WePowerのポジション

Motoya Tsuchida
WePower
Published in
13 min readDec 12, 2017

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https://medium.com/wepower/wepowers-position-in-the-new-energy-landscape-e1da5aa5439aの翻訳です。

電気ほど私たちの生活に重要なものはほとんどないです。

人類は電気を使うことで、色んな人と繋がったり、コミュニケーションを取ったり、自分の家にいながら遠い異国について探検したり、学ぶことができたり、日が沈んでからも活動出来たり、食べ物を保存出来たり、調査をできたり、病気を診断して、治療したりする多くのデバイスを動かしています。電気は私たちの生活にとても深く入り込んでいて、毎日電気を使えるようにしている、電力システムの全体像など気にもしません。

ほんの数年前までは、電力分野は、比較的、デジタルトランスフォーメーションの影響を受けていませんでした。しかしながら、いくつもの最近の再生可能エネルギーにおける発展と普及によって、スマートグリッドと分散化データマネジメントが登場し、より良い電気供給システムを運営するツールやソリューションを作ろうとする、いくつもの会社の起業に拍車をかけました。

ここ数カ月、WePowerの急成長中の、アクティブなコミュニティと密接に交流してきました。そこで、まだこの分野のスタートアップ企業同士の違いや比較が、明確には説明されていないことに気付きました。

この記事では、ブロックチェーンを利用して、この変革を促進しようとしている新しい会社間の違いに関しての概要を説明します。WePowerがこの比較を行うため、競合他社に対しての偏見が入るかもしれませんが、たとえそうであったとしても、この記事は電力分野についてもっと学びたい人に、興味を持ってもらえる内容となっていると信じています。

この比較は他社に関しては、プレスリリースや会社のウェブサイトやホワイトペーパーなどの公開されている情報を参考にしています。

電力関連のブロックチェーンイノベーター

Suncontract

SunContractはスロベニアの会社で、各家庭間での電気のP2P売買を可能にするブロックチェーンを利用したプラットフォームを作ろうとしています。SunContractが注力しているのは、太陽光発電による余剰電気の消費者間取引です。

SunContractのトークンはアクセストークンです。このトークンは電力取引に利用される電力プールへのアクセスを提供します。トークンの技術的側面や発電所、大規模電力生産者などのエコシステムへの統合に関する記載は見当たりませんでした。ビジネスケースと成長予測も同様です。

SunContractは電力分野における、ビジネスディベロップメントのプロフェッショナルが率いています。しかし、電力関連のシステムエンジニアリングの専門知識を持っていると思わせるような経歴は一切見当たりませんでした。さらに、関連業界とのパートナーシップや技術的な実装の詳細は、サイトには記載されていませんでした。

SunContractはトークンセールを完了して、既に200万ドルを調達しました。ホワイトペーパーはここから確認できます。

Grid+

Grid+はアメリカが本拠地の、ブロックチェーンベースのユーティリティを構築しようとしている、ブロックチェーンのプロフェッショナルチームによる会社です。彼らはテキサス州に特に力を入れています。Grid+のソリューションが提案するコアバリューは、最終消費者が卸売業者から直接電気を購入できるようにすることで、電気代を削減できることです。Grid+は電力の使用パターンを分析して、将来の電力消費量を予測する、IoTデバイスを利用します。

Grid+は予想できないクライアントの電力需要による、極端な価格の変化などのを予想して、自動で電力を購入する洗練されたAIシステムを作っています。Grid+の最初の目標は、卸売業者よりも良い価格で電気を販売する、新しい進歩的な電力販売企業を生み出すことです。この目標を達成したら、Grid+は次はIoTデバイスの販売に力を入れていきます。

Grid+は2つのトークンを発行しています。BOLTトークンは最終消費者が電力をプレペイド形式で買うためのプラットフォームトークンです。 1BOLTトークンは1ドルと等価です。もう一つのトークンは、GRIDトークンと呼ばれます。このトークンは消費者に限定的な供給に対しての割引を提供します。GRIDは取引可能で、GRID+トークンのクラウドセールで販売されていました。

Grid+はトークンセールを完了して、4500万ドルを調達しています。ホワイトペーパーはここから

Power Ledger

Power Ledgerはオーストラリアの企業で、消費者同士が、P2Pで、余剰電力を取引できる、ブロックチェーンベースプラットフォームを作ろうとしています。Power Ledgerは電力分野のプロフェッショナルがチームにいて、業界とのパートナーシップを結んでいます。

Power Ledgerはデュアルトークンモデルを採用しています。POWRトークンは Power Ledger取引プラットフォームへのアクセストークンと「電力のトークン化」として、機能します。SPARKZトークンはプラットフォーム上での取引通貨として機能します。POWRトークンはICO期間中に発行された取引可能なトークンです。POWRトークンの多くは電力会社、小売業者、不動産管理者にインセンティブを与えるための補助金プログラムを通じて、提供されます。このインセンティブプロジェクトの詳細についての記載を見つけることはできませんでした。

ホワイトペーパーにはP2Pでの電力取引以外の追加機能に関しての計画のアウトラインが記載されています。WePowerの提案はよく「電力のトークン化」という観点でPowerLedgerと比較されます。このプログラムを通して、PowerLedgerは再生可能エネルギープロジェクトに対して、株主資本型の共同投資機会を作り出すことで、グリーンエネルギーへの資金供給の補助となるように計画しています。この資金供給のアプローチはWePowerの先行電力販売による資金供給と全く違い、証券取引法の対象となる法的リスクが高くなります。

PowerLedgerはすでにトークンセールを完了し、3600万ドルを調達しました。ホワイトペーパーはここから

Greeneum

Greeneumはイスラエルの会社で、 途上国における発電と先進国への売電との混在による排出権取引に着目していますこの方針は私たちとは違うものです。Greenumは電力の生産と販売両方に取り組んでいます。Greeneumチームには電力の専門家はおらず、アドバイザーに専門家がいるだけです。同じチームがSolar Change プロジェクトにも取り組んでいます。

業界パートナーとテスト計画はまだ発表されていません。残念なことにGreeneumのホワイトペーパーからは明確なマーケティングポジションを推測することができませんでした。そのため、ビジネスと技術的な詳細が明らかになったら、もう一度レビューを行います。

Greeneumはまだトークンセールを完了していません。Greeneumのホワイトペーパーはここから

WePowerのユニークなポジション

WePowerのコンセプトを考えると、私たちはデジタルテクノロジーと既存の電力システムをつなぐソリューションを見つけて、グリーンエネルギーへの転換を促進することに集中しています。他の多くの電力プロジェクトと違って、電力供給システムの規模から考えてほぼ不可能な、ソリューションを作るつもりはないです。その代わりに、WePowerは、現在のシステムを、電力の消費者、生産者、そしてグリッドサービスの提供者に利益をもたらす、デジタルのグリーンエネルギー発電所に変えるために、いくつかの重要なシステムを作ります。

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以下がWePowerの特徴です。

1.電力の先行販売による資金調達— 現在の、ほとんどすべての電力関連の資金調達は負債、もしくは株主資本によるものです。つまり、新しい電力関連のプロジェクトは借金か、プロジェクトもしくは会社の所有権の一部を諦めることで資金を調達しているということです。このプロセスはとても複雑で、多くの関係者が発生し、流動性が乏しいことと投資機会が制限されているという問題があります。 WePowerは再生可能エネルギープロジェクトの発電前に、将来発電する電力をエネルギートークンという形で、売ることで資金調達をできる機会を提供します。これによって、地理的な制約なしで、投資の流動性と資産へのアクセスを保証します。これは、PowerLedgerの有価証券を利用したアプローチとは全く違うものです。

2.スマートグリッドとの統合 —全世界で、24時間365日、電力の生産と供給に関してのデータを送信している、スマートグリッドシステムはとても複雑なものです。現在、多くの再生可能エネルギープロジェクトではスマートグリッドの統合が複雑で、効率的に動かせる人材がいないため、P2Pの取引や発電という現在のトレンドに力を入れています。このアプローチは、コスト効率だけでなく、スマートグリッドによるベストミックスへの追加を実現するために必要な、スケーラビリティを制限します。WePowerのCTO兼共同創業者のKaspar Kaarlepは公共事業とスマートグリッド分野で経験を積んできて、両方をブレンドしたアプローチを提案することができます。彼は、ヨーロッパで成功した数少ない全国展開したスマートグリッド開発イニシアチブを率いてきていて、大規模なスマートグリッドとWePowerプラットフォームの統合を完成させることができる、独自のチームを作り上げました。電力はコモディティなので、電力セクターで、強力な利益の出るプラットフォームビジネスを行うには、規模がとても大切です。

3.業界内のパートナーシップ — 私たちがやろうとしていることは、電力に関するほぼ全てです。そのため、電力会社や政府の直接の支援なしでは 、このプロジェクトは成立しません。多くのデジタルイノベーターは、自分たちが既存の電力会社(発電/送電)に取って代わると言っていますが、 電力システムで大きな問題となるセキュリティに関しては、あまり検討していないです。WePowerは可能な限り最高のシステムを展開するために、政府や公共事業と密接な連携を取っています。私たちは、エストニア全土で事業を行っている配電業者のEleringとパートナーシップを締結し、テストの計画を現在立てています。WePowerは、スタートアップが既存の業界パートナーと協力して、大規模なイノベーションを実施する、完璧なモデルです。。

4.地理 — デジタルテクノロジーにおける多くのケースでは、地理はほとんど問題になりません。しかしながら、エネルギー分野にとっては、地理や国家の発展度はとても重要です。WePowerはヨーロッパの会社です。そのおかげで、2020年目標の一環として、EU全体で起こっているメジャーエネルギーのデジタル化イニシアチブに参加すると言う、ユニークな機会を得ています。この目標によって、全てのEU諸国はスマートメーターシステムの全国展開を2020年までに実施する必要があります。この流れに乗ることで、インフラの開発が完了したら、WePowerはグリーンエネルギーへのファイナンス以外にもサービスを広げることができます。

5.ブロックチェーンアプリケーション — エネルギー分野におけるデジタル技術の導入が進んでいない現状から考えると、提案されているブロックチェーンのユースケースの多くは、時代を先取りしすぎで、提案された価値を提供する前に電力インフラのデジタル化への莫大な投資が必要となります。WePowerがブロックチェーンを電力購入契約や透明性のある電力生産会計などの最も理に適っている部分に活用するのは、既存の中央集権型のソリューションに対して大きな効果があるからです。現在の電力市場のシステム上で成功したブロックチェーンアプリケーションを持ち込んだ会社が、電力インフラが完全にデジタル化されたら、さらに高度なアプリケーションを立ち上げることができる、ベストポジションについていると信じています。

6.トークンモデル — 最後に、ブロックチェーンテクノロジーとトークン化によるもっとも強力な魅力は、新しく動機づけられた経済を作ることができることなのを忘れるべきでないです。多くのブロックチェーンプロジェクトでは、トークンを利用することで、プロジェクトのエコシステムへのアクセス を提供したり、支援者に利益を配分したりします。WePowerでは、直接エネルギーエコシステムに利用してもらえて、グリーンエネルギーの採用を促進する正しいインセンティブを提供する モデルを開発するために日夜取り組んでいます。 WePowerトークンのエコノミーは、エネルギー業界の利害関係者にとって、資金調達と投資手段となります。さらに、プラットフォームの規模が大きくなって、参加者が増えることで、電力オークションへの優先権が与えられます。WePowerトークンはグリーンエネルギーが価値のある資産になるチャンスを創り出します。

私たちは最近プレセールを実施しました。ホワイトペーパーはここから

WePowerのミッションはなぜ重要なのか?

長い間、電力業界には変革が起きていませんでした。しかし、近年のデジタルテクノロジーの進歩とそれらの発電所と供給への統合が、イノベーションの新しい波を引き起こしました。業界の専門家以外にとっては、エネルギー分野の複雑な現実は理解しにくいため、結果として基本的な原則が考慮されていなかったり、間違って認識されたりしています。

この簡単なレビューで、私たちはブロックチェーンとトークン化でイノベーションを起こそうとしている他社の概要の説明とWePowerの位置づけを明確にする特徴を説明することが目標です。この記事を通して、とても大切なエネルギーシステㇺの転換を実現するために何が必要なのかについての幅広い議論を引き起こすことができればいいなと思っています。

WePowerのICOは 新しいステージに移ろうとしています。

登録とウェレットアドレスのホワイトリストは2018年2月1日まで可能です。興味を持って頂けたら、トークンセールへの参加を逃さないようにこのページから登録をして下さい。

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