アプリストア用のブロックチェーンソリューション~AppCoins~【バイナンス上場銘柄】

Motoya Tsuchida
5 min readDec 22, 2017

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こんにちは、土田基也です。ようやく、2つ目のICOのレビュー記事を書いてみます。今回ご紹介させて頂くのは、クラウドセールドキュメントとウェブサイトの翻訳を行ったAppCoinsです。
※ちなみに翻訳はしたのに使ってもらえないという悲しい結末のプロジェクトです。そのため、ウェブは半分Google翻訳、クラウドセールドキュメントは英語のみとなっています。>_<

概要

このプロジェクトの概要としては、色んなアプリストア間での共通のプロトコル(規約)を利用することで、広告、アプリ内課金、アプリ承認の3つを変革しようとしているプロジェクトです。具体的には、広告に関してはダウンロードとそのユーザーが2分以上アプリを利用したかをブロックチェーンに記録します。これによって、悪徳広告会社による不正をなくし、確実にユーザーにアプローチできるようにします。アプリ内課金に関しては、 仮想通貨を利用したP2P取引を可能にすることで、クレジットカード会社などの余計な第三者による余計なコストを削減できます。アプリ承認に関しては、現在様々なアプリストアで不透明な基準で審査を行っているのを、ブロックチェーンを利用して、審査内容を公開することで透明性のある基準を作り、それに基づいたレーティングを行います。

そして、このプロトコルを利用することで得られる各プレーヤーのメリットは以下です。
アプリ開発者
・広告によって、確実にユーザーにアプリがリーチするようになる
・アプリ内課金に伴う、仲介業者のコストが不要になる
・アプリ掲載基準が明確になることで余計な手戻りが発生しない

ユーザー
・アプリ公告を見て、ダウンロードして、2分間利用するとAPPCを受け取ることができる。
・受け取ったAPPCをアプリ内課金に利用できる(広告報酬で受け取ったAPPCはそれ以外では利用不可能)
・クレジットカードがなくてもアプリ内課金が可能になる

OEM
・AppCoinsプロトコルを利用しているアプリストアをデフォルトのものとして採用するとそのデバイス上での決済時に数%が収入となる

アプリストア
・他のアプリストアメインの開発者の評価がわかる
・アプリストア間でのローカライズが不要になることで他のストアで有名なアプリの誘致ができるようになる

そして、今回はkuniさんのおっしゃっているプロジェクトを評価する時の4つの観点からこのICOをレビューします。

革新性

このプロジェクト自体は正直、アプリストア周りの技術に関しての正統進化で、あるべき理想に近づいているように感じました。このAptoide社の面白いところとしては、プロジェクトはあくまでプロトコルである程度普及が進んだら、財団を作って、そこが運営を行うところです。見据えるエコシステムの規模がかなり革新性があると思っています。

実現可能性

このプロジェクトの最大の強みはこの実現可能性にあると私は見ています。このプロジェクトを立ち上げているのはAptoideという会社ですが、AndroidでのGoogle play以外の中では有力なアプリストアで2億人のユーザーがいるようです。そして、まずAppCoinsをAptoide社のアプリストアに実装する方針ですので、プロジェクトの立ち上げから2億の潜在ユーザーがいるというのはかなり大きいです。
さらにアプリストア業界的にAppleとGoogleが大きすぎるので、他のアプリストアやOEMなどを味方につけようとしている所が戦略的に1社で2大巨人と戦おうとしない所が実現可能性という観点でポジティブに思っているところです。

収益性

収益性に関しては、既存のアプリストアシステムの延長戦のようなもので、現状ビジネスができている以上、問題はないと判断しています。
※クラウドセールドキュメント内に開発チームによる控えめな予想が書かれているので詳しくはそちらをご覧ください。

将来性

将来性に関しても、これからますますスマートフォンユーザーが増え、アプリへの需要も増え続けるでしょうから、大きな需要があると思っています。

懸念点

正直、プロジェクトそのものはかなりうまくいくのではないかと思っていますが、強いて挙げるとしたらGoogleとAppleによる妨害ではないでしょうか。AppCoinsを使うアプリストアによって、この2社の収益が減ることになってしまった場合、間違いなく持っている潤沢な資金で他のアプリストアを潰しに来るでしょう。この世界でFacebookやMicrosoftクラスの会社以外で、この2社が本気で潰しにかかったら、日本を代表する大企業ですら耐えられないと思っています、このAptoide社においては言うまでもないでしょう。

このICOは開始して1週間でハードキャップ(16億円)に到達してしまいました。なかなか、期待の大きいICOだったんじゃないでしょうか。まだどこの取引所に上場されるかは発表されていないですが、この翻訳報酬分は色々複雑な思いはありますがHOLDしようかなと思っています。

最後にこのまま誰の目にも触れないのも悲しいので、こちら私が翻訳をした85ページにおよぶクラウドセールドキュメントです。
https://1drv.ms/w/s!AnlZ-W9O96KwpzAXA_PD3OMq1plg

※2018年1月6日追記
バイナンスへの上場が決定して、ICO価格から10倍ぐらいの価格がついています。今のところは大当たりなので、順調にプロジェクトを進捗させていってほしいです。

以下、本シリーズのリンクです。
第1弾 INSエコシステム
第3弾 Grain

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