マンチェスター・シティ戦備忘録

この試合でスパーズは4141或いはアリが流れの中で頻繁に前に出るため41311のゼロトップと形容するような布陣で臨んだ。エリクセンがワニャマの近くに位置する場面も見られたが相手がボールを保持した際の一時的なもので、基本的にはワニャマの1アンカーだったと見るのが妥当だろう。

1アンカーは一般的に両インサイドハーフとの距離感や役割の受け渡しがスムーズな展開をするために要求されるのだが、ポチェッティーノはこの試合において両サイドハーフにその役割を求めていたように思われる。攻撃面では馬力でボールを運べるシソコ、馬力はシソコに負けるがソンやアリにボールを出せるラメラを配置することで前への推進力を保ちつつ、ボールが奪われた際はフォアチェックによるコース限定と合わせてシソコとラメラがミドルサードに侵入するボールホルダーへのチェックや中に絞ることでワニャマの両脇をカバーし負担を軽減させていた。

僕には連動したプレスを結果としてしか見る能力がないが、相手スローイン時などのいったん試合が切れた際の選手のポジショニング修正からポチェッティーノの戦術浸透と選手のタスク実行力が見てとられた。個人的に面白かったのがシソコのポジショニングであった。エリクセンが右のワイドに出ていくとワニャマの右前方に位置し、エリクセンとワニャマ両者をサポートできるように心がけているように見られた。

後半になるとペップは戦い方を少し変えてきたようだ。概要としては、いったん中に入ってからアウトサイドを使うことで一対一の状況を作ったり、フォアチェックにかからないように足元のパスではなく頭上を越えるパスを選択する、一方のサイドに守備ブロックを集めてからボールを後ろに戻し逆サイドに展開する、というところだろうか。ワニャマを守備に連結させにくし守備ブロックを掻いくぐることに成功していた。

上に載せた動画は前半部分もあるが、スパーズが危機に陥ったのはミスと後半からのペップによる修正が功を奏した部分もあるように思われる。また運動量が少しづつ落ち始めた為か右ではるシソコ、左にいるラメラという形が作れずにサイド起点の攻撃も受けた。

後半65分過ぎにシソコは脚に違和感を覚えたのか大事をとってダイアーと交代したので1アンカーはここまでとなってしまったが、ポチェッティーノはこの一戦で1アンカーにある程度の手ごたえを得たのではなかろうか。

このシステムの利点としてはショートカウンターだけでなく重層的な攻撃ができアタッキングサードに相手を押し込めること、それによりロングカウンターを受けにくいことであろうか。欠点としてはミスをすると即ピンチに陥ること、両サイドの運動量が特に求められ90分間体力だけでなく判断力を維持することが困難なことだろうか。

最後にポチェッティーノは将来的にホールディングMFを1枚とする考えを持っているとインタビューに答えている。そうであるならばシソコ的な走力とフィジカルを備えた選手が(年齢を考えると走れてチャンスを作れるラメラより)先に必要という事を示しているのであろうか。いずれにせよ、長短がある布陣なので従来の布陣との併用になるだろう。

One clap, two clap, three clap, forty?

By clapping more or less, you can signal to us which stories really stand out.