たすくま(タスクシュート)での仕事術をわかるように書く難しさ
「使い込んでみないことには理解するのが容易ではないものなので、どうか使い込んでみてください」
などというとどうしても、
「購入しなければ霊験の現れないツボです」
といっているように聞こえてしまうのはわかっているのですが。
(ただしです。「ツボ」は私も実家が宗教関係ですからそこそこ理解していますが、1つ100000円なら安いものです。相場からすれば「高価」とは言えたすくまなどは3600円です)。
https://itunes.apple.com/jp/app/taskuma-taskchute-for-iphone/id896335635?mt=8
「タスクシュート」を未使用の人に理解してもらうのは難しいのです。
使っていくほどに、見えてくる課題がどんどん「私らしい」ものになっていくのを実感しています。
使い込んだ人の詳しいレビューがあまりないのもうなずけます。個人的な事情が表れすぎていて外に出せません。
まさにまさに。
それでも私は仕事だからムリヤリ外に出すのですが、そうすると
「佐々木は、自分自身の具体例をよく出してくれるので、それはいいのだが、私の参考にはならないので、もう少し一般に向けた例で説明してもらいたい」
という話になるわけです。
しかし、「もう少し一般向け」の事例レベルにおさえてしまうと、「たすくま」「タスクシュート」は「操作方法だけ」にとどまらざるを得なくなるのです。
私は「仕事が滞る」最大の理由は、「仕事量そのものが異常に多いから」でないなら、「本人がどこかで奇妙な蛇行に走るから」だと考えています。その「奇妙な蛇行」をなるべく「シンプルな最短距離線」に修正するのが「タスクシュート」なのですが、「奇妙な蛇行」は「クセ」の産物であり、個人的な「クセ」というものを「矯正する」ための一般解というものはあり得ないのです。
寝るまでの時間を計算すると「あとこれだけしかない」と焦ってしまい、すぐに始めてしまいたくなるのですが、片付けをしておかないと結局次の朝に面倒を持ち越してしまうということが、たすくまによって視覚化されているおかげで行動に移せます。
これはものすごく大事な一節。しかしこれが「あなたの仕事の参考」にどのくらいなるでしょうか? よーく読み込み、考え抜く必要があるのです。「私は会社のオフィスにいるのであって、キッチンにいるのではないから」と思考停止してしまったらいけません。
「片付けをしておかないと結局次の朝に面倒を持ち越してしまうということが」いつどんなときにもあり得るはず。しかし「それ」を先にした方が結果として数分のトクになるか、それともダメージになるかを、どうやって判断していますか?
帰宅が夜中になるというのに「数分のトク」になど意味はないと思いますか? その発想は「すでに数百万の借金があるのだから、1000円の無駄くらいはかまわない」というのとまったく同じです。
見積もり時間が終了しても、なかなか終えることができず、「もうどうせ寝るだけだからMP減ったっていいや」と若干ヤケ気味になり、気が済むまでやってしまうのが、よくないとわかっていてもやめられませんでした。
結果的に予想していた見積もり時間より早く仕上げられたのでよかったといえばよかったのですが。
こういう自分なりの複雑な解決作を理解し、吟味することが「仕事術」なのです。
ここのところに15分の無駄。次の行程に25分の無駄。1日トータルで見れば3時間。それをPDCAすれば残業せずにすむ!
そんな、小学生でもできそうなことだったら、誰も苦労しないでしょう。事態はもっとはるかに個々人の事情にベッタリくっついて複雑怪奇で解きほぐしがたいのです。「タスクシュート」はそれを可視化します。しかし「可視化」しただけで解が得られるというものではありません。
が、何度も何度も「可視化された奇妙なものを目の当たりにする」ことで、ヒトの脳は1つの直感的発想を警告として得ることができます。そしてある日いつもと同じような行動をしている自分に気付き
「あ!これはダメなパターンだ!」
と、理解します。
その時自然に繰り返していたクセ・パターンを打破することができるのです。そうやっているうちに時間をムダにしない行動パターンを新たに形成し、それを書き留めていく、というからくりです。