初めて書くPRD(プロダクト要求仕様書)

Miz Kushida
5 min readJan 1, 2019

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Product Manager Advent Calendar 2018 の1日目の記事となります。

プロダクト・マネージャーの皆さん、PRD(Product Requirements Document)に何を書いていますか?

ここでは初めて書くPRDとして、一体どういう内容を書けばいいのかを述べたいと思います。具体的な粒度については、Product Huntの例(本文参照)を見ていただければと思います。

PRD Template

例えば、プロダクト・マネジメント界隈では知らない人はいないであろう、及川さんのこちらの記事にもPRDについて述べられています。

当時の記事は2017年のものですので、今では立場も変わられており内容もアップデートされていると思いますが、何を記載すべきかを以下に列記します。

1. 概要
2. 背景
3. 製品原則
4. スコープ
5. 対象ユーザー
6. ユースケース
7. 市場分析
8. 競合分析
9. 機能要求
10. UX要求
11. システム要求
12. セキュリティ要件
13. プライバシー要件
14. パフォーマンス要件
15. リリーススケジュール・マイルストーン
16. マーケティング計画

プロダクト・マネージャーは海外ではmini-CEOとも言われるように、市場分析やマーケティング計画などといったプロダクトの市場価値を以下に高めていくかという戦略的な視点が含まれていることが特徴です。

システムの機能だけを記載するものではありません。これは要件定義書との大きな違いだと思います。

つまり、単に作ること自体が責務ではなく、プロダクトを成功させる、つまり売れるようにしていくことにプライオリティがあることが分かります。

Product HuntのPRD

一方でPRDの具体例といえばProduct HuntのPRDです。

How to Write a Painless Product Requirements Documentby Jerry Caomedium.com

Product HuntProduct Hunt “for people who love products” Intro & Goadocs.google.com

こちらもあくまで参考ではありますが、開発のインプットとしては十分なのではないでしょうか?

Product HuntのPRDは、以下のような構成となっています。

1. Intro & Goal
2. Who’s it for? |誰のためにあるか
3. Why build it?|なぜ創るか
4. What is it?|どういうものか
4–1. Glossary|用語
4–2. User Types
4–3. UI/Screens/Functionalities|UI/画面/機能
5. Brainstormed Ideas|アイデア
6. Competitors & Product Inspiration|競合
7. Seeding Users & Content|初期ユーザーと獲得戦略
8. Mockups
9. Tech Notes
10. Go to Market|マーケティング戦略
11. Post-Launch Marketing

基本的には、IncrementsさんのPRDと大差はないように思いますので、自分のビジネスフェーズなどに応じて書きやすさ重視で描けばいいのではないでしょうか。

僕はどうしているか?

基本的にはProduct Huntの構成がベースです。ただし、以下の2点を追加しています(Incrementsさんの製品原則に近いかもしれません)。

ー コンセプト
ー プロダクト・ビジョン

コンセプトは、リーン・キャンバスでいうところの独自価値(Unique Value Proposition)が該当すると考えています。なので、素直にバリュー・プロポジションといっても言っても良いかもしれませんし、組織によって伝わりにくいかもしれませんので、コンセプトと言ってしまってもいいと思います。

なお、どうやってバリュー・プロポジションを創り出すかは、こちらのジョブ理論の解説をご参照ください。

プロダクト・ビジョンは、バリュー・プロポジションを実装したソリューション=プロダクトによって、カスタマー(ユーザー)に変化して到達してほしい姿を言語化するようにしています。

したがって、コンセプトやプロダクト・ビジョンは、ビジネスのフェーズ(言い換えるとプロダクトの成長フェーズ)によって変わりえるという点に注意しましょう。

一方で、マーケティング戦略系は記載していません。これはプロダクトマネージャーの責務と乖離する場合や、ビジネスフェーズによって頻繁に変わってくる内容だったりするからです。その都度修正していくより、最初からマーケティング戦略として切り出したほうがいいと思います。

まとめ

以上をまとめると、以下のような内容で記載しています。

1. Intro & Goal
2. Concept / Value Proposition
3. Product Vision
3. Who’s it for? |誰のためにあるか
4. Why build it?|なぜ創るか
5. What is it?|どういうものか
5–1. Glossary|用語
5–2. User Types
5–3. UI/Screens/Functionalities|UI/画面/機能
6. Brainstormed Ideas|アイデア
7. Competitors & Product Inspiration|競合
8. Seeding Users & Content|初期ユーザーと獲得戦略
9. Mockups
10. Tech Notes

このくらいを整理してメンテナンスしていけば十分かと思います。

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