参院選と自民党の改憲草案

mmmatch
6 min readJul 9, 2016

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参院選も終盤の今、タイムラインが選挙関連のトピックで埋まる人もいれば、選挙の「せ」の字も出て来ない人もいる。この情報の断絶って仕方がないことなんですかね。イーライ・パリサーの「フィルター・バブル」が話題になったのはもう結構前だけど、まあSNSってそういうものか。

選挙関連の番組ももっとあればいいのに、とも思う。せっかく18歳から投票できるようになったところで、自分から積極的に情報取りに行かないと、本当に何も入ってこない。

今回の参院選の争点の「改憲の話も、自民党が改憲草案公開したのってもう4年くらい前だったと思う。その当時から、草案読んでこれはヤバい!って危機感持った人が声をあげて発信してきたわけだけど、改憲に向かうかどうかが決まる今回の選挙の終盤になっても、知らない人は本当に知らない。高知で8割の人が知らなかったっていうけど、日本全体でもそんな感じなんだろうか。

政治に関するトピックといえば、政治家の金の問題とか不倫スキャンダルとかそういうのばっかりシェアされまくるけど、公開から4年もたって、このかなりアグレッシブ(悪い意味で)な自民党の改憲草案が多くの人に伝わってない状況って。テレビも新聞もweb上のたくさんのメディアも、一体何やってたんだろう。

とりあえず、自民党の改憲草案を知らない人は、一度見てみるといいと思います。自民党の公式サイトにも載ってるし、現憲法との比較をわかりやすくまとめてるサイト、問題点をまとめてるサイトとかググるとたくさん出てきます。いくつかリンク貼っておきます。

純粋に文章を比較してるやつではこれ↓とか見やすい。

http://editorium.jp/kenpo/const.html

web業界人的に、お!と思ったのは、githubで比較してるやつ。現憲法がマスターで自民改正案ブランチをプルリクして差分見ようっていう。全文揃ってないのが残念なところではありますが。

憲法改正の話っていうと9条のことだよね?ってなる人多いけど、9条以外でヤバいところ満載。 特に立憲主義の観点でいうと、小林節さんのこの会見がわかりやすかった。改憲派の憲法学者をここまで怒らせる草案、って。。

このあまりにもヤバい草案のせいで、自分も含めて今まで憲法に興味なかった人が、日本国憲法ってそもそもなんなのか、って考え始める流れになってきたという意味では、いいきっかけだったのかもしれない。

今回の参院選での歴史的な野党の共闘も、草案がここまでヤバくなかったら実現しなかっただだろう。一つ言っておきたいのは、野党共闘陣営が「改憲阻止」って言ってるのは、憲法に指一本触れるな!って完全な護憲主義の人たちばかりではなく、むしろ憲法は時代に応じて変えていくべきだけど、自民党の改憲草案だけはヤバすぎるから阻止、って人もたくさんいるっていうこと。それだけヤバい内容になってる。

自民党支持の人は、この草案知ってるんだろうか、っていうのが気になるところ。

改憲以外の政策は支持、って人もいるだろうけど、今回与党が3分の2以上とったら、改憲の国民投票とかに国政のパワー持ってかれて、それこそ経済政策とか福祉とかもっと後回しになっちゃうのでは。

どうせ与党で過半数とることはほぼ確実なので、与党の憲法改正以外の政策支持してる人も、今回だけは野党に入れて与党に3分の2までは取らせない、で、改憲への熱を冷ましてもらって、もっと国民の生活に寄り添った、経済政策とか福祉とかの政策を頑張ってもらう。っていうのもありかと。

政治がもっと日常的な、身近なものになればいいのになー、と思う。贔屓の球団応援するような感覚で、巨人ファンとタイガースファンがディスり合うぐらいのノリで、保守もリベラルも議論できればいいのに。憲法改正の話だって、もっとオープンに色んな議論があればいいと思う。これだけネットが当たり前のインフラになって誰もが発言できるようになったけど、偏った過激な言説ばかりが目立って、結果普通の人からするとネット上で政治の話すると変な人に絡まれるからやめとこ、みたいになってるこの状況がもどかしい。。

そういう問題意識もあって、友達と議論サイト作ってるっていうのもあるんですけどね。最後がステマみたいになってしまった。

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mmmatch

webサービスのデザイナー。映画や音楽、web、デザイン、社会のことなど好きに書いてます。個人で映画サイト運営中 → http://warfilms4peace.com/