「心臓の科学史」を読んだ。

Beyond Human に続いてロブ・ダン先生の心臓の科学史を読んだ。
心臓に関する数々の治療や研究の歴史から進化論までつなげて行くストーリー構成はさすが。ドキュメンタリーをベースに自分の思考を織り込んでいくのが自然に構成されている。
ざっくりと内容のメモ
古代ローマの心臓の研究から始まり、レオナルドダヴィンチの心臓の解剖による研究では川の流れと血液の流れの相関を見つけて医学と流体力学の融合、心臓移植の歴史(チンパンジーの心臓を人間に移植する例を含む)
自らで心臓にカテーテルを通して造影剤を注入して、X線で撮影をして世界で初めて心臓の撮影をしてノーベル賞を受賞した医師、彼はカテーテルが刺さったまま自分で階段を歩いてX線の撮影装置まで行ったそうで、あとがきには最も頭を使わずにノーベル賞を取った男とも言われているそうだが、気合いでノーベル賞を取る人が居てもいいと思う。
心臓の手術時間を確保するためから始まった人工心臓、そして人工心臓を動かし続ける為に行われていた原子力による駆動方式、血中のプラークの生成のメカニズム、コレステロール値を下げる菌類の研究の基礎を作った日本人研究者、子供の心臓の障害の治療を確立した後に障害のパターンを探して鳥の心臓の研究をした医師、魚類、爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類と恒温に生物が進化する際の心臓の変化。
都市論の数値モデルから心臓のモデル化を試みる研究者、そしてほとんどの動物では心臓の心拍数は10億回で体の小さい動物は心臓が早く動いていて寿命が短い、クジラなどの大きな動物は心臓がゆっくり動いていて寿命が長い。そして人間の場合はアメリカの平均寿命だと25億回拍動をしている計算になる。それは公衆衛生や医療のおかげ。生物として考えると15億回はボーナスという事になる。
心臓のモデルのVRアプリを作ってみたが、本物の心臓は形が複雑で高校の時に習った図式化された形とはだいぶ違うし、そこには書かれていなかったパーツなんかもかなりある。心臓の左心室と右心室なんかも右と左と言うよりも前後という感じだし、心室と心房も明確な区切りがあるというよりも連続した管の境目に弁があるという感じ。書いてて思ったけど、心臓は一つの管から進化したってのが実感できた。
それぞれの臓器の関係性を知るには血液の流れを知る必要があるなーと思ってた所で”Beyond Human”を書いたロブ・ダンが書いた心臓の本を見つけたので図書館で借りてみた次第。
