小さな島から、日本の教育の未来にインパクトを。

間瀬 海太
7 min readNov 8, 2016

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突然ですが、今年11月1日付で鹿児島県・長島町の「地域おこし協力隊」に着任しました。

前々から一部の人には相談をしていた話なんですが、ようやく先日、諸々の手続きなどを経て正式決定です。正式決定からブログに書くのに1週間たったのは察してください笑(想像にお任せします。)

大学は今年度秋学期から当分休学し、当分は大学には帰ることはありません。きっと僕の後輩がどんどん僕より先に大学を卒業していくでしょう。長島町に移住して、本格的にこちらで活動することになります。

鹿児島県・長島町って?
「地域おこし協力隊」って?

長島町は鹿児島県の最北端、人口1万人弱の町です。(※ ← Wikipedia — 長島町 —

産業は漁業・農業が盛んで、全国有数の鰤(ぶり)の産地です。最近では地方創生の事例開発を多く生み出していて、Googleニュース検索で見ても地方創生ニュースを賑わしているまちだとわかります。

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「地域おこし協力隊」とは、各自治体が募集している人材制度です。

地域おこし協力隊(ちいきおこしきょうりょくたい)とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度である。

地域おこし協力隊 — Wikipedia

地域おこし協力隊になるには?

(1)地方自治体による協力隊の募集情報を確認してください。活動内容や条件、待遇等は各自治体によって異なります。
(2)募集している地方自治体へお申込みください。
(3)地方自治体による選考(書類選考、面接等)の結果、採用が決定します。
(4)地方自治体から、委嘱状等の交付により「地域おこし協力隊」としての委嘱を受けます。
(5)現住所から採用先の自治体に住民票を移動し、地域おこし協力隊として活動を開始します。

期間・待遇

おおむね1年以上3年以下の期間、地方自治体の委嘱を受け、地域で生活し、各種の地域協力活動を行っていただきます。
活動費については、自治体及び活動内容により異なります。詳細は各地域おこし協力隊の報酬欄をご確認ください。

地域おこし協力隊について|地域を変えていく新しい力 地域おこし協力隊

どうして長島町なのか。

僕が初めて長島町を訪れたのは、夏に開催した「メディアキャンプin長島」の準備をした5月のことでした。

長島町は2007年に島内唯一の高校が廃校になりました。

島から高校がなくなるとはどういうことか?
中学校を卒業した若者が島の外に出ていくということです。家族連れで島外の高校進学のため、長島町を離れるということです。
長島町から若者がいなくなるということです。

人口減少、少子高齢化。そういうこれまではニュースや本で見聞きしていた状況が本当に起きていることに衝撃を受けました。僕は横須賀・逗子・葉山の出身です。それまで「大きいまち」で育った僕にとっては信じきれないことでした。

そういう地域でメディアキャンプをやり、地域の人々とつながりを持つうちに、こういう地域だからこそ何か挑戦してみたい。そういう思いが強くなり、様々なご縁の中で地域おこし協力隊として活動しようと思い、覚悟を決めて島に来ました。

覚悟を決めるまでには、とても悩んだし、自分の考えに自信を持てなくなる日もありました。ゼミの仲間やシアトルに行って出会った仲間とのつながりに助けられながら、既に長島町にいる先輩達の支えがありながら、こうやって長島町という地元・横須賀市の40分の1の人口のまちで活動することを決めました。

長島町で何をするのか。

僕が長島町で始めるのは、教育プロジェクトです。

大きいことを言えば、これから先。日本は地方の現状を良くすることに目を向けないで社会がよくなるなんてことはないでしょう。僕達の世代が真っ先に向き合わないといけない課題は、一つ一つのまちを自分たちが誇れるまちにすることだと思います。

長島町は既に、自治体とドワンゴが連携した「Nセンタープロジェクト」が動き始めています。

今はここでプロジェクトメンバーとして動きつつ、他にも長島町でプロジェクトをしています。

僕がやりたいのは、小さな島から日本の教育の未来にインパクトを与えることです。

2020年の教育改革を皮切りに、これから日本の教育界は生き馬の目を抜く世界になる。PBLやEdTech、色々なアイデアをプロトタイプとして走らせつつも、一般の子ども達がその恵みを受けられるようにしないといけない。教育手法・学習環境の開発と普及を同時にやらないといけない。

でも、学校はすぐに変われるわけじゃない。塾もそう。

Nセンターが「未来の教育の実験場」として、たくさんの先進的なアイデアを中高生に対して試す場所になるようにしていかないといきません。
そして、北風と太陽のようにNセンターでやっていることが徐々に学校教育にインパクトを与えるようにしていきたい。Nセンターが長島町の中に溶け込むようにしたい。

そのためには、「未来の教育の実験場」に相応しいプロトタイプを次々と創り出していかないといけません。

今はまだ、長島町に着任してすぐですが、
この町の学校の先生の方々、教育行政の関係者、保護者、PTA、そして生徒たちと会って関係性を創りながら、一つ一つ事を進めていきます。

これからのこと。

既に今週、来週とNセンターでイベントを複数準備しています。

まずは場所づくり。その次に関係づくりです。まだまだ走り出したばかりのNセンター、長島町の教育プロジェクトですけど、これから日本の未来の教育に希望を持ちながら少しずつ人々を巻き込んで、発見を提案に、提案を創造にしていきます。

「地方」という言葉は好きじゃないですけど、尊敬する知人がおっしゃっていた好きな言葉があります。

地方は日本の末端じゃなくて、最先端。

まさしくその通りだと思います。

ここはいずれ多くの人が何十年後に経験することを先駆けて経験しているまちです。それをどうにかしようと、色んな知恵、エネルギー、アイデア、技術が集まりつつあります。

何かを実現する人になるために、当分、長島町で暮らしながら展開していきます。ドットジェイピーや、すずかんゼミ、SFC、iLEAP。これまで会った人たちとも、久しぶりに会いたくなってきました。色んなまちを見つつ、自分のまちに取り入れられることを増やしていきたいので、何かおすすめのまちを知っていたら教えてください。

近々、母校SFCの主催するフォーラムにも出ます。よかったらお越しください。

長島町で見たこと、気付いたこと、思ったこと。これからも発信していきます。

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(Nセンターに最近通い始めた女子中学生たちと夜まで勉強中。)

Originally published at UMINOTE.

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間瀬 海太

あっちに行ったり、こっちに行ったり。フィールドトリップやワークショップを作っています。◆肩書◆学校法人角川ドワンゴ学園 / (一社)小布施まちイノベーションHUB / (NPO)Seattle iLEAP社会起業家育成プログラムAmbassador