THE MOVIE と THE MOVIE 2 は親に連れられて映画館で観たことがあって、好きではあったんだけど、ドラマ版はちゃんと観たことがなかった。
室井さんの映画が新たに公開されるからだと思うんだけど、Netflix にそのドラマ版が来てたから、どんなもんじゃろと気になって見てみた。いや素晴らしい面白さにびっくりしてしまった。なるほどこんなおもろかったのか。そら映画もつくられるわ。
もう30年近く前のドラマのはずだけど、露骨に古さを感じたのってオフィス内で堂々とタバコを吸ってるとこくらい。あとは映像の画質……
全11話。各話おおよそ50分弱できれいにまとめられていて美しい。キャラクターの魅力があり、コメディとシリアスのバランスもよく、BGM が異様に良い。
彼らの続きを見たくなるし、実際スペシャル特番や映画版も存在しているけど、この11話できれいにオチているから、続きをつくるのも大変だっただろうな。
特にやっぱり最終話がめちゃめちゃ印象深くて、室井さんが満を持して青島といっしょに現場捜査するし（そこに至るまでの流れも良いし）、それを邪魔されないようにするスリーアミーゴスもカッコいいし、この事件自体が和久さんの最後の心残りだったわけだし、
でさァ……和久さんがその心残りを、青島に任せて（ここの音楽も抜群に良くて）、最後に「あとは頼んだよ」って言って去っていくんだよね。自分で片を付けるって決意してただろうに、すごく満足そうな表情して……
全11話のこの話は、青島がもちろん主人公ではあるんだけれど、室井さんの視点で見ても、和久さんの視点でも、ものすごく大切な物語として読むことができて、それもまた嬉しい。生きた話という感じがする。
あの青島ってのは おもしれェやつでなァ
正義がなんだかってのは よくわかってねンだよ
んーったくもー チャラチャラしてやがるし
勘違いはするし 勇み足の王者だよ！
……けどなァ…… “ここ” に 信念持ってやがる
若いのに珍しいだろ俺ァあいつと付き合って最近わかったんだけどォ……
青島ってのはあいつァ どうもなァ
自分だけの法律ってのがあるらしいンだ
んのーなんだ 心の法律みたいなの
上の者がつくった法律は破るンだけどォ
自分の心にある法律は 絶対に破れねェらしいんだ
へッ そういう……そういうやつなんだあいつァ
和久さんのこの語りからのくだりがものすごく良かった。音楽も相まって、そしてこのすばらしい演技を見せてくれた人がもういないということもあって、何度見返しても涙が出そうになる。
良いものを観れた。できることなら末永く大切にしていきたい。いまこの時代に踊るプロジェクトを再始動させたのは、制作サイドにもそういう思いがあってのことだろうか。この先どう展開していくのか、とても気になってきた。
