mg/l、更に設置4ヵ月後の採水の水質検査結果では鉄イオン値は0.262mg/lと配管内の赤錆(FeO(OH))の溶出量は期間の経過と共に低下した。

(詳細は前の章に記載されています)

3-1-②.(日本大学工学部建物内の給水管よりの採水中の全鉄イオン値測定結果)

本試験場所の建物2棟8号館、9号館の共通給水本管亜鉛めっき鋼管(内径80mm)にNMR現象発生装置を取付け、その採水の水質検査試験結果を以下Table.2に示す。装置取付け前の各建物トイレ、洗面蛇口より採水の水質検査では8号館での鉄イオン値が7.8mg/l、9号館での鉄イオン値が1.2mg/lと給水管内に赤錆(FeO(OH))が発生しており、その水中への流出が大変多い事が確認された。しかし設置4週間後、8号館では鉄イオン値が0.11mg/l、9号館では鉄イオン値が0.04mg/lと下がり、更に設置6週間後、8号館では鉄イオン値が0.03mg/l、9号館では鉄イオン値が0.01mg/l以下と配管内赤錆(FeO(OH))の溶出量は期間の経過と共に急速に低下した。

(詳細は前の章に記載されています)

3-1-③.(日本赤十字社医療センター病院建物内の給水管よりの採水中の全鉄イオン値測定結果)

本試験場所の建物の高架水槽二次側亜鉛めっき鋼管給水管(内径200mm)にNMR現象発生装置を取付け、その採水の水質検査試験結果を以下Table.3に示す。装置取付け前の外来乳幼児室洗面蛇口より採水の水質検査結果では鉄イオン値2.00mg/lと給水管内に赤錆(FeO(OH))が発生しており、その水中への流出が大変多い事が確認された。しかし設置2週間後での採水の鉄イオン値は0.48mg/l、設置4週間後での採水の鉄イオン値は0.49mg/l、更に装置設置6週間後の採水の水質検査結果では鉄イオン値は0.27mg/lと配管内の赤錆(FeO(OH))の溶出量は期間の経過と共に急速に低下した。

(詳細は前の章に記載されています)

3-2.同じ水が循環している空調冷温水管内の赤錆(FeO(OH))のマグネタイト(Fe₃O₄)への変化結果

3-2-①.(管理センター内建物の空調冷温水管より採取した錆中のマグネタイト量測定結果)

本試験場所の建物の空調冷温水管の全ての冷温水が通過する冷温水発生機の二次側亜鉛めっき鋼管(内径200mm)にNMR現象発生装置を取付け、その枝管配管内錆中のマグネタイト質量分析結果を以下Table.4に示す。装置取付け前の冷温水枝管(内径80mm)内に発生している赤錆の水との接触面より採取した錆中のマグネタイト含有量は2.2%であった。しかし装置設置3ヶ月後で錆中のマグネタイト含有量は14.4%となり、設置6ヶ月後では錆中のマグネタイト含有量は53.4%、そして設置12ヶ月後では錆中のマグネタイト含有量が設置前に比べ、絶対量で70.7ポイント増加し、72.9%まで急速に増加している事が確認できた。

4.考察

給水管及び空調冷温水管に多用されている亜鉛めっき鋼管は古くなると亜鉛めっき層が剥れ、鋼が水とその中に溶けている溶存酸素により酸化され、赤錆(FeO(OH))を形成する事は良く知られている。この赤錆(FeO(OH))は水に溶けたり、容易に分散する為、長時間滞留している水の水中の鉄イオン値が増加し、赤色を呈する為、昔から赤水問題として存在しているが、根本的な解決方法が今日まで見出せなかった。本試験方法は、その赤錆(FeO(OH))を水に不溶性のマグネタイト(Fe₃O₄)に変化させ、赤水問題を解決する³) と共に鉄製配管でも水中の水素の原子核をNMR現象でスピンさせ、水の凝集状態を励起状態にし、ポンプ等の力で中の水を移動させれば赤錆(FeO(OH))の発生を抑制できる事を示した。尚、赤錆(FeO(OH))のマグネタイト(Fe₃O₄)への還元反応の式は以下の式が考えられる。⁴ ) ⁵ )

6FeO(OH) + 2e- → 2Fe₃O₄ + 2HO + 2OH-

5.結論

本試験を実施した3ヶ所の亜鉛めっき鋼管製の給水管中の赤錆(FeO(OH))の水中への溶出及び分散を徐々に減少させていき、最終的に配管内に赤錆が発生していない状態と同じレベルまで鉄イオン値を低下させた事は(FeO(OH))の構造を変化させ水に不溶性で分散し難い固い結晶に変化させた事を示している。この性質の鉄の化合物はマグネタイト(Fe₃O₄)しか考えられず³)この還元反応が起きた事を証明していると同時に連続的に鉄イオン値が減少し続けた事から新規の赤錆(FeO(OH))の発生も防いでいる事を証明した。

連続して新しい水が供給される給水管と同様、同じ水が循環している空調冷温水管でもこの赤錆(FeO(OH))のマグネタイト(Fe₃O₄)への還元反応は起こり、この事は直接配管中の赤錆の中のマグネタイト含有量が増加した事から立証された。

以上の事からNMR現象を利用して水分子の凝集を励起状態にすると、その水をポンプ力や重力のエネルギーで動かす事により赤錆(FeO(OH))をマグネタイト(Fe₃O₄)に還元させ、配管内の防錆を行う事ができる事を立証した。

謝辞

本研究を行うに当り、北海道大学名誉教授 勇田敏男先生、北海道工業試験場及び日本大学工学部、そして日本赤十字社医療センター、並びに財団法人若葉台管理センターの関係者の御協力、御指導に感謝を致します。

参考文献

1) 真柄泰基:建築物内給排水管理に係わる新技術開発指針作成及びその評価体系の設定に関する研究報告書(1988)

2)特願2003-031823「鉄錆の黒錆質量分析方法」

出願人:日本システム企画株式会社

3)H.H.ユーリック著、岡本剛監修、松田精吾、松島巌共訳:「腐食反応とその抑制」(1999)

4) An electrochemical study of phase transformations in rust layers

M.Startman. et al., Corrosion Sci., 23, 969(1983)

5) Formation of magnetite in the presence of ferric oxyhydroxides

T.Ishikawa, et al., Corrosion Sci., 40,1239(1998)

なお、本論文中で配管内の水中の赤錆(FeO(OH))が、マグネタイト(黒錆)(Fe₃O₄)へ還元されている事を定量的に測定し証明する事が必要になり、X線回折で測定する為、同じサンプルを3回に分け期間をずらして測定機関へ依頼したところ、その測定値のばらつきが60%以上になりました。測定機関と打合せを行い、上記3種のサンプルをオーブンで80℃、10分間加熱したところ、その定量値のばらつきは1%以下になりました。

この事から黒錆の水和物(Fe₃O₄・H₂O)はX線では測定できない事が判明したので、黒錆の総量(Fe₃O₄とFe₃O₄・H₂O)の正確な測定方法として、錆サンプルを微粉末にして磁石で分離する方法を開発しました。その測定値が前述の加熱後のX線回析値と同じになった事も確認しました。

この磁石で分離し、黒錆量を正確に定量分析する方法は特許申請し、特許を取得しました。本方法は公的試験機関に対して無償で開示しております。この事から水中の赤錆(FeO(OH))を黒錆・マグネタイト(Fe₃O₄とFe₃O₄・H₂O)に還元する事を「NMRパイプテクター」の前にはどこも実施出来ていない事が判明しました。

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The president of Japan System Planning Co., Ltd that manufactures and sells a product called NMR Pipetector.