NewsPicks初のUXリサーチャーとして入社した話

Maxwell Forrest
8 min readDec 5, 2019

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こんにちは!

NewsPicks Advent Calendar 2019の6日目を担当させて頂きます、今年4月にNewsPicks初のUXリサーチャーとして入社しましたマックスです。(オーストラリア出身で高校の時から日本に住んでいます!)

UXリサーチャーがいる会社はまだ少なく、UXリサーチって何?と思っている方が多いと思うので、今日は自分がこの半年でやったこと、困ったこと、良かったことなどを共有できたらと思います。

どうやってNewsPicksのUXリサーチャーに?

私は以前PM系の仕事をしていたのですが、業務の中でユーザーと話したり、ユーザー体験を考えるのが最も楽しかったです。去年UXリサーチャーという仕事の存在を知って、これは自分に合ってる!と思い Interaction Design Foundationというデンマークの通信学校で勉強することにしました。

勉強し始めて1年ぐらいが経った時に、UXリサーチャーとして仕事がしたいと思い、NewsPicksのことを思い出しました。

私は元々NewsPicksが好きで長く使っていて、記事や動画がとてもクオリティが高く、素晴らしいと思っていた反面、ユーザー体験は改善の余地があると感じていました(笑)また「経済を、もっとおもしろく」というミッションにもとても共感していたので、UXリサーチを通して体験を改善し、より多くの人にNewsPicksのコンテンツを届けたいと思うようになりました。

しかし、採用情報を見た時にUXリサーチのポジションがなかったです😭

それでも話してみたいと思い、UIデザイナーの枠で応募してみたら、運良くUXリサーチに興味ある面接官に出会い「UXリサーチがやりたい!」と熱心に言ったら見事に採用されました(笑)

初UXリサーチャーとして入社した時の悩み

今までなかったポジションで入社したこともあり、周りとどのように動けばいいか、何から手をつければいいかがわからなくて結構悩みました。

最初の頃は同じような状況にいる人のブログや、他の会社の事例をひたすらネットで調べていました。その時にUXリサーチが優れている企業としてGoogleの事例をみることが多く、印象に残ったのがこの言葉です。

ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。

これはGoogleが創業期に作った企業概念「10の事実」の第一項目で、Googleによると今までの成功の鍵でもあります。要するに、Googleでは何をするにもユーザー体験を最優先していて、そのためにUXリサーチの社内での優先度が高いです。

実はNewsPicksが所属するユーザベースグループが大切にしている価値観に「ユーザーの理想から始める」というルールがあります。

そのような価値観でありながらも、ユーザーの理想から始めるための共通の手法が確立されていたわけではなく、メンバーそれぞれの思いと行動に委ねられていました。

そこで、「ユーザーの理想から始める」という理想にメンバーひとりひとりが正しくコミットできる環境を作りたいと思い、最初の半年の目標を下記のように決めました。

・ユーザーの理想から考えられるような基盤を作ること
・社内でユーザーに対する意識とユーザーリサーチの理解度を上げること

この二つができれば、ひとりひとりの日々の行動がもっとユーザーの理想へ近づくと確信しました。

NewsPicks

NewsPicksのユーザーって意識高いビジネスパーソン?

NewsPicksはニュースをただ閲覧できるだけではなく、専門家・ニュースの当事者・多様な価値観の方のコメントに触れることによって情報を立体的に見ることができるようになっています。

また、オリジナル記事や動画番組では、時事的な内容にとどまらず、長く社会で活躍するために知っておきたい知識や知恵に触れることができ、日々のビジネスパーソンの意思決定に貢献するコンテンツを提供しています。

そのためか、NewsPicksのユーザーは「意識高いビジネスパーソン」という認識を持たれやすくなっているようでした。そのイメージが合っているか、そして合っていたとしてもそのユーザーは何のために、どのようにNewsPicksを利用しているかということについては詳細に分析しきれているわけではありませんでした。

それでも日々NewsPicksはサービスが進化していき、ユーザーのニーズも多様化していきます。多様化してきているユーザーの実態を調査する必要が高まってきたタイミングで私が入社し、自分の最初の仕事になりました。

一人でUXリサーチをやっても意味がない!

大きなユーザーリサーチプロジェクトを一人で実行するのが無理に近い他、ステークホルダーを含まずにやっても意味がないので最初からユーザー調査に興味があって協力してくれるメンバーを集めました。

UXに関心度の高いプロダクトデザイナーのよっしーと二人で企画・運営するようになり、マーケチームやプロダクトチーム、様々なチームのメンバーに社内調査を行い、各部署の知りたいことをまとめました。

ログ・データでユーザーの行動を追跡することはできますが、ユーザーが何のためにNewsPicksを使っているかという定性的なデータはこれまでに調査できていなかったため、大きな調査の目標を下記の3点に絞りました。データが何もない状態での探索的調査だったため、あえて細かい仮説を立てずに広く調べることにしました。

  1. ユーザーにはどのような人がいるか
  2. 何のためにNewsPicksを使っているか
  3. 生活の中でNewsPicksをどのように使っているか

ユーザーの深い考えや生活のリズムを調査する必要があったので、定量的なデータ分析を元に代表的なユーザーを抽出して、一対一でじっくり話を聞くユーザーインタビューを行うことにしました。

最終的に調査の成果としてユーザーペルソナとジャーニーマップを作り、ユーザーに対する共通認識が生まれるようにしたいと思いました。

この半年間は主にこの調査に力を入れていました。

ユーザー像を考えるワークショップ

この半年でよかったこと

入社して半年が立つ今では、少しずつ社内メンバーのユーザーに対する意識が向上してきていると感じています。

実態調査を実施した気付きが非常に多く、想定していなかった使い方をしている方もいれば、NewsPicksを使って人生が変わったという方もいて、NewsPicksがユーザーの生活にどう影響しているかを肌で実感することができました。

社内でユーザーに対する意識を上げるために下記のことが特に効果的でした。

  • ユーザーインタビューの際にコンテンツ提供を実際に行っている担当者に同席してもらったこと
  • ユーザーインタビューの映像を多くの社員に見てもらったこと
  • ユーザーの視点を考えるワークショップを定期的に開いていること
  • ペルソナやジャーニーマップを印刷してオフィスに展示し、ターゲットユーザーの共通認識をつくったこと

最終的には、このように実施してきたユーザーリサーチの取り組みと結果を経営会議で発表し、ユーザーからの声を事業戦略や意思決定に反映していけるようになりました。

個人的な話ですが、最初に入社した時に「何をしているかわからない人」だった自分が、今は社内で「ユーザーリサーチの人」と知られるようになりました(笑)そういう意味でユーザーリサーチの理解度をある程度上げることに成功できたと実感できていて嬉しいです。

ユーザー視点を言葉にするワークショップ

これからすること

やはり文化を変えることは簡単なことではないので、まだやることがたくさんあります。ペルソナやジャーニーマップなど、基盤となる題材ができたのですが、それをどう業務で活用するか、プロセス作りが必要なので来年はそのフェーズに入ります。

とはいえ、最初に入社した時の不安が解消し、今は強い意思に変わっているので、引き続き頑張ってNewsPicksのユーザーファーストな文化を育てていきたいと思います。

ちなみに私は、個人的な活動においてもUXに関するミートアップを主宰しています。

UXリサーチの勉強や意見交換がしたい方がいらっしゃいましたら、定期的にミートアップを開いているので、是非参加してください。

明日はNewsPicksのデザイナーが投稿するので、引き続きNewsPicks Advent Calendarをお楽しみください!

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