a16zとRun the World -a16zブログポストより

Nina Ehara
9 min readMay 25, 2020

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江原ニーナです!

新型コロナウイルスの影響が各方面に及んでいるのは周知の事実ですが、人がたくさん集まるイベントや、コンサートなどがキャンセルを余儀なくされているのもその一つです。(私の弟はSEKAI NO OWARIの大ファンで、今年の10周年ツアーを心底楽しみにしていたのにキャンセルになってしまい、相当落ち込んでいました😭)

こういった状況を受け、オンラインイベントへの注目が集まる中で、話題を集めたのがオンラインイベントプラットフォームRun the Worldの資金調達ニュースでした。

Run the Worldについて

Run the Worldについてざっくりと説明すると、

動画配信/視聴機能(Zoomのような動画配信・コメントやリアクション機能) + Eventbriteのようなイベント参加プラットフォーム機能(イベントを探したり、イベントやセッションの概要が確認できる、参加者リストが見られる) + ソーシャル機能(同じイベントに参加している人にウェーブ/チャットを送る、イベントのスピーカーにチャットを送る)+α(カクテルパーティ機能、後述)が一つにまとまった

Webとモバイル両方に対応していますが、モバイル版のほうがソーシャルの機能が充実しています。イベントの内容によって、しっかりスライドを見たい!というようなニーズがあればWeb版で見るも良し、もちろん両方併用していいとこ取りすることも可能です。

また他にも、イベントは録画されているのでリアルタイムで参加できなくてもあとからさかのぼって動画を見られたり、参加者はキーワードなどでソートできたりするもの便利です。(ex. 「デザイナー」で検索をかけて、見つかった人にメッセを送る)

「カクテルパーティー」があるのも大きなポイントの一つ。

通常カクテルパーティーは、イベントの後などに開催される立食形式のパーティーを指し、色々な人とカジュアルに話せるのが魅力ですが、オンラインではこのような偶然の出会いや、スモールトークがないことがしばし指摘されてきました。

しかしRun the Worldの「カクテルパーティー」機能を使うと、予め決められた時間にカクテルパーティーにチェックインすると、そのイベントに参加している他の参加者とランダムにマッチされ(ここで、相手に関する20–30秒ほどの自己紹介動画やプロフィールも確認できる。普段の仕事やなぜこのイベントに参加したのかを説明するとその後の会話がスムーズになる。必須ではなくオプショナル)、その人と5分間話せるようになっています。

ちなみに参加者向けのチュートリアル動画もあってわかりやすいのでぜひ(動画がいい意味であんまり洗練されてないところもまたスタートアップ感があって良い)↓

今年2月のTechCrunchの記事では、創業からわずか1年で、Facebookが主催するカンファレンスF8のオンライン開催プラットフォームになったことが取り上げられました。ちなみにこの時点で社員は18名!マウンテンビューの他、中国と台湾にも小さなチームが居るとのこと。ちなみにCEOのQu氏はex- Facebook, Instagramというキャリアです。

タイムライン

2019年7月 創業
同年10月 サービスローンチ
2020年2月 シードラウンドで$4.3Mを調達。a16zをリードとして、ほかにもGSR Ventures, Pear Ventures, 122 West Venturesやエンジェル投資家から)
同年2月 early access登録者が10,000人を突破
同年5月 シリーズAラウンドで$10.8M調達。既存のa16zにくわえ、新規投資家としてFounders Fundとコリードで参加。ほかにもCGV Capital, Green Bay Ventures, Dreamers VC, Hartbeat Productionsが参加している。

ビジネスモデルはシンプルで、Run the Worldがバーチャルイベント開催にあたり必要なプラットフォーム機能(先に上げたような、決済・ライブ配信・ソーシャルの機能など)を提供する代わりに、チケット代の25%を手数料としてもらう形です。

さて本題ですが、a16zのConnie ChanがRun the Worldに投資したときのブログポストを多分誰もまとめてなさそうだったので、要点をしぼってまとめてみます。

ソーシャライジングやビジネスでの交流はオンラインへと移行している。Zoomでミーティングをして、友達とはアプリでチャットして、ビジネス上のつながりはLinkedInで管理する。しかしながら、ことカンファレンスにおいては、テクノロジーによるディスラプションが起こっていない。

もし、対面のイベントのいいところ — スピーカーと話したり、他の参加者とネットワーキングしたり、エキスパートの知識を吸収したり — を、対面のイベント特有の不便な点 — 寒い会場、ごちゃごちゃになる名刺、会場への移動や駐車場探し — 無しで実現できたらどんなに良いだろうか。オンライン上で、意気投合できる人々とつながるよりよい方法はないのだろうか。

オンラインライブイベントは将来どのように変化するだろうか?

  • 従来のカンファレンスアプリに比べてよりSNSの要素が強く、シンプルで直観的なUX
  • 世界中からスピーカーが参加でき、かつ長時間の移動や環境への負荷をなくす
  • スマホから参加できる。一日中PCの前に待機しなくてもOK
  • 参加者同士が交流できる。気まずさを取り除き、満足度も高める
  • リアルタイムで参加者がスピーカーに反応できる。そうすることでスピーカーもパフォーマンスを最大化できる
  • カンファレンス開催側(”often the unsung hero”)のマネタイズをよりよいものにする。椅子や電気などの準備やケータリングなどが要らなくなることで、収益UP

これまで何ヶ月にもわたって、知らない人同士がオンラインで交流でき、さらにマネタイズも実現できるプラットフォームで、かつマッチングアプリではないものへの投資を考えていた。そんな時、Run the WorldのCo-foundersであるXiaoyin QuとXuan Jiangが同社のプロダクトとともに現れ、これだ!と思った。

Zoomのビデオ機能、Eventbriteのチケット管理機能、Twitchのインタラクション機能、LinkedInのネットワーキング機能のハイブリッドのようなRun the Worldというプロダクトは、オンラインのライブイベントでうまの会う人々を出会わせることができる。Run the Worldは、参加者がエキスパートから知識を得たり、自然で安全かつ楽しく人々とつながることができるデジタルな空間である。

Run the Worldは、コミュニティを見つけたり、育てたりする新たな方法である。もし、あなたが何かの領域で専門家であるならば、Run the Worldでイベントを開催し、収入を得ることもできる。一度もカンファレンスをしたことがなくても心配はない。イベント主催者、スピーカー、参加者の三方良しのプロダクトである。

ここまで読んで、「カンファレンスのセッションはテクノロジーでリプレイスできるかもしれないけど、オフラインでのコーヒーブレークや、セッション間におこるスモールトークなどの楽しい時間は再現できないでしょ?」と思っているかもしれない。実は、この点こそが、サービスが光るところだ。

オフラインのイベントでは、誰かのところに話しかけに行き、自己紹介をして、そこで初めて相手のプロフィールを知ることになる。でも、もしプラットフォーム側がうまの合う人とマッチしてくれて、(会話をスルーされる恐怖を取り除き、)会話が発展するのをサポートしてくれたらどうだろうか?

Run the Worldはすでに、30以上の国でのイベント開催に利用されている、Covid-19の影響を受けてカンファレンスが休止をよぎなくされたのを受け、コロナの影響を受けたイベントに対してはセットアップ手数料を取らないキャンペーンも行っている。

引用元:https://a16z.com/2020/02/27/run-the-world/

この数週間ですでに、中国において対面での交流がオンラインに移行したのを見てきた。これは大きなトレンドである。

  • 大学や教育機関が授業をライブストリーミング配信する
  • XiaomiはMi10カンファレンスをキャンセルし、オンラインイベントに移行
  • 車のディーラーがライブストリーミングで販売イベントを開催(原文より引用)
  • 本屋もライブストリーミングによる販売イベントを開始
  • China Unicorn Conferenceは物理開催をキャンセルし、オンラインへ移行。参加者は23,742名にのぼる。(これは去年の10倍)

昨年、Run the Worldにひそかに投資した時、彼らはなにかに気づいている、と感じていた。しかしこの数週間の躍進や使われ方のバリエーションの広まりには眼を見張るものがある。昨年末、ある自然保護関係のNPOは野生の象を配信し、$30,000の寄付をえた。また、Podcasterたちが録音セッションのチケットを販売したり、作家たちが著作のイベントを開催したりしている。もちろんプロフェッショナル向けのカンファレンスにも数多く利用されており、イベントセッションが終わってもネットワーキングが終わらないこともしばしばある。可能性は無限である。

Run the worldが、新しい方法で人々の出会いを生み、多くの人が新しいコミュニティを見つけられることを願っている。

以上がConnie Chanのブログポストでした。

めっちゃいいな!!!!!!

「私も僕も、こんなふうに世界に新たな価値を届けるプロダクトを作っている!(作るんだ!!)」という人は、ぜひ気軽に連絡ください!一緒につくろう!!!待ってます〜

出典

Start-ups aim to bring big conferences online as coronavirus triggers cancellations
Investing in Run The World
Andreessen Horowitz has backed Run The World, a startup with a timely offering: live online events
バーチャルイベントのスタートアップRun The Worldが約12億円を調達

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Nina Ehara

’97 / Currently uni student at Hitotsubashi, majoring in philosophy / formerly at UNC-CH / Associate at anri.vc / loves consumer-facing products!