父とMZ-2000

父は完全な文系人間だった。法学部を卒業後、会社では経理、営業、人事を担当し毎日巨人を応援しながら呑んだくれる毎日を送っていた。

そんな父に私が中学生の頃、パソコンが欲しいと訴えた。当時新発売になるMZ-2000である。ビジネス向けのMZ-80Bの後継で、最先端の64KBメモリーを実装、オプションの48KBG-RAMを装着して640x200ドット8色フルカラーに対応、ライバルと比肩する性能を誇る。

しかし問題はその値段である。オプション込みで27万円をオーバーする。今も大金であるが、バブル景気の前の80年代である、もっと高いであろう。

自分がどれだけ欲しいか問いたか全く覚えてないが、その高価なオモチャを親は全く理解できないまま了承した。

発売後、父を引き連れて向かった先は秋葉原のツクモ電機七号店である。

ここは当時パソコン販売を促進するため、全員女性スタッフを配置した事で話題を集めた新店舗だった。

そこで父に買ってくれというと、オレに分かるわけないだろ、自分で価格交渉して買えという。

そこで女性スタッフ捕まえて、値引き交渉して無事購入、父が会社から持って来た営業車に大きな箱を載せて藤沢まで帰った。

その日からMZには何年も毎日かじりつくことになる。

そしてそこで覚えたプログラミングが今の仕事に繋がっている。

全く異質で新しいものに対し何も理解できないのに、ただ子を信じて大金をはたいてくれたことについて、改めて感謝するし、また自分もそうありたいと感じた父の日であった。

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