初心者がインタビューでユーザを理解するために大切な3つのこと

※この記事はUX TOKYO ADVENT 2014 12月23日分のエントリです。

こんにちは。naoya.otaniです。
今年の4月から、UXコンサルティング企業で働き始めました。
よろしくお願いします。

今回は、仕事を通じて学んだ「個々のユーザに対してデプスインタビューを行うときのポイント」について書きます。
既にインタビュー経験が豊富な方にとっては、基本中の基本になってしまうかもしれませんが、インタビューをやり慣れていない方は、このポイントを意識することで、インタビューが形になってくると思います。
あくまで個人的な感覚に基づいた話ですが、参考にしてみてください。

●「聞きたいことを聞く」だけではいけない

インタビューは、定量データからは読み取れない、個々のユーザのニーズや心理を理解することに適した手法です。
最近はオンラインでインタビューができるサービスも増えていますが、
可能であれば実際にユーザを呼んだ方が、よりリアルな利用状況を見ることができると思います。

デプスインタビューは実際にユーザと対面して行う形式で、大まかには以下のような流れで行われます。

・ユーザに事前アンケートに回答してもらう
・事前アンケートの答えについて深掘り、ユーザの背景を理解する
・実際にウェブサイトを使う状況を設定し、サイトをどのように利用するか見る
・利用後にインタビューを行い、ユーザがどのようなことを考えていたのか深掘る
・時間があれば、競合のサイトやプロトタイプも利用してもらう

ただ、単に聞きたいことを聞くだけでは、ユーザを理解することはできません。
ここではインタビューをやり慣れていない方が、ユーザに向き合うときに意識すべき重要な点を3つ挙げていきます。

●理由を聞くのではなく、事実を聞く

インタビューの大きな目的は、ユーザの行動の奥に隠されたニーズや心理を知ることなのですが、それを直接ユーザに聞いても案外答えられません。
一挙手一投足の理由を全て考えながら行動しているユーザはいませんし、ニーズは自分の主観的な感覚や感情に紐付いていることが多いため、言葉で説明することが非常に難しいです。

行動の理由を知ろうとして、「今、どうしてこのリンクをクリックしたんですか?」「このページを見たとき、何を考えていましたか?」という質問を連発してしまう方がいますが、このような質問にはうまく答えることができません。
ユーザは単に興味本位でクリックしただけで、深く考えていないことが多いからです。
その背景に隠れた好みやニーズがあるのかもしれませんが、自分では意識できません。

ユーザの行動の背景を知るためには、直接「なぜ」と聞くのではなく、その周辺の事実から取っていくことが有効です。
例えばユーザにあるサービスのサイトを見せる場合、合わせて以下のような情報を聞いておくと、ユーザの行動を理解しやすくなります。

・これまでに申し込んだことのある競合サービスは何か
・その競合サービスを申し込んだ決め手は何か
・今回改めて別のサービスを申し込もうとしているきっかけは何か
・今検討している別のサービスと比べてどうか

サイトを見せる前の段階で、ユーザのプロフィールを確認するときに合わせて聞いておくと楽です。

●ユーザの評価の根拠を確かめる

評価や意見などを聞く必要がある時も、ユーザと聞き手との間で認識のズレが起こらないようにする必要があります。
「良いと思います」「気に入らない」などのあいまいな言葉を聞いたら、具体的にどう思っているのかを掘り下げると良いです。
以下のような質問をすると分かりやすくなります。

・今まで見てきた中で、どの情報が最も印象に残ったか
・このサービスは、どのような人が使うものだと思うか
・自分の友人にこのサービスのことを話すとして、どう説明するか
・友人にこのサービスを勧めたいかどうかを、10点満点で測ると何点になるか

特に、近い関係の他人が使うことを想定した説明をしてもらうと、いい加減な答えが減ります。

●インタビューと実際との行動の差を確かめる

インタビュー中のユーザを、普段と全く同じ心理状態にさせることは困難です。
慣れない場所で、知らない人間(聞き手)と共に1時間ほど過ごし、そのうえ自分のサイトの利用状況を間近で観察されるというのは、日常とは程遠い体験です。
特にユーザが緊張しやすい方の場合、聞き手の望む形の「正しい」行動を取ろうとして、実際とはかけ離れた反応をすることもあります。

そのため、調査中の行動が実際の状況でも起こるのかどうかを、以下のようなことを聞いて確認する必要があります。
特に、ユーザがサイトを絶賛している場合は注意が必要です。

・普段も今回のインタビューと同じくらい、長時間にわたってサイトを見るのか
・普段使っているときも、今回のようにあっさり申し込んでしまうのか
・今後どのように検討を進めていくか

さらに、予め「『普段ならここでサイトを見るのをやめる』と思ったら自由にやめて構わない」とユーザに念を押しておく必要があります。
それをしない場合、ユーザが聞き手を満足させるために、全てのコンテンツを無理をして見続けてしまう可能性があるためです。

●最後に:自分がインタビューを受けてみる

インタビューされるということは、聞き手が想像する以上に緊張します。
もし余裕があるなら、ユーザとしてインタビューを受けてみると、ユーザがどのような気持ちでインタビューに望んでいるのかわかります。

同僚や先輩がインタビューを計画しているときは、ユーザ役として練習に協力するのも良いと思います。

インタビューは性格やコミュニケーション力に依るところが大きいように思われがちですが、方法論を身につけていけば誰でも一定の価値を出せるようになると思います。
共に精進していきましょう。

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