マーケットプレイスにおいてサプライサイドを伸ばす28の施策・前編【翻訳】

Nina Ehara
24 min readFeb 19, 2020

こんにちは!ANRIの江原ニーナです。

a16zがThe a16z Marketplace 100という記事を出し、注目が集まっていますね!取引高ベースで1位の座に輝いたのはAirbnb。

そんなAirbnbでサプライサイド(ホスト側)のグロースチームを率いていたLenny Richitskys氏が、Airbnbでの経験を基にしたサプライサイドのグロース施策をa16zのAndrew Chen氏のブログにまとめた記事がこちらです。

ここに載っているTipsは、マーケットプレイス事業以外にも応用が効くと思ったので、以下ざっくりまとめてみます。長期的で時間のかかる試作というよりは、今日からでも気軽に始めやすいものが多い印象です。

また、28の施策を全て載せるとかなり長くなってしまったので、前編と後編の2回に分けています。

また、a16zはマーケットプレイス事業について記事を出すにあたり、同領域の頻出ワードについてもGlossaryとしてまとめているので、興味のある方はそちらも併せてご覧ください。

〈言葉の使用について〉
ホスト側/供給側=Airbnbでいうところの家を貸す側。
デマンド側/供給側=Airbnbでいうとところの家を借りる側。

UberとAirbnbは同じマーケットプレイス事業であるとはいえ、一方は人を配送するサービスであり、他方は「家」をグローバルのネットワークとして活用する事業である。とはいえ、これらの事業の間にはいくつか共通点もある。

両社は同時期に創業され、またたく間にネットワーク効果を発揮し、顧客体験を10xにするイノベーションを起こした。(もちろん彼らの功績はこれだけではない。)また、両社とも偉大な成長ストーリーを描き、需要と供給の両方(特に供給)をグローバルに成長させる必要があった点も重要だ。

本稿では、ex-AirbnbのLenny Richitsky(サプライ側のグロース部隊のリーダー)が彼自身の経験からいくつかTipsを紹介する。

Airbnbにおいては家/ホスト側、Uberではドライバーが供給側にあたるが、コンシューマーマーケットプレイス事業においては、サプライサイドがもっとも重要な点である。以下では、マーケットプレイス事業において重要なカギとなるサプライサイドをいかに伸ばすかについての戦略を実例とともに紹介する。

Twenty Eight Ways to Grow Supply in a Marketplace

By Lenny Rachitsky

マーケットプレイスにおいてサプライサイドを伸ばす28の施策

Airbnbは今日ではすっかり誰も止められないような勢いを持っているように見えるが、創業初期は、実際に外に出てユーザーとの誘致・交流をした1ヶ月がなかったら、現在のような成功はなかったかもしれないほど、不安定な会社だった。 — Paul Graham, founder of YC

「自分の家をまったく知らない人に対して貸し出す」というのは、一筋縄ではいかない決断である。Airbnbで過ごした7年間は、世界中の人々がこの決断に踏み切る後押しをするのに従事していた。Airbnbに登録している家の件数は2012年には100,000件だったのが、今日では600万件にまで成長した。サプライサイドのグロース戦略から、ゲストが予約する際の会話のサポート、マーケットプレイス自体の質の維持などあらゆることをやった。結果として、マーケットプレイスにおいてサプライサイドを伸ばすためにスタートアップは何をするべきかについてしばし聞かれるようになった。

Airbnbの成功の根元にあったのは、こんなアイデアだった。「ゲストに対しては手軽でユニークな旅行体験を提供し、ホスト側に対しては新たな収入源を提供する。 」(言うまでもなく、実行を伴わないアイデアは無意味である。)

ここから、Airbnbや他の成功しているマーケットプレイススタートアップが使っているサプライ(ホスト側)グロース施策を詳細とともに紹介する。全てがAirbnbで効果的だったわけではない。一口にマーケットプレイス事業と言っても、それぞれ違ったチャレンジに直面する。以下に紹介するもののうち、いくつかを選んで、検証して、学び、適応させていくのがいいだろう。

Tactic #1: 掲げるバリューをHPやアプリの各所に載せる

コンテクストやオーディエンス(ユーザー)の期待値を理解することは彼らを深く理解する上で極めて重要。Airbnbでは広告のクリエイティブに至るからLPまで各所にバリューを掲げるようにした。 — Dan Hill, ex-Airbnb Growth Lead, CEO of Alma

What: サイト訪問者がページを開いた時に、なぜ彼らがホストになるべきなのかを伝える必要がある。これは一見当たり前のような施策に思えるが、この後あげる他の施策の効果を高める上でも基盤となる施策である。特に、主にオーガニックで伸ばすマーケットプレイス事業にとっては重要で、その理由としては、のちのちにはトラフィックの大半をコンバージョンに結びつけることになるからである。

開始するタイミング: 初期から継続
コスト:
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響: 超ビッグ!

:

Airbnbでは、供給側への金銭的な推定メリットを示すことが鍵となった。金銭的メリット(ホストになることで得られる収入)を隠したり、誤魔化したりすると供給側のグロースの速度は明らかに落ちた。この時大事なのは、その推定が 現実的なものであること。(法的観点と、ユーザーに正しい期待値をもたせるという理由から)

Tips:

  • ベストなピッチをすること。そしてそれを繰り返すこと。
  • ユーザーに、ホストになることでどんな利益を得られるのかを理解させること。彼らが抱える懸念点の全てについて話し合うこと。ほとんどの場合、これは彼らが得られうる収入に関わるものになる。
  • 嘘をつかないこと、約束したことはきちんと果たすこと。また、最低でも約束が果たせるように尽力すること。そうすることで、口小出の成長も見込める。(口コミは大きな鍵となる)

問うべきこと:既存のホストにアプローチする上で効果的だったことは何か?HPやアプリ上で、メッセージはわかりやすく、直接的に訴えかけているか?

Tactic #2: エントリーポイント(登録導線)を増やす

What: HP訪問者が「ホストになろうかな?」と検討するような導線を引く。具体的には、ページの最上位部分に訴求文を載せる、全てのスクリーンのフッターに入れる、など。サイトのあちこちに載せよう。サイト訪問者がすでに、ホストになれるという選択肢を知っているとか、ホストになるとどんな良いことがあるのかを知っているという思い込みは避けたい。

開始するタイミング: 初日からずっと継続する
コスト:
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

Examples:

Tips:

  • ホスト側の獲得において、獲得導線は多すぎるということはない。それが「自分にはあてはまらない」と思ったら無視するだけである。この点においては絶対にシャイになってはいけない。供給側が足りていないのなら特に!
  • ユーザーがホストになって「よかった」と思える経験をしたら、その都度それを他の人にも勧めるよう促す。
  • ちょっとやりすぎでは?と思うくらいこれはアグレッシブにやって良い。

問うべきこと: ホストになってもらうための導線は現状の他にどこに引けるだろうか?

Tactic #3: 友達紹介特典を導入する

もしあなたのプロダクトが伸びるのに口コミが鍵になるなら、友達紹介制度を使うとグロースが加速させられる。紹介特典がインセンティブになり、自分が好きなものを友達に勧めさせる最後の一押しになる。
— Gustaf Alströmer, ex-Airbnb Growth Lead, Partner at YC

What: 既存のユーザーに対し、友達を一人紹介するごとに特典を与えることで口コミを広めるインセンティブを作る。

開始するタイミング: 初期から始める。徐々にインセンティブの内容やレベルは、のちに修正していけばよし。
コスト:
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:大

例:

Airbnbでは、ホスト側の友達紹介特典がもっとも効率的かつ効果のあるグロース戦略となった。質の高いホストの獲得においても費用対効果が良かった。

Tips:

  • もし供給サイドのグロースの大部分が口コミからの流入で、特に広いソーシャルグラフを持つユーザーaka交友関係の広いユーザーがいれば、リファラルは特に効果的な策となる。
  • 一度リファラルキャンペーンを始めたら、それをわかりやすいところにずっと示しておくこと。
  • ある程度リファラルでの成長が進むと、今度はリファラルを偽装してくる人も出てくる。スケールし始めたら、偽装がないか常に見張り、見張っていることを周知すること。

問うべきこと:リファラルが効果的かどうか測定するための一番簡単な方法はなんだろうか?

Tactic #4: Run direct sales ダイレクト・セール(直接ホスト候補にアプローチ)をする

営業をかけ続けて100件ほどのホスト側が決まったら、コンバージョンを確かめるためにデマンド側(この場合、Airbnbを利用して宿泊する人)を伸ばしはじめた。ホスト側全員に電話し、宿泊のリクエストが来ていたらすぐ予約させるよう頼んだ。全て人手でこなしたが、効果は抜群で、より多くのフィードバックを得る機会にも繋がった。
— Georg Bauser, ex-International Expansion at Airbnb

What: ホスト側候補に対しては、電話をかける、メールを送る、実際にお宅に訪問してピッチするなどあらゆる方法でアプローチしようこれは、時に他社のプラットフォームから乗り換えるよう説得したり、そもそも一番最初の段階で必要なステップを丁寧に教えたりすることも含む。
実際にやるとなると複雑でオペレーションも大変だが、マーケットプレイス領域ではもっとも効果的な戦略の一つでもある。

開始するタイミング: BtoCでは初期、BtoBでは常に!
コスト:
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:中〜大

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Tips:

  • 初期ユーザー(ホスト側)はしっかりグリップしよう。新しくホストに登録した人の体験を良いものにすれば、プラットフォーム側が望む形のサプライサイドを形成していける。初期のホストユーザーたちと共にビジネスを作って行くことになるので、彼らはサービスに対してloyalであるとともに、他のプラットフォームにスイッチしてしまうことも少ない。
  • この戦略は特に、サプライ側がまだコモディティ化されていない・LTVが高い・新しいマーケットや行動を作っている場合に効果的である。

問うべきこと: ホストになりうる人たち(Potential hosts)への勧誘を阻んでいるもの(内的・外的)は何?

Tactic #5: 既存のネットワークを活用する

Etsyのチームが(当初フリーランスのデザイナーで構成されていた時)getcrafty.com のリデザインプロジェクトに着手する際、ユーザのニーズを理解するために、1万人のユーザーと関わった。そこでわかったのは、相当数のユーザーがハンドメイド製品を販売できるプラットフォームを求めているということだった。その後、Etsyの制作にとりかかっている際、 Crafster.orgという掲示板サービス(同じく1万のユーザーを抱える)に巡り合い、ひらめきを得た。すでにオンライン上にある「手作りのものを売りたい」というコミュニティと、オンライン掲示板を繋げば良い!こうしてEtsyのサービスが始まった。— Chris Maguire, co-founder of Etsy

What: すでにサプライ側が集まっているところに行き、自社サービスにスイッチするよう説得する。

開始するタイミング: 初期
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響: 大

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Tips:

  • この戦略において重要なのは、既存のリソースを活用する上でクリエイティブであること。AirbnbではCraiglistのユーザーがサプライ/デマンド両方に活用できた。
  • 別の場所から自社サービスへのスイッチが超簡単にできる
  • 同じサプライ量に対し、より多くの需要/利益を生み出せないと勝てない。そうでないと彼らがスイッチする理由はない。

問うべきこと: あなたが提供するサービスを使いうる人は、今どんなところにいるだろうか?そこからあなたのサービスにスイッチさせる方法はあるだろうか?

Tactic #6:ミートアップを開催する

新しい街でサービスを開始するときには、かならずそこに向かいミートアップを開催した。サンフランシスコでは、起業家に会うのはたやすいことだが、一歩外に出るとそれは珍しいイベントになる。そのサービスを作った起業家に会えたことをすごく喜んで、友達にも伝える。そうするとマーケットが形成され始め、ユーザーのニーズに真に向き合えるようになる。
— Brian Chesky, CEO of Airbnb

What: すでにホストとして提供している人と、ホストになろうと考えている人を実際に対面で合わせる。(これは少人数でより密接な繋がりを作るためのミートアップでもいいし、中規模なイベントにしてもよい)

開始するタイミング: 初期
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:初期においては中程度、それ以降は小

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Tips:

  • ミートアップの真髄は、ユーザーの声を聞いたり質問に答えたりするとともに、ユーザーやポテンシャルユーザーが会って交流するチャンスを作ること。プレゼンをしたりスピーチしたい気持ちを抑えて、交流を促そう。
  • 毎回毎回ミートアップにお金を使う必要はない。シンプルで簡易なものでオッケー。
  • ミートアップの効果がすぐに数字に出ると思ってはいけない。Airbnbでも何度もミートアップを開催したが、数値として効果を実感したことはなかった。しかし振り返ってみると、初期における重要な打ち手だったと思う。

問うべきこと: 初期に形成されるコミュニティやユーザーがもっとも集まりやすいのはどこか?なぜ自分は今そこにいないのか?

Tactic #7: イベントやPRを活用する

初期においては、様々なイベントに顔を出していた。民主党の党大会から大統領の就任演説からフェス、W杯、オリンピックに到るまで、とにかくあらゆるイベントに足を運んだ。イベントとPRは、われわれが初期にネットワークをブーストする主要戦略であった。
— Brian Chesky, CEO of Airbnb

What: イベントに足を運び、ホストになりうる人に対してピッチをしよう。自分のサービスがどのように人々の役に立つのかのストーリー(PR)を伝えよう。

開始するタイミング: 初期
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

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Tips:

  • ミートアップやイベントはクリエイティブに、印象に残るように工夫しよう。
  • またそのクリエイティビティをPR/ピッチにも活かそう。イベントでプレスの印象に残るには何ができる?
  • 現場に足を運んで売り込もう。

問うべきこと: 自社が提供できる価値が、ホスト側に「刺さった」と感じた瞬間はどこ/何か?

Tactic #8: パフォーマンスマーケティングを意識しよう

パフォーマンスマーケティングとは要は、ユーザーとなりうる人に対し、求めるアクションを起こすよう促し、高い費用対効果を求める施策である。Airbnbでは、複数のチーム(プロダクトチーム、マーケチーム、園児に絵チーム、データサイエンスチーム、デザインチーム、コンテンツチーム、ファイナンスチーム)がこの施策に同時に取り組んだ時にもっとも効果を上げたことからもわかるように、artとscienceの絶妙なコンビネーションにより成り立つ。
— Fatima Husain, ex-Airbnb host paid growth lead, Principal at Comcast Ventures

What: FacebookやGoogle、Twitterなどの広告を回そう

開始するタイミング: 業種による。(初期にやるべきものも、後期にやるべきものあるので見極め)
コスト: 中〜大
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:: 中

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Tips:

  • 供給側(ホスト側)のLTVを正しくとらえることが鍵。そうすることで、パフォーマンスマーケティングにかける金額を選定できる。
  • 基本的な部分は自分でできてしまうだろうが、こういった施策の警官者がいるとより良い。
  • かなり効果が期待できる分、この施策に依存しがちになるので注意。

問うべきこと: ユーザーになりうる人たちは、オンライン上のどんなサイトやサービスに時間を使っているだろうか?

Tactic #9: デマンド側としてサービスを利用するユーザーをホスト側に誘ってみよう

我々が新しい市場に切り込んだ時、旅行者をホスト側に誘ってコンバートさせたことは大きな変化をもたらした。さらに。この戦略によりホストになった人たちは、ゲスト側のニーズにも深い理解があった。
— Kati Schmidt, ex-Head of B.D., Airbnb Germany

What: プラットフォーム上で、既存ユーザーに対しホスト側にならないか呼びかけよう。ここではtactic#2(エントリーポイントを増やす)も活用できる。ユーザーエクスペリエンスを見直し、どこで誘導するのがもっとも効果的か考えよう。

開始するタイミング: 早く始めて、継続
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響: 初期には中、後期には小

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Tips:

  • 初期には、ある程度自動化しても良いし手動でタイミングを見計らっても良い。
  • 刺さるフレーズを考えよう。(例)「家を貸して旅行代をチャラにしよう」
  • UberやLyft、Airbnbがデマンド獲得のために使ったフレーズや戦略を調べてみよう。

問うべきこと: 現在デマンド側としてサービスを利用している人のうちどれくらいの人が供給側に回ってくれる可能性があるだろうか?もし二桁%の人が可能性があるなら、それを促すための施策を打ったり、インセンティブを提供したりできないか考えよう。

Tactic #10: SEO戦略に投資しよう

What: オーガニックでの流入を獲得しよう。

開始するタイミング:サービス内容による
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

Tips:

  • 一般的に、SEOはデマンド側の獲得に効果的である。Airbnbを含め、サプライ側の獲得においてSEOがメインの獲得戦略になった例は聞いたことがない。
  • もっとも効果的なSEOコンテンツは、ユーザーが自身のサービス利用経験の中で作ったUGCである。
  • SEOの専門家に話を聞きに行こう。

問うべきこと:ホスト側になりうる人に対して解決する問題は何か?彼らがその解決のために検索をするときにはどんなクエリで検索するだろうか?

Tactic #11: サプライ側を買収する

とにかく早く動いた。
争いが激しいこの領域では、インベントリー(直訳すると目録、ここではサプライ候補のリスト)を持つ企業を買収したことの効果は大きかった。このアセットを持つ会社を買収するコストは、実際に出歩いて一からサプライを獲得するよりも安く済んだ。
鍵となるのは、買収後にどれくらいのアセットが手に入るか。Airbnbではだいたい60–80%を狙っていた。
— Jonathan Golden, first PM at Airbnb, partner at NEA

What: あなたの会社が求めるサプライを抱えている会社を買収する

始めるタイミング: いつでも
コスト: 大(戦略的)
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:グローバルでは小、絞ったキーとなるマーケットでは大

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  • Airbnb: Crashpadder, Statthotel
  • Rover: DogBuddy, DogVacay
  • Eventbrite: Ticketfly, Picatic

Tips:

  • ネットワーク効果にベットしているのだから、既存のネットワークに対して増えるサプライの価値は、別の会社が買収したときに比べて高いものであるべき。プレミアムを載せても良い場合もあるかも。
  • 手に入れようとしているサプライ側の質(内実)が良いものであるか確かめること。
  • 買収後、サプライ移行にかかる負担を見くびらないこと。(技術的にも対人的にも)

問うべきこと: 獲得したい基盤を持つプレイヤーはいないか?

Tactic #12: サプライ側のハブとなっているプレイヤーと組もう

What: 組んだプレイヤー(パートナー)のサプライの受け皿になろう。

開始するタイミング: いつでも
コスト: 小
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

:

Tips:

  • 組むことでもたらされるサプライの種類や質は戦略的に、慎重に選ぼう。新たに加わる供給側の質や、それがもたらすユーザー体験は、あなたのサービスの評判に直接影響する。
  • パートナーの事業だけではなく、自社にも長期でのアドバンテージがあると明白であるか確認しよう。自社の差別化要因は何か?どうやって維持するか?
  • ユーザー体験がスムーズで断絶がないか確認しよう。

問うべきこと: サードパーティーのサプライを導入して得られる最大の効果は?

Tactic #13: サプライを自分たちで作ろう

Udemyにやって良かったものの一つが、自分たちでコースを提供したことだ。撮影やビデオ編集などの制作プロセスは、サプライ側にとってのFriction Point(摩擦点)だった。そこで我々は、自分たちでいくつか作ってみて、自分たちで全部作っていては間に合わないと気づいた。 スケーラブルではなかったが、長期的な成功に大きく寄与するソーシャルプルーフを築く第一歩になった。
— Dinesh Thiru, VP of Marketing at Udemy

What: マーケットプレイスは、自分でサプライを作れるもの(動画など)もあれば、お金を払えばサプライ側になってもらえるもの(UberやLyftはタクシードライバーなどにお金を払っていた)、自社でサプライ側を保有するもの(Sonderなど)など多種多様。

開始するタイミング:事業内容による
コスト: 中〜大
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

Examples:

Tips:

  • 作りあげるサプライ(供給物)の種類によって、相性のいいやり方を考えよう。
  • ビジネスモデルによっては自社で作るのは難しい場合も往往にしてある。
  • 法的リスクに注意。

問うべきこと: 自社でサプライ側を作るとしたらどれくらいのコストがかかるだろうか?CACと比べてこのコストをどう評価するか?

Tactic #14: 広告を打とう

What: テレビCM, podcast広告枠など

開始するタイミング: 常に
コスト: 超大
Airbnbの供給サイドのグロースに与えた影響:

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Tips:

  • 目に見える数値的効果を期待しないこと。
  • 広告による効果は、ブランド形成にある。
  • ユニークで注目を集めることをしよう。

問うべきこと: 供給側になりうる人たちが見ている共通の(理想的には、超プピュラーではないもの)メディアや、共通に通る場所はあるか?

以上前編でした!後編に続きます。

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Nina Ehara

’97 / Currently uni student at Hitotsubashi, majoring in philosophy / formerly at UNC-CH / Associate at anri.vc / loves consumer-facing products!