「ネット絵史」を読んだ

naoji.taniguchi
Nov 4 · 4 min read

タイトルの絵史はもちろん造語で「絵師」(えし)と歴史の史を組合わせたもの。

先日行った女子美術大学の学祭で、三年生の学生の作品が展示をされていて、僕が教えているゲームコースの学生の作品も展示をされているのだが、その反対側にはイラストコースの展示もあって、イラストコースはパネルの展示と、Live2Dで人物のイラストがぬるっと動くlive2D独特の感じの映像(だと思うけど)展示が大型のモニターであった。

その中でも三人ぐらいは普通にプロとして仕事できるんじゃないかなと思うぐらいのクオリティのイラストもあって、どれもほとんどが女の子を描いていて、まあ色々とネットのイラストのカルチャーにどっぷりハマってるんだろうなーと思ったりした後で見つけたので借りてみた。

まずは、イラストレーターのインタビューを読んで、少し驚いた。基本この本のテーマである「イラスト」は美少女のイラストで、自分が女子ばっかりの美大で教えているというバイアスもあって、インタビューを受けている人気イラストレーターの人たちが、元々技術者だったり、自分の絵が上達する方法や、自分だけの手法をエンジニアリングで考えていて、むしろ美少女イラストの世界はバリバリの理系なんではと思った。

人気イラストレーターのインタビューの他にもインターネットのイラスト業界の歴史が書いてあって、そういえばかわいいキャラが出てくるシューティングゲームを作っている学生が東方みたいなのって言ってたなあ、その時は東方Projectの事は知らなかったので「なるほどねー」みたいな感じで受け答えをしてた。そして今東方Projectのゲームで画像検索をしてみると、弾幕の感じとか割とそのまんまで、キャラとストーリーはオリジナルというオマージュ作品をUnityで作っているという事が分かった。

多分こういうのは東方Projectのファンにはウケたりするのか、それとも既に美少女+弾幕シューティングという東方Projectのフォーマットができてて、同人ゲーム的なのがあったりするのか?せっかくならその学生がそう言った東方Projectインスパイアな美少女+弾幕シューティングのフォーマットを作ってそれにフォロワーが出来ると面白いなーと思っている。

その他には、ネットのイラストには欠かせないpixivや、女子美術大学の学生が愛用しているClip Studioを開発、販売をしているセルシスのインタビューもあった。

僕は女子美術大学ではUnityぐらいしか教えられないので、Clip Studioは触った事は無いんだけど、学生を見ると、タブレット派、液タブ派、そしてiPad pro + Apple Pencil派の3つの流派がある。

iPad版のClip StudioはほとんどMac版と機能が変わらないそうで、iPadで描いて、Air DropでMacに転送というワークフローだそうだ。

ちなみに、セルシスは元々アニメーション制作の為のソフトを作っていて、「セル」「システム」なのでセルシスという名前だそうだ。

これまた女子美術大学の学生の話だけど、twitterのアカウントは7つ作っててそれぞれのアカウントで違う作風、ターゲットの絵を投稿しているそうだ。なんか凄いなあと思っていたら、絵師の世界では、twitterは絵師としてのブランディングの場所なので、その為のアカウントでは余計な日常のつぶやきはしないで、きれいに絵だけが並ぶようにしているのはむしろ普通の事なんだなというのも分かった。

中国や韓国のイラストレーターや制作会社の台頭、VTuberで広がったリアルタイム3D、AIにより彩色でそれなりに色がつけられたりと、新しい要素もガンガン入ってきているので、またイラスト業界も変化して行くんだろうなーと思った。

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