【書評】メンタルモデル ユーザーへの共感から生まれるUXデザイン戦略

Masamichi Ueta
2 min readOct 30, 2015

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本書は、メンタルモデルを活用し、ユーザーのニーズや、ユーザーのタスクに合致するものを作る方法について述べている。

メンタルモデル、メンタルモデルダイアグラムとは何か、メンタルモデルダイアグラムを活用した戦略の立て方といったところから始まり、実際にメンタルモデルダイアグラムを作成する手法を解説しており、後半はかなり具体的な作成方法で参考になった。

実プロジェクトで、果たしてメンタルモデルダイアグラムというドキュメントの形まで作り上げる必要があるかというところもある。作ったからにはメンテナンスしなければならないし、何よりこういったドキュメントは作ることが目的になりがちだからだ。

ただし、チームメンバーがユーザーを深く知り、エクスペリエンスをデザインするという点では、メンタルモデルダイアグラムを常に見えるところに置いておくのが効果的なのではないかと思う。

本書では、なぜメンタルモデルを考える必要があるかという問いに対し、

・Confidence(確信):メンタルモデルはデザインに確信を与える

・Clarify(明示):メンタルモデルは方向性を明示する

・Continuity(継続):メンタルモデルは戦略の継続に役立つ

と述べている。確かに、ユーザーのメンタルモデルとタスクが を詳細に知ることができていれば、それは機能やデザインに確信を与えるし、次に何をやるべきかといった方向性も見えるだろう。

メンタルモデルに関しては、抽象化していくことに意味があると思う。ユーザーのひとつひとつの行動を分析し、それを抽象的な概念にし本当は何をしたいのか?を見極め、別の出口から解決策を提示する。これがメンタルモデルを考える意味なのだと思う。

UXデザインのひとつの考え方として、活用していきたい。

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