事業の発展を阻害する目に見えない壁

「金風舎」プロジェクトをアップグレードします

香月登
5 min readJul 20, 2016

このブログ(旧ブログ)にはこの「3年不調」エントリーが何回か登場している。

この記事を書いてもうすぐ4年になるが、当時から収益も人員もほぼ倍になっているので当時感じていた不調は「良い不調」で”めでたしめでたし”なのだが、この一年後に立ち上げた「金風舎」がまもなく3年を迎え、このところ漠然とした不調を感じていた。

誤解無きよう補足しておくと、金風舎はまもなくアイテム数が70冊になり、この間にAmazonの日替わり、月替りセールやAmazonPODの開始、今年はAmazonのランキング大賞にもエントリーするなど実績を積み上げている。

また、ここ最近送り出している自社企画も社員によってしっかりと制作され売上を作ることができていると感じているため「まったく駄目だ!」という類のものでもない。

ただ、現時点の事業収益が自分自身で満足いく仕上がりになっていないということだ。

このことは春先からつらつらと考えていて、なぜそのような不調を感じるのかと、電子出版関連事業を立ち上げた2011年からの取り組みを1つ1つ振り返ってまとめていた。

実は電子出版事業を初めてこの金風舎に至るまで3年ほどの時間があり、その間に5つ以上のプロジェクトを立ち上げ、いくつかは今も稼働していて地道に収益を上げている。

そう電子出版事業は、振り返れば結構な収益になるのが特徴で、特にこの金風舎で不足しているのは達成感というか突き抜け感というか、誰の目に見ても儲かっている感だった。

なぜそれが得られなのかと考えていたが、ようやくひとつの答えに行き着いた。それはこの「金風舎」を立ち上げ時に、自分自身にかけた呪いとでもいうようなもの、思い返してもSpotlightで検索しても言語化した記憶も記録もないのだが、恐らく深層心理のどこかでそう規定していたのだと思う。

この事業は「試験的な意味が大きい」と。

途中から目立った実績が出てきて、セールなどでそれなりの収益があがっていたものだからこのまま進めていけば上手くいくと感じていたのだが、やはりそのたびに自分自身「これは運が良かったから」といった位置づけにしていたようだ。

本当に惜しいことをしたものだと思うが、そのようにボタンの掛け違え箇所がわかったのでかけ直すことにした。

まず金風舎は存続。そして別チームでスタートさせていたサービスと集約し金風舎にその表看板を設置することにした。当社は8月が期首なのだが、このタイミングでロゴを変えウェブサイトも新調し、この金風舎本体は社員に任せていこうと考えている。

次にこの金風舎の実践でわかった出版社の形態を別レーベルにし事業化させることにした。こちらは自分一人ではやらず、若い頭脳にベテランの経験と知恵を融合させてスタートアップとして進めることを決めた。

あともう1つは、電子出版事業を着手する6年前に自分自身で取り組みたいと宿願であったウェブメディアのフィールドで、出版を組み合わせた展開を実行する。

今回の気付きでわかったことは、簡単にいうと「本気でやってなかった」ということだ。いや本気でやっているつもりだったということだ。

そして本気でやるためには、やはり背水の陣しかないと考えている。ということで新たな事業は主幹事業のISSHIKIから切り離し、独立採算で取り組むことにした。

正直なところわざわざ厳しい道を進むこともないとも思ったりするのだが、そろそろ年齢的にも無理ができる最後のチャンスだとも思うので、ここは迷わず突き進みたいと思う。

事業経営の問題は経営者自身の内的問題だと改めて痛感している。まさに一倉先生の言うとおり、ポストが赤いのも電信柱が高いのも、全部社長のせいということだ。

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