オンライン会議疲れに陥らない5つの秘策

嘉村賢州
11 min readApr 25, 2020

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Photo by Victoria Heath on Unsplash

ここ数か月のコロナ禍の影響で私たちの生活は今、一変しようとしています。当然、悲しいこともいっぱいありますが、同時に新しいチャンスもいっぱい転がっていると感じる今日この頃です。そのチャンスの一つとしてあげられるのが在宅をはじめとした新しい働き方や各種オンラインツールの普及でしょう。多分今までZOOMなどのオンライン会議を敬遠していた人も、意外といけるじゃんと思った人も多いのではないかと思います。しかし、残念なことにそれらの変化の勢いが急だったために起こっている悲しいことがあります。そう、オンラインミーティング三昧の日々です。そうなってくると、「いけるかも!」と好意的に思ってたものが「やっぱりだめだよね」という結果に陥ってしまう。それは非常にもったいないということで、オンライン会議疲れに陥らない5つの秘策を考案・整理しましたので是非活用してください。またこの記事をきっかけに「こんなやり方もあるよ」とか、「こんな工夫もできるかも」というものがあれば是非コメントを寄せていただければ幸いです。随時この記事をアップデートしていこうと思います。

※5月3日 ボディーワーク系のリンクを二つ追加

そもそもなぜ疲れるのか?

もちろん一日3回も4回もオンラインミーティングが続けば疲れるのは当然というのもあると思いますが、もう少し疲れる理由を分析していきたいと思います。そこには身体的負担と精神的な負担が幾層にも重なっていることに気づきます。そこを押さえていくと、いろんな改革アイディアが発想できるのではないかと思います。

①身体的負担(目の負担、身体の固定、首の固定)

もうこれは当たり前のことですが、画面を見続けることはとても目に負担を与える行為だと思います。しかも、普通のリアルな会議だと例えばロの字会議の場面でも会場にはたくさんの人が広く並んでいます。そうすると意見を言うときにいろんな人の顔を見ますから、自然に首をひねるという動作が発生します。しかし、実際ビデオ会議では便利なことに全員の顔が一つの画面に表示されておりますから、まっすぐ前を見ていればよく、そこに向かって話をすればよいのです。しかし、集中してしまうと数時間ただ前方を見つめるだけという事になってしまいます。当然座りっぱなしなどの身体の固定も負担の一つですが、このひねりの無さっていうのはかなり大きな身体的な疲労につながっていると思います。

②精神的疲労(集中し続けないといけない、リズムがない、反応がない)

リアルな会議では割と気軽に参加でき、適度に力を抜くことができます。しかし、少々顔が写り続ける、バーチャル環境ではすこし逃げ場がないように感じます。また、ホワイトボードがないことによりちょっと意識を話すと流れについていけなくなりますし、どうしてもビデオ会議は一人ひとりが順番に話す形になりやすく、リズムが悪くなります。話し手にとってはリアルに比べて反応が見えにくいので、ちゃんと内容が届いているのか不安になったりもするでしょう。そういった精神的ストレスがじりじりと疲労につながっている気がします。

疲れを生まない5つの秘策

こういった疲れる理由を押さえながら今から、5つの解決策を紹介したいと思います。

Photo by Neil Thomas on Unsplash

①チルモード(チルアウトモード)

これは最近私がひらめき、facebookに下記のようなメッセージを投げかけたところから始まりました。

すごくこの投稿が反響があり、名前アイディアを含め150を超えるコメントが集まりました。最終的に「落ち着く」「ゆっくりする」「まったりする」「のんびりする」などの意味があるチルアウトという言葉を使って「チルモード」と名付けました。

特にzoomのブレークアウトセッションのようなときに、一度は顔を合わせた方が良いとは思いますが、その後、みんなでチルモードに移行しようと宣言して、お互いに画面を消します。そしてあとは寝転んでも、散歩しながらでも自由に参加すればよいのです。勝手にやってもあまり効果がありません、それはどこかでうしろめたさを感じてしまうからです。一緒にチルモードに突入することがポイントです。やっていただいたらわかりますが、見事に緊張感が和らぎリラックスして話せます。このモードのお陰で創造的なアイディアが生まれた回もすでに複数経験しています。注意点としてはあまりにリラックスしすぎて寝てしまう場合があるので、心配な方は手元にアラームでも用意して話すのをお勧めします。

②焚火モード

Photo by Lennert De Ryck on Unsplash

チルモードの名前を募集している時に、何名かの人から「焚火モード」という名前案をいただきました。さすがに焚火をしていないのに焚火モードというのもどうかなと思い採用しなかったのですが、でもやっぱり焚火のような空気がいいなと思ったら浮かんできたアイディアです。そのままなのですが焚火の動画を画面共有しながら対話するというものです。これが実は本当に素晴らしくて、これもチルモードと同じようにお互いの動画は消してしまってかまいません、画面全体を焚火動画にした方が臨場感がでます。そして可能だったら部屋も暗くしてしまってください。焚火のバチバチという音の元、とても深い対話ができるようになります。このやり方の問題点はネット回線が弱い人がつなぐと音がガタガタになるということです。もし何か解決策があれば教えてください。

③セッションモード(?)

共有画面に全員からコメントが入れれます。

ちょっとネーミングがまだいまいちですが、なによりオンライン会議で疲れるのがリズムが悪いということと、少し長く話す役目にある時に参加者からの反応が見えないという事にあります。全員マイクをオンにするとノイズが入る危険があります。話し手にのっては相手に音が聞こえているのか、話している内容が的をえているのか、惹きつけているのかをわかる術がありません。その状況が意外に神経をすり減らすのです。よくyoutuberなどの動画をみていると話し手に対して、参加者もコメントを記入したり、「いいね」的な反応を気軽におくることができ、それに応じて話しても会話を臨機応変に変えたりします。しかし、そういった機能がZOOMは弱い。チャット機能もあるのですがあと一歩というところです。これは実は聞き手の方も傍観者になり、それが徐々に退屈になり、でも聞いてないといけないという緊張感から疲れてしまいます。そこで登場がこの「パパパコメント」というアプリです。これは元々、リアルな講演会などで参加者が手元のスマホなどにコメントを書くことでニコニコ動画風に講演会を進めることができるというもの。それをZOOMの画面共有機能を使ってやろうという試みです。これが実に楽しく、そして会議がリズミカルになるのです。例えばある提案をしたときに、「これで良いですか?」と呼びかけてもだいたい音としては無反応か一部の人がジェスチャーで示すとかはありますが、これを使うと一瞬で反応がもらえます。そして意見も口頭だけでなくコメントでもらうと一人ひとり順番ではなく参画することができ、それをメインの話し手やファシリテーターが拾うことで全員参加の場になっていきます。絵文字などを活用すれば華やかで活気のある会議に一気に変貌をとげます。これを使い始めて会議終了時に「楽しかった~」という声をたくさんもらうことができました。

④見える化(イラストメモや議事録の共有)

ホームズビー内の会議にて

ここからは割とすでに実施している人も多いのではないかと思うやり方を二つ紹介していきます。一つは見える化です。どうしても声だけでやると、話の文脈を頭で追い続けないといけないというプレッシャーがやってきます。なので、役割分担しながらでも話の骨子を残しつつ、それを見える化しながら話すとよいと思います。グーグルドキュメントを作ってそれを画面共有してもよいですし、グラフィックレコーディングが得意な人がいればその人に絵をかいてもらいながら画面共有してすすめるのもよいと思います。頭へ行っちゃうエネルギーが少し落ち着くと思います。

⑤身体感覚を大事にする会議をする(瞑想・体を動かす)

Photo by Scott Broome on Unsplash

最後に是非取り入れてもらいたいのが、この項目です。どうしても会議というと話し合いのイメージなどで言葉に頼ってしまいますが、是非身体やこころをしっかり大事にして過ごすとよいと思います。一番シンプルで良いのは会議が始まる前に1分でも2分でも沈黙の時間を取ることです。特に最近はオンライン会議だらけの組織が増えていますので、しっかりと切り替えをすることが重要です。一呼吸ちゃんとついて次に進むとよいと思います。同時に可能ならば途中ストレッチの時間を入れるのもありだと思います。オンラインボディーワークを提供するというボディーワーカーも現れ始めているので、頼ってみるのも一つの手かもしれません。

https://www.facebook.com/yumikokageura.official/

実際にやってみた方の感想やさらなる工夫。新しい方法などあれば是非是非教えてください。

また、オンライン会議以上にいまオンライン研修に悩んでいる組織も多いようですね。そのあたりも近々まとめられたらと思います。ちなみにオンラインABDとかはかなり最強のツールの一つだと思います。

以上、読んでいただきありがとうございました!

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嘉村賢州

場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome’s vi代表理事、東京工業大学リーダーシップ教育院特任准教授、『ティール組織(英治出版)』解説者、一般社団法人アクティブ・ブック・ダイアローグ協会理事、コクリ!プロジェクトディレクター(研究、実証実験)