行動の印象操作
何でも正直に行動していれば良いというわけではない.
昔,私が学生のころは,指導教員に結構ちまちまと小言を言われていた.その時期は私も論文を抱えており,精神的に参っている時期であった.そんなときに指導教員からの小言は,私の精神を追い詰めていた.結局,その時は,なんとか論文を書き上げて,精神的に潰れることはなかった.
最近,その時の指導教員と話をする機会があったが,少し話す内容を変えていた.私の立場が変わったこともあるかもしれない.しかし,ちまちま小言を言った後に,「心配性だから色々言ってしまう」などと言うようになっていた.これは少しの変化である.しかし,これだけで,学生は指導教員にネガティブなイメージを持ちにくくなると感じた.指摘をするだけではなく,その理由,心境,将来的な見通しなどを明確に学生に与えているのだ.
このように,付帯する情報を与えておくと,学生は,その話題についてラベルをつけて考えることができるのではないかと思った.強い口調で指導を受けると怒られているように感じる.しかし,強い口調であっても,指導の前後のどちらかで,その指導が持つ意味を明確に言葉で伝えることで,学生としては,受け止めかたが分かるようになってくる.
論文と同じとは言わないが,コミュニケーションにも分かりやすさが必要な時代だと思う.こういった変化に応じて指導の仕方を変えられるかというのは,指導者としての質が求められる点だと思う.