Talent, Tech Trends, andCulture(a16z)

Masahiro Sameshima
8 min readJan 28, 2019

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a16zのMarc AndreessenとBen Horowitzによる以下Popcastの概要まとめてみました。(インターンでお手伝いしてもらってる 江原ニーナさん @nina_2ndsaga 、ご協力感謝です!)。

特に印象的だったのは彼らが今後のTech Trendで最初に言及していたのがブロックチェーン!日本との差を感じますね。たとえ今はおもちゃのようなもので、こんなもの使えないと思われるテクノロジーであっても本質を見抜き、そこから新産業を創出する。そういう彼らの姿勢は改めて尊敬っす。

Talent

Andreessen Horowitzが他のVCと差別化できたのは、”Talent”を個別の存在としてではなくネットワークとして認識していたから。ネットワーク形成や維持への投資は惜しまない。仕事での表面的なネットワークではなく、実際の「ネットワーク」を形成するために時間を使った。これはもともとCreative Artists Agency (CAA)が採用しているコンセプト。CAAでは、全てのチームメンバーに対し、長期的な繋がりを持つことを意識して、関係性を構築した。

考えるべきは、いかにネットワークを形成するか?ネットワークはどのように機能するのか?どのように長期間のネットワークを運営するのか?これらを突き詰めることでそうすることで、強い繋がり(Powerful network)が形成でき、素晴らしい人材が集まったチームになった。

いわゆる天才(Genius)はあちらこちらにいる。また、社会が発達して面白くなるにつれて、普通じゃないヤツも増えている。テクノロジーはよりdisruptiveになっている一方、競争が増えているのも事実。将来への可能性やアイデアが大きくなればなるほど、こういったアイデアを実現するために強いチームが必要。

注意すべきは、自分がそれを「talentである」思っていない限りは、それをtalentとして認識・評価できない。例えば、helpfulnessのようなものは、talentとして認識されておらず軽視されていた。

実際にa16zの人員体制は他のVCとは異なる構成になっており、投資担当者よりも圧倒的にMarket Development、Corporate Development等のバリューアップ担当者が多く、彼ら独自のネットワーク形成をどれだけ重要視しているかがよく分かります。日本のVCがこれからどう進化して日本のスタートアップエコシステムをより強固なものにできるか、a16zは大きな示唆を与えてくれます。

Tech Trend

①ブロックチェーン

ブロックチェーンは「新しいコンピューティングプラットフォーム」と捉えている。とても価値がある一方で、今は価値が発揮されうる方法が少ない。最初にスマホが登場した時も、今のような価値はなく、多くの人が大して評価していなかった。ブロックチェーンも同様で、発展するスピードが比較的遅くて、使うのもプログラムを書くのも難しい。でも、これまでにない新しい価値を提供している。

➡︎新しい価値とは「信頼(trust)」である。

ブロックチェーンがあれば、政府や会社や弁護士を信頼する必要がない。信頼すべきは、数学や理論に基づいたシステムの性質だけ。ブロックチェーンがあれば、お金も、契約も、デジタル資産もプログラムできるようになる。例えばこれまでは、facebookがプライバシーポリシーを変更する場合、現状のアプリやサービスは、facebookの変更に沿ってコードを書き換える必要があったが、それがなくなることで、特にアプリやサービスのデベロッパーはこの問題から解放されることになる。

②小売

基本的に小売は消滅するだろう。少なくとも従来のような、純粋に買い物をするための小売は減少する。一方で、グッチなどのブティックショップたAppleなどのように、店舗に行くことがある種の特別な経験となるような場合は生存する可能性はある。つまり、顧客にたいして何か特別な魅力を感じてもらえるよう、顧客体験を重視する小売である

基本的な小売の形態は、サプライヤーが作ったものを仕入れて、流通を経由して、消費者に販売するというもの。これは、サプライヤーからの信頼があって成り立っているが、もはや優位性は無い。(小売業が倒産するのはそれが理由。最近大きな倒産案件としては、トイザらスとか。)サプライヤーと消費者の間にサードパーティー(小売)が介在するのは効率的ではない。

「ボタンを押したら家に届く」くらいのインパクトがないと、次世代の小売は担えない。一方で、小売が衰退した後に期待することは、現在小売店舗が持っている店舗のスペースがどう活用されるか

同様に柳井氏も同様に「これからは情報産業とサービス業だけになる。小売業もなくなる」と指摘していた点が興味深いですね。

③ウェアラブル

Airpodsの成功から分かるように「音声(Audio)」が次のブームになるのは間違い無いだろう。音声デバイスが普及することで常に誰かの話を聞くことが可能になった。→新たなコンテンツへの需要

あるセレブYoutuberが、平日に投稿してもすぐに皆再生することを不思議に思って、視聴者に「いつ観てる/聞いているの?」と問いかけたところ、皆「仕事中・職場で」と口を揃えたらしい。。(笑)

また、ウェアラブルの普及は、常に身体にセンサーをつけておけるということ。実際にApple Watchが心臓発作の人を救うといった事例も報告されている。次の5〜10年で、メディカル系のウェアラブルは増えるだろう。人類のQOLの向上に貢献するはず。

Angel ListのNaval Ravikantも同様の指摘をしています。Airpodsの誕生によってどれだけpodcastのコンテンツが爆発的に増加したか。

④AR、VR

AR周辺のアプリが持つ可能性に期待している。家庭でも職場でも用途は発展するだろう。でも、VRの方がはるかに発展すると考える。ARの方が可能性があると主張する人々は、「テクノロジーの世界と日常が融合する未来は、完全な人工物である世界よりも面白いだろう」と考えているが、この面白さを享受できるのは、ユニークな場所に住んでいる一部の人に限られる。自分たちのようなに日々面白いものに出会える人々にとってはARの方が面白いと感じるだろうが、それは世界の0.1%〜1%くらいの人々にとどまる。多数の人々は、ユニークで日々新しいものに出会うような生活ではない。多数の人々にとっては、新しい世界を提供するVRの方が発展の余地がある。VRでできることの選択肢も増えるだろうから、これからに期待している。

Culture

これまでシリコンバレーはCultureやエンタメ業界を無視してきた。新たな「文化/culture」をうむようなサービスが登場し我々に影響しはじめたのは過去3年くらいの出来事。AmazonやNetflixがcultureの形成や新たなmedia entertainment のあり方を世に送り出している。

20年後の未来

世界中で新たなテクノロジーが巻き起こる。今後20年でテレプレゼンス技術やVRの技術開発によりオンライン会議が圧倒的な臨場感になり、今までのものとは全く異なるものになる。slackやgithubがさらに進化して世界のエンジニアがさらにつながり、ネットワークが強固なものになるから。またその時には通信システムが9G世代とかになっていて通信帯域、通信速度の向上により世界中いつどこにいてもつながる。

これからのスタートアップの成功できる領域は幅広く、GoogleやFacebookの何十倍、百倍の規模まで成功する可能性があるだろう。そして今みんなは同じステージにいる

シリコンバレーにいて重要性が増す面もあれば減少する面もある

余談ですがこのオンライン会議の発展について全く同じことを本物のテックスタートアップのGITAI 中ノ瀬パイセン Sho Nakanoseが以前話してたので、天才たちの頭はシンクロしてるのかと身震いしました笑

普段は本郷のインキュベーション施設(#NestHongo)で暇してます。起業相談とかお茶したいとかあればお気軽にDMくだされー

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Masahiro Sameshima

VC/ANRI/#NestHongo/Web is boring. High-Tech is interesting.