Incubate Fund Indiaとして、インドで投資活動をはじめます。

※ブログをMediumに移すため、過去記事の転載です。当記事は、2016年5月15日にブログに上げたものです。

Incubate Fund Indiaとして、インドでシード投資を開始します。

まずは、3.1億円の小さなファンドで、一年間で10–15社程度への投資を目指します。

これから、このブログではインドでの投資活動において感じた事などについて、発信していきたいと思います。

IF Indiaの投資アプローチとしては、以下の点を意識していこうと考えています。

1)起業家に誰よりも寄り添う投資家でいること

当たり前と言えば当たり前なのですが、ここ2週間程多くの起業家と話していて、「この点は結構響くんだな」というのを感じています。

インドのシードVCと話していても、定期的なミーティングを投資先と持っているというところは意外と少ない印象で、「何かあったら連絡して、そしたら話し聞くよ」という姿勢のところが多い気がしています。

これは、インドが広大な土地であり、スタートアップシーンでみても主要都市がバンガロール、デリー/グルガオン、ムンバイ、ハイデラバード、チェンナイなど複数都市に分かれている事からも、しょうがない部分ではあります。

一方で自分は、(当面は)一人でのオペレーションですので、バンガロールに常駐して、原則バンガロールとその周辺都市のスタートアップにのみ投資していく方針でいます。

起業家、特にシード投資を受ける様な初期の起業家は、それが初めての起業の場合は新たなチャレンジの連続であり、右も左もわからずに結構孤独だったりします。

そこに対して、最大限寄り添い、「定例のミーティングも持つし、24/7でいつでも会うよ!パートナーとして、一緒に成長しようよ!」というスタンスで臨みたいと思っています。

2)データドリブンなアプローチを徹底すること

インドのスタートアップは、大きなマーケットが目の前に広がっていることからも、比較的大きく一気に面を取りにいく成長戦略を取りがちです。

それはそれで正しいことも多いのですが、一方でしっかりとUnit Economicsを考え、マトリックスをコントロールし、ROIを強く意識して行くという姿勢が弱い企業も多いな、と感じています。

この辺りは日本のベンチャーの方が徹底してやれている感覚があるため、そのノウハウや経験値をしっかりと伝える事で、インドのスタートアップのバリューアップを図れればいいなと思っています。

昨日も某VCのパートナーと会話していたのですが、「起業家が先走りたくなるのはある意味でしょうがない部分はある。一方で、そこに対して常に周りから“Unit Economics!” “Matrix Control!!” “ROI!!!”と言い続けてあげる人間がいないといけない。インドは投資家は多いけど、こういったことを言い続けてあげられる人は本当に少ないよ。」とコメントしていました。

そもそもインドは、最小の資源とコストで最大の成果を生み出す「Frugal Inovation」の聖地。だったらやっぱり、”Be Frugal”を徹底していこうよと。

ここでは、日本では「当たり前」なことを「当たり前」に伝えていく事で、結構意味があると思っているので、意識していきたいと思っています。

3)アジアのベストプラクティスハブを目指すこと

幸運な事に、Incubate Fund Indiaには力強い仲間がいます。

母体であるIncubate Fundは日本で最も成功しているシードVCの一つですし、姉妹ファンドのKK Fundは東南アジアで非常に強いプレゼンスを築いています。

これらの仲間とインドのスタートアップを繋ぐ事で、お互いに学び合える事は多いと思っています。

日本、東南アジア、インドの三局をシームレスに結びつけていく事で、「アジアのベストプラクティスハブ」であることを目指したいと思っています。

4)バーティカルよりもビジネス構造

一昔前のFood Techや昨年のHyper Localなどの様に、ホットなバーティカルと言うのはこれからも毎年の様に出てくると思います。一方で、そういったバーティカルにはお金が集まりやすく、ビジネス構造を無視してバリュエーションが不当に高くなっているケースも散見されます。

個人的には、そういったホットなバーティカルは当然意識はしつつも、それに振り回される事なく、ビジネス構造として大きく成長出来るかどうかをしっかりと見て投資判断をしていきたいと思っています。

BtoBのプロダクトならば、「コストメリットをもってグローバルに展開出来るのか?それが実現出来るチームなのか?」、BtoCやBtoBtoCの場合は「既存の業界構造にデメリットが多く、それを一気にリプレースできるモデルなのか?」「新しくマーケットを創るのではなく、既に存在している満たされないニーズを満たしにいくモデルなのか?」などなど。

基本的にインドはカオスであり、社会構造的にいろいろな問題点があります。

ですので、+αの付加価値をつけていく「ポジティブ付加型」のビジネスより、マイナス点をゼロに近づけていく「ネガティブ解消型」のビジネスの方が一気に伸びるし、成功が読みやすいと思っています。

5)適正なバリュエーションの意識

これも当たり前なのですが、「しっかりと、適正なバリュエーションで投資する」と言う事を常に頭の中に置いておきたいと思っています。

どんなに良い会社であっても、原則として自分たちの考える適正なバリュエーションレンジを外れている時は一旦冷静になる。そして、場合によっては勇気をもって見送る。

それは、もしかしたら将来のユニコーンを逃す事になるかもしれませんが、それはしょうがないと考えて、ディシプリンを持って投資していきたいと思っています。

インドは毎年4000社以上がスタートアップしている国ですし、投資候補先を見つける事自体はそんなに難しくはないと思っています。「その中でいかに筋のいい会社を選別し」、「そこに適正なバリュエーションで投資出来るか」が成功の鍵だと考えています。

上記の点に加えて、いかに良い投資家とCo-Investmentしていくか?なども意識しています。

とにかく新参者として活動を開始しますので、まずは最初の2−3社へしっかりと投資実行し、「お、Incubate Fund Indiaってちゃんと考えて、いい所に投資しているじゃん!」とインドの投資家&起業家に思ってもらえるよう、頑張りたいと思っています!