Naoyuki Inaba
2 min readDec 25, 2015

クリスマスに観たいバム映画3本

傷だらけのバムの賛美歌
『レスラー』(2008)

予告編

プロレスラーの主人公ランディは、敵役のレスラーにどれだけ痛めつけられても、バムの底辺生活でどれだけ屈辱を味わっても、リングにはい上がる。ファンの声援に応えるときがランディにとって至福の瞬間だからだ。大歓声をバックに死の恐れをもろともせずフィニッシュの技の構えをとるランディは、十字架を背負ったキリストの姿でもある。

ファンの歓声とは縁のないスキーバムの生き様だが、歓喜の一瞬のためだけに生きているのはランディと同じ。もっとも、スキーバムはパンのみに生きるにあらずのダメな最上例だけど。

前世紀スキーバムの青春
『ASPEN EXTREME』(1993)

予告

Skiing is easy part, Carl.

世の中にはスキーなんかよりも大事なものがたくさんある。当たり前のことだけど、山の中では気づかない。知ろうともしない。失ってから気づくこともある。雪上版『トップガン』と的外れなコピーがつけらたこともある前世紀の青春映画だが、メッセージはいまでも通じる。

クリスマスパーティーからのお色気展開は、お約束シーンながらスキーバム憧れのひとつ。

迫力ある氷瀑のスキーチェイスはじめ数々のスキーシーンは、スコット・シュミットやダグ・クームスらがスタントした。

ちなみに、主人公のボンクラ相棒を演じたピーター・バーグは、今ではハリウッドのボンクラ大作を任される監督になり、傑作『ローン・サバイバー』を撮るにいたる。スキーバム界の出世頭である。

現在上映中の超バム大作
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

自分の好き勝手に生きるバムは誰しも大きなつけを払わねばならない。ネタバレを避けるために詳細は省くが、本作は、親としての責任を棄てたあるバムの人生の落し前を描いた物語でもある。

はるか昔の遠い銀河のお話なので、当然クリスマスのシーンはない。よって、ひとり聖夜の寂しさを意識させられることはない(はず)。May Powder be with you.