メレ子

仕事で上海に行くことになった。最初は4月末にも赴任するという話だったが、中国のビザ制度が改正により厳しくなり、けっこう時間がかかるらしい。実際には5月末くらいになるかもしれない。任期は特に決まっていないが、会社の出向の事例を見るとだいたい3年から5年は行っているので、それくらいが目安ということになる。 1月の末に社内での募集があり、金曜の夕方にメールを見た。2時間後くらいに応募のボタンを押し、その後面接などがあった。2月の下旬くらいに「まあそうは言ってもどうせ受からんやろう」という気分になり、お昼休みにゴールデンウィークの沖縄行きの飛行機などを検索しているところを呼び出されて「よろしくお願いします」的なお達しがあった。その日の夜は、布団の中でぶるぶると震えた。 社内で出向内示が出てオープンになったのが3月はじめだったが、ネットで書くまではさらに時間を置いた。なんでかというと、中国での就労ビザ取得にはHIV・梅毒・肝炎などの検査結果が必要であり、健康診断で採血されているときに「もしこれで何かの病気が陽性だったらどうしよう…」と思いはじめ、せめて検査結果が出るまで黙っておこうと思ったのだった。陽性だったら即入国拒否というわけではなく、おそらく治療のあらましなどをまとめて提出したりすることになるのだろうが、自分で応募したとはいえ赴任することにめちゃくちゃ動揺している今、さらに人生を揺るがす事態が到来したら受け止めきれない。

メレ子

メレ子

生きものと旅行が好きな勤労女性。エッセイなどを書きます。近書『ときめき昆虫学』(イースト・プレス)『メメントモリ・ジャーニー』(亜紀書房)以前のブログ:「メレンゲが腐るほど恋したい」http://mereco.hatenadiary.com/