法然院一味会と現代木版湯浅克俊

昨年の年末に京都の法然院で催したENYSi主催の”一味会”。

インビテーションカードは、RCAの同期で木版画家の湯浅克俊さんにお願いした。

”歴史モノ”を扱うENYSiは、従来的な保存や、保守、懐古主義、義務感、使命感のような、重々しい雰囲気ではなく、”瑞々しさ”、”楽しさ”、”美しさ”のような、シンプルに誰もが”いいね!”と言うイメージが必要だよね、なんて話ながら一緒につくろうという話になった。

南麻布の「たじま」で蕎麦をすすりながら議論し、有栖川公園内の中央図書館で梅棹忠夫氏の文献を漁ってインスピレーションを探した。そして、見つけたのが以下の記述。

”「1936年の夏、わたしは南アルプスにいった。伊那谷の飯田から小川路峠(おがわじとうげ)をこえて遠山郷に入った。遠山郷の下栗の村で一泊した。村の耕地のはしに、おおきなエノキがあった。その周囲を大型の美しい紫色のチョウが舞っていた。これがのちに日本の国蝶に指定されたオオムラサキである。日本アルプスの各地をあるくにつれ、わたしはたくさんの高山チョウにめぐりあい、そのうつくしい色彩に酔いしれた。しかし、はじめてオオムラサキを見たときの感動はいまだに忘れることはできない。エノキのまわりを優美にチョウが舞い、聖岳のピラミッドが夕日をあびて金色に輝いていた。これ以後、わたしはふかく山にとらえられたのである。」”

この原風景をそのまま形にしたのが、このインビテーションカードだ。

ENSYiは現代的な感性とコラボレーションすることで、歴史にみずみずしさを与えるような存在になっていきたい。

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