それがいつしか何も言わなくても通じるようになりました。
いつものコーヒー
佐々木秀和 Hidekazu Sasaki
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ある会社の自社ビル1Fのカフェで働いていた時、いつも急いでコーヒーを頼むOLの女性がいました。その女性を見つけると「あ!(いつも急いでるあの人)きた!」と、隣のスタッフとアイコンタクトをとり、素早くドリップをカップに準備し、お会計のEdyを準備し待っていたことを思い出しました。

その方は特に笑顔になったり、お礼をいうわけでもなかったのですが、Edyで素早く会計を済ませ、コーヒーをすっともっていき、また走ってエレベーターホールに向かっていきました。

お客様も始業ギリギリに走ってくるので、こちらもいつ来るかドキドキ…でも、その人が過ぎ去った後は、朝のラッシュの終わりという感じでした。

私だけでなく、どのスタッフも常連の方の顔と注文するドリンク(種類だけでなく、サイズ、カスタマイズ)、出すスピード(はやくしてほしい人か、ゆっくりしてほしい人か)、支払方法等をなんとなく体で覚えましたし、それによってより素敵な接客をお届けできたことがあると思います。

昔の職場で現在も働いている仲間の話を聞いたりしますが、今はポジションやオペレーションがより最適化されたシステムを導入されているようです。一方で、柔軟に対応しきれるか、それによって逆に、自由度も制限される部分もあるのでは、と疑問も残ります。

「だれがやっても同じクオリティに」となるよう、全体を底上げする意味でシステムの進化は大切ですが、ささやかな気配りや機転のようなものを奪っているような気もしなくもありません。その良さを内外とも感じられる日は少し先になるのでしょうか。

長文失礼しました。いつも、佐々木さんの文章を読むといろいろと考えさせられます。

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