25歳、東京の大きな会社から大阪の小さな会社で働くまで。

Kana Minematsu
Sep 5, 2015 · 5 min read

はじめまして。
わたしは今、大阪・八尾の工業地帯にある従業員30名ほどの中小企業で働いています。木村石鹸という90年の歴史がある会社です。(参考:東京から大阪・八尾の老舗石鹸会社に社会人3年目の新米チャンがやってきた。)2ヶ月前までは、東京の外資系の会社で消費材のマーケティングをやっていました。

自分の名前でバッターボックスに立ちたかった。

前の会社には2年とちょっと在籍したことになります。
この会社で働こうと思ったのは、一年目からマーケティングができること、外資で日系の古い企業文化がなかったこと、そして何より優秀な人材が集まっていたからでした。

大学4年の時、ゼミの先生に紹介してもらい外部講師を招いての参加型のマーケティングの授業に参加したことがあります。
これまでに人生の先輩方からさまざまな生き方を教えてもらいましたが、そこで出会った講師の方の言葉を最近よく思い出します。
その方はもともと広告畑の方で今はフリーで長く仕事をされているのですが、

ぼくは野球選手みたいなもんなんでね。成績によって戦力外通告されたり年俸の如何がきまる。

周りにフリーの子やそれこそ起業している人も沢山いるので当たり前といえば当たり前なんですけど、この時なんとなく、ああこんな風に自分の仕事がはっきりと目に見える働き方っていいなと思えました。会社や上司に評価されるのではなく、社会に評価されて、その対価がお金になると。

前の会社の、それも私がいた部署は大変若い人の多い組織だったので、おそらく日本の大きい会社ではありえない位広い範囲の仕事を裁量権を持ってやらせてもらいました。
とにかくマーケティングの面白さを教えてもらいました。自分がつくったプロダクトをお店で買っている人や銭湯で使っている人を見た時の感動を知ってしまったら、とても辞められません。

だからこそ欲が出てきます。
自分のブランドを持ちたいとか。
自分でブランドを育てたいとか。
そういうことです。

どんなに沢山テレビCMを打つ有名なブランドを担当していたとしても、自分でバッターボックスに立ってバットを振ったかと聞かれると、答えはどうしてもNOでした。

この業界で働く多くの優秀なマーケッターの方の足下にも到底及びませんが、2年間私なりに働いて行き着いたのは、マーケティングってフレームワークでしかないってこと。
一通りのフレームワークが分かったら、今度はそれを使ってどれだけ実践して、実績を作れるか。

バットの振り方や野球のルールは教えてもらった、次はどれだけバッターボックスでバットを振れるかだと思ったんです。

木村石鹸のフェーズと私のやりたいことがマッチした。

転職してくる人も、転職する人も多い職場だったので、別に私が特別という訳ではありませんが、たぶん日本の中小企業に転職していく人はめずらしいのではないかと思います。

転職エージェントも使いましたが、一番よく使っていたのはWantedly。よく、どうやって今の会社見つけたの?と聞かれますが、今の会社もWantedlyで見つけました。

おかしいと思いませんか?最近は大きな会社も求人しているようですが、当時はほとんどがネット系のスタートアップでした。そんな中で、大阪・八尾の創業90年の石鹸会社が求人していたのです。

あまり商材にはこだわっていないので、次はベンチャーでアプリやサービスのマーケティングに携われたら良いかなと考えていました。
しかしこの求人を見たとき、ああ、やっぱりリアルなプロダクトっていいなあ、と感じました。

応募ボタンを押して、実際に現在の副社長に会うことになったのですが、副社長はこのときのことをこう語っています。

プロフィールを見たとき、東京の、若い女の子で、こんな会社で働いている人なんて、冷やかしかなにかだと思った。

この副社長、学生の頃から東京で起業されていて、数年前にご実家の木村石鹸に戻られたとか。ネット畑の方のはずなのに、ブランディングやマーケティングの知識が豊富で、これからうちの会社でも商品ではなくブランドが必要と語る姿勢に心躍りました。

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他にもいくつかお話をもらった会社があるのですが、最終的に木村石鹸で働こうと決めたのは、まだ何もなく誰もいなかったんです。他の会社はフェーズ的に一歩先を行っていて、すでにブランドや全体の方向性を決めるポジションの人がいました。

転職を考えていたとき、ある方に、「そういう働き方したいなら、どこか会社入るとかより、絶対もう自分でやった方がいいよ」と言われました。本当にそうだと思いました。

結局は木村石鹸とのご縁があったのと、自分で経営するほどの意気地がなかったのと両方。

でも、毎日たのしくて仕方ないんですよね。
だから、それでいいかなって思っていたりします。

Kana Minematsu

Written by

Osaka, Marketer for a 90-year-old Soap Company

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