コミュニティコール概要
- スピーカー:Milan (Doorman), Taka(Mailboy), neko(Mailboy), Kevin Li(CyberConnectチーム)
- 実施日時:2022/7/28 21:00
- 会場:CyberConnectディスコード
1. サイバーコネクトの説明
6月にKudasaiJPにてサイバーコネクトとのAMAを実施しており、本イベントでは、主に公式の情報やこのAMAの内容を元に解説を行っています。
AMAのまとめ記事は以下の通りです。
1.1 サイバーコネクトとは何か?
サイバーコネクトは、dAppsがネットワーク効果を起動し、パーソナライズされたソーシャル体験を構築するのを支援する分散型ソーシャルグラフプロトコルです。
サイバーコネクトプロトコルは、開発者がEthereumとSolana上で分散型ソーシャルグラフを作成し、アクセスし、簡単に構築できるように設計されています。
簡単にいうと、web3ソーシャルにおいて重要な「ソーシャルグラフ」に関するプロトコル(取り決め)を提供し、誰でも使えるようにする、といったものです。
1.2 ソーシャルグラフとは何か?なぜ重要なのか?
ソーシャルグラフはサイバーコネクトを理解する上で非常に重要な概念ですが、あまり知らないという人もいるかもしれません(筆者もサイバーコネクトを知るまで、この単語を知りませんでした)ので簡単に解説します。
以下はnekoが書いた記事で、ライティングコンテストで入賞したものとなりますので、個人的な見解が多分に含まれますが、そこまで大きく間違っているわけではないと思われます。
簡単に内容を説明していきます。
1.2.1 ソーシャルグラフとは
まず、ソーシャルグラフとは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などの「ウェブ上の人々の相関関係」のことです。もう少し簡単にいうと、自分がフォローしている人、フォローされている人の情報と言ってもいいと思います。
サイバーコネクトを使ったことがある方ならご存知だと思いますが、サイバーコネクトのソーシャルグラフプロトコルを使ったアプリケーションでは、どこへ行っても同じようにフォローやフォロワーが表示されます。
たとえば・・・
Project Galaxy(https://galaxy.eco/)
Light (https://light.so/)
Project galaxyとlightは別々のアプリですが、まったく同じフォロー・フォロワー情報が表示されています。
1.2.2 Web3におけるソーシャルグラフの重要性
Web3においてこの「ソーシャルグラフをどこでも持っていける」というのがどう重要なのかを解説します。
①ユーザーをSNSのプラットフォームから解放する
Web2で例えると、Twitter、Instagram、tiktokを同じ人が利用していても、それぞれのプラットフォームでフォローやフォロワーの数は確実に違います。
もしこれらがサイバーコネクトを利用していれば、これらのアプリケーションで表示されるフォロワー数やフォロー数は全て同じになっていたはずです。(残念ながら、これらのアプリケーションはサイバーコネクトを使用していません)。
現在のプラットフォーム依存のWeb2環境では、ユーザーの満足度はプラットフォームの動向に左右されます。そのため、プラットフォームの判断次第でユーザーが離脱したり、より良いプラットフォームに移行することはよくあることです。
このような場合、あるプラットフォームで構築したソーシャルグラフを別のプラットフォームに丸ごと持ち込むことができれば、便利ですね。
つまり、サイバーコネクトはそういったプラットフォームへの依存から解放してくれるものだということです。
②web3アイデンティティの確立
自分のソーシャルグラフがプラットフォームに関係なく維持されるということは、「アイデンティティの証明」になります。
現在のweb2環境では、TwitterのアリスさんとInstagramのアリスさんは、中身が同じ人物であっても、別のアカウントになっています。サイバーコネクトを使えば、Twitterのアリスさんとインスタのアリスさんは完全に同じアカウントになるのです。(もちろんウォレットが同じであれば!)。
web3アイデンティティについては、Ethereum の生みの親vitalikが、「soulbound tokens(SBT)」という概念を最近提示しました。
Web3アイデンティティは今後のクリプト全体における主要なテーマの一つになることが考えられます。
サイバーコネクトによるソーシャルグラフのプラットフォームからの解放は、Web3アイデンティティの確立に一躍買ってくれる可能性がありますね。
1.3 サイバーコネクトのチーム
サイバーコネクトの創業者はこちらの通りです。
https://link3.to/cyberconnectから、それぞれのチームメンバーのツイッターページに飛ぶことができます。
少しピックアップして紹介すると、CTOのライアンさん(上記のwearhiring.eth)は、グーグル、インスタグラムで過去にエンジニアをやっていて、dliveというブロックチェーン版ライブストリームサービスを創業して、それをすでに売却していたりという経歴を持っているとのことです。dliveに関しては他の創業メンバーの方も一緒に運営をしていたようです。また、ライアンさんのlink3を見てみると、project galaxyなどにエンジェル投資家として参加していることがわかります。
サイバーコネクトのチームはフルタイムで約25名、パートタイムを含めると約30名で構成されていて、技術部、製品部、コミュニティ部、事業開発部、広報・コンテンツ部で構成されるチームとのことです。
1.4 サイバーコネクトの支援者
バッカーとしては、以下のようなベンチャーキャピタルからの資金調達を発表しています。
シードラウンドではmulticoin capital、続くシリーズAラウンドではanimoca brandsがリードインベスターとなっていて、合計で25Mドルを調達しています。
知らない方もいるかもしれないので補足しますと、multicoinはsolanaのリードインベスターをしていたり、solanaの主要プロトコルにかなり多くの出資をしている大手のベンチャーキャピタルです。取引所FTXにも出資しています。
Animocaはおもにデジタルエンターテインメント、ゲーミフィケーションに多く投資をしているベンチャーキャピタルです。sand boxの親会社でもあります。Axie Infinity、OpenSea、Dapper Labsなどにも投資をしています。
資金調達に関する公開記事は以下の通りです。
1.5 パートナー、採用例
以下ツイートにもある通り、さまざまなプロジェクトと提携をしており、さらに、サイバーコネクトプロトコルを使って構築されたプロジェクトが多くあります。
1.6 競合について
Web3ソーシャル関係のプロジェクトはいくつかあり、特に有名なのはAAVEチームが運営するLensプロトコルが挙げられるかもしれません。これは、関係をNFTとして保存し、Polygonに限定しています。
一方サイバーコネクトはceramicやIPFS、arweaveでデータを保存しているので、チェーンにとらわれないことから、ユースケースはかなり異なっているのです。
補足:ceramicについて
ここでceramicという単語が出てきたので、簡単に紹介します。
CeramicはコンポーザブルデータでWeb3アプリケーションを構築するための分散型データネットワークです。簡単にいうと、オンチェーン・オフチェーンのデータをうまく活用するためのインフラです。
この絵でいうと、サイバーコネクトはいろんなオフチェーンおよびオンチェーンデータからデータを引っ張ってきているのがわかると思うのですが、そういった部分にceramicの技術を使っているという感じです。
他にもceramicのいろんな技術を使っているのですが技術的な話になってしまうので、詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。
1.7 Wen token?
現段階では、Stay tunedということです。収益メカニズムやトークノミクスについて、トークンが絡むかもしれません。
2. link3とは?
ここまで説明してきたように、サイバーコネクトはさまざまなプロジェクトにソーシャルグラフプロトコルを提供するインフラプロジェクトですが、サイバーコネクト自身でも、さまざまなプロダクトを作っています。
最近、link3というプロダクトがリリースされ、招待制での運用が始まっています。今回のコミュニティコールのリワードによって、早期アクセスをすることができます。
2.1 link3について
Link3に関しては、以下の記事に詳細が書かれています。
Link3はWeb3版のLinkdinのようなものです。Linkdinを知らない人のために簡単に説明すると、Linkdinはビジネス特化型のSNSです。web版の履歴書みたいなサービスだと思っていただければいいかと思います。
Link3は、プロジェクトが情報とリンクを公開するための検証された信頼できる方法で、ユーザーを誤った情報から保護します。全ての情報はCeramic & IPFSを介してオンチェーン上に保存されます。
つまり、情報やリンクはブロックチェーン上に保管されているので、「改ざんなどがされにくく、信頼度が高いプロフィールページ」といってもいいかと思います。
つい最近も、uniswapのフィッシング詐欺のニュースが話題になりましたが、link3の情報を使ってサイトにアクセスすれば、フィッシングに引っかかることはないといったメリットがあり、安全なリンクページというのが一つの特徴といえるでしょう。
もちろんそれだけではありません。以下のような特徴を兼ね備えた、オンチェーンIDの役割を果たします。
- プラットフォームに関係なく、他の人や組織と「コネクション」を持つことができる
- 「 資産情報(NFTやアセット)」を表現できる。
- DAOやプロジェクトなどの第三者によって発行された、あなたの主要な業績や役割に関する「クレデンシャル(資格、経歴)」を示すことができる。
- コミュニティへの参加を証明する投票や寄付など、その他のすべての「チェーン上の活動データ」を示すことができる。
Linkdinはweb2版の履歴書と説明しましたが、link3はweb3の履歴書といっても良いかもしれません。
また、プロジェクト側にとっては、プロジェクトはウォレットアドレスを集めて、リーダーボードを作って報酬を与えたり、エアドロップやトークンゲートイベントなど、イベントを開催することができます。
2.2 Link3の採用状況
Link3のwebサイトを見ていただければわかるのですが、現段階でも、かなり大手のプロジェクトが登録しています。いくつかのプロジェクトのlink3ページを紹介します。
- サイバーコネクト:https://link3.to/cyberconnect
- Project Galaxy:https://link3.to/gal
- コインマーケットキャップ:https://link3.to/coinmarketcap
- BNB Chain:https://link3.to/bnbchain
- バイナンスラボ:https://link3.to/binancelabs
- Zerion:https://link3.to/zerion
- Snapshot:https://link3.to/snapshot
- KudasaiJP:https://link3.to/kudasaijp
coinmarketcap、bnb chain、snapshot、zerionなどがすでにサインアップしている
ユニスワップやpancakeswap、cexなどフィッシング被害にあっているユーザーが多いプロジェクトの採用が特に進んでほしい。
(個人的な願望)コインマーケットキャップはバイナンスが投資しており、bnbチェーンも採用を進めている。そこで、バイナンスなどがlink3を使ってくれれば、業界中に広まるのでぜひやってほしい。これはサイバーコネクトの成功のためというよりはクリプトスペース全体のためになると思う。
2.3 Link3アーリーアクセスパスをもらうには
現段階ではLink3の登録をするために、以下のような条件を満たす必要があります。
- 認証済みプロジェクトと提携
- top100KOL(https://twitterscan.com/view/trending/kol…)からフォローされる
- cyberconnectコントリビューターである
- waitlist(https://cyberconnect.typeform.com/to/zvkcmwYN)に登録する
- コミュニティコールの抽選
詳しくは、こちらをご覧ください。
また、アーリーアクセスパスを受け取った方は、以下ツイートの通り、「Mystery Box」を早期に受け取れるキャンペーンがあります。
3. コミュニティ質問
コミュニティコールの参加者からの質問を受け付け、チームのKevin Li氏にいくつか回答していただきましたので紹介します。
Q: 個人向けのlink3は6月末に開始予定だよと言われて待ち望んでいたのですが、どのようなところに苦労されていたのでしょうか?
多くの機能を持った良いプロダクトを届けたいです。私たちはあらゆる準備を進めていました。Link3はまさにそのスタート地点です。
Q: cyber connect はプロトコル収益をどのように得ますか?
トークンをローンチする際には、プロトコルのトークノミクスシステムが用意される予定です。
Q: ミステリーボックスについて ホワイトリストを受け取った人はLink3のプロフィールを登録できるそうですが、 Link3のMystery Boxは今回だけなのでしょうか? また、今後一般の人がMystery Boxを入手するにはどうすればよいのでしょうか。
今後もミステリーボックスキャンペーンを開催予定です。
Q: 他のソーシャルグラフプロジェクトとの違いは何ですか? 例 Relation Oneなど
私たちは本当に強力なエコシステムを持っています。そして私たちのインフラは本当にパワフルで使いやすいのです。
Q: link3を多くの人に利用してもらう必要がありますが、 マーケティング戦略を教えてください。
まずは業界関係者やKOLに使ってもらう予定です。そしてここにいる皆さんのようなコミュニティーのメンバーです。Link3のユースケースはこれからたくさん出てくるでしょう。ご期待ください!
Q: 今後どれくらいのペースで紹介コードが提供される予定ですか?
ウィークリーで行ってく予定。クイズなどのキャンペーンやイベントも開催予定です。お知らせをチェックしてください!
Q: YouTubeブロガーは組織link3を持つことができますか?
Link3をトライしてくれるのは大歓迎です。
Q: 日本は好きですか?また好きな食べ物は?
はい!私は日本に行ったことがあります。食べることが大好きなんです。日本に来てから、刺身が好きになりました。
Q: こんにちは! 暗号資産で3.3kのフォロワーを持つ組織がある場合、Cyberconnectと協力することはできますか?
もちろん!
Q: 既存のWeb2 SNSプラットフォームユーザを取り込む作戦はありますか?
Link3は、Web2とWeb3の情報を統合する方法だと考えています。Link3では、Web2の情報をパーソナライズして追加することができます。今後、ユーザーの要望に応じてより多くの機能を追加していく予定です。
Q: Link3の利用は将来誰でもできるようになるのでしょうか。
もちろん、全ての人のためのものとします。
Q: 以前行われたトレジャーハンターのイベントがとても楽しかったので、また開催してもらえませんか?
私たちはトレジャーハントも大好きです。私たちのチャンネルを頻繁にチェックしてください、いつ来るかわかりません。
Q: Link3は基本的には名前を登録してやる感じなんですか?
そうですね、1つのプロフィールに検証可能なすべての情報を含めたいと思います。名前やTwitterアカウントだけではありません。どんなイベントに参加したのか、何回取引したのか、といったオンチェーン情報などもです。