位置情報サービスikudeを開発した話(第6話) — 生まれて初めての飛び込み営業を始める
私は最初に入った会社、ソニー・エリクソンでは携帯電話の開発に明け暮れ、独立してGoldrush Computing株式会社を立ち上げてからはずっとiOS/Androidアプリのプログラミングを主な業務にしているため、営業の経験が全くありませんでした。
独立後も受託開発のクライアントは幸運なことに、友人・知人、またはその友人・知人から紹介された人、1度請け負ったクライアントから紹介された人やブログを読んで問い合わせてくれた人などで何とかやってこれたこともあり、自分から受託開発の営業を行ったことはありません。
ikudeはB2Bのサービスであるため営業は避けて通れないと考えていました。
チームのなかで、「開発の状態がどんな状態でも9月1日に営業に行こう」と決めていました。
このころikudeは「出前を自分で行っている飲食店」に営業のターゲットを決めていました。
最初は出前をやっている飲食店の多い東伏見駅から保谷駅にかけてのエリアをターゲットにし、30店舗ほどのお店をリストアップした営業リストを作りました。
9月2日営業開始
9月1日が日曜日だったため、実際には9月2日月曜日に飛び込み営業に向かいました。
飛び込み営業の時間は飲食店のランチタイムが終わる14時〜がベストだろうと思い13時頃東伏見に私とメンバーのIさんが行きました。
最初のお店は駅前のお蕎麦屋さんでした。あまりにも経験がないので、まずは店内の雰囲気に観察するためここで昼食をることにしました。昼食をとれば話を聞いてくれるのではないかと思い、ちょっと高いとろろ蕎麦のセットを頼みました。
説明中に他のお客さんがお会計等に来るといけないと思いお客さんが少なくなってくるのを待ちました。この待っている間の時間は社会人になって一番緊張した時間かもしれません。ビジネスモデルのピッチや講演会で登壇しているときよりも何倍も緊張していたと思います。
お客さんが履けてきて、お会計に向かい、支払いをし、お釣りを手渡されたときに、「ちょっとお時間いいでしょうか?」と切り出しました。
パンフレットを見せて、「これは、出前のときに。。。」と説明しようとすると、その女将さんほどの年齢の女性がパンフレットをもって、裏に入っていきました。「ねぇ、また、こういうのきたよ。。。」などと話声が聞こえました。「また」とはどういうことだろう。。などと緊張して考えているといかにも職人と言った60歳くらいの大将と思われる方がでてえきました。
大将の登場にたじろぎましたが、意外にもじっくり私たちの説明を聞いてくれた上で、「今私達は電車2駅分のエリアしか配達していなくて、よく知ったエリアだから配達に遅れることもほとんどないんだよね」と説明してくれました。
結果的には必要ないということでしたが、パンフレットも受けとってもらい、お店をでました。
意外にもちゃんとした対応をしてもらえこれならまだ行けるぞと少し勢いがついてきました。
次に訪れた中華料理店では、うちは、そういうのはいいよ、と軽くあしらわれてしまいました。
その次のとんかつ屋さんと仕出し屋さんはどちらも休憩中でしまっており、次に向かったお弁当屋さんは入っていったら電話中で一回店外にでたものの、外で待っていたら電話を終えた主人が出てきて、話を聞いてくれました。
自分一人では決められないから、社長に話してみますと言ってもらえました。
その後は保谷駅周辺に到着し、1件目のインド料理屋さんは完全に門前払い。これがこの日一番メンタルに来ましたが気を取り直して、もう一つのインド料理屋さんへ、寝ている定員の方を起こしてしまいましたが、店長がもうすぐ帰ってくるというので、店外で20分ほど待ちました。
店長さんが帰ってくる気配がないため、先程の定員さんにパンフレットを渡し次のお店に。鰻屋さんは、おじいさんとおばあさんが休憩中のところをお邪魔して声をかけましたが、そういうのはわからないからいいよ、と言われ退散。
次のお蕎麦屋さんはちょうど店主の方がタバコ休憩しているところを発見して話しかけましたが、今は知り合いにしか配達してないからいいとのことでした。
ここで夕方の営業が始まる時間になったためタイムアップ。この日は閉まっていたり不在のところ数カ所を含めて14店舗をまわりました。
何か契約がとれたわけではなかったのですが、飛び込み営業が初めての我々としては、これだけでも十分達成感を感じてオフィスにもどりました。
第7話につづく。
配達先のお客様がドライバー様の位置をWebページで確認できる「ikude(いくで)」に関するお問い合わせや、位置情報トラッキング機能の開発のご相談は下宛にご気軽にご連絡ください。mizutori@goldrushcomputing.com