空き缶を拾っていると怒られる、という話

寓話的な意味で

Hiroaki Kadomatsu
2 min readDec 3, 2013

Aさんは毎朝の通勤のために最寄り駅へ行くたび、駅前がひどく汚れていることが気になっていた。

自転車の放置もひどいし、空き缶もそこら中に落ちているし、最近では落ち葉もすごい。

そこで、休日に少し早起きして、駅前の掃除を勝手にすることにした。

そんなことを何週間も続けているうちに、駅前が綺麗になってきた。

でもAさんが掃除していたのは、Aさんがいつも使う南口のほうだけで、もう一方の東口はとくに何もやっていなかった。

Aさんが何もやっていない東口も、ゴミがかなりひどいことになっていて、だから東口をいつも使う人の中には、Aさんが南口ばかりを掃除しているのを見て、「なんでこっちもやってくれないんだろう?」と思う人もいた。

あるとき、Aさんがいつものように南口の空き缶を拾っていたら、東口を使うBさんがつかつかと近寄ってきて、「ご苦労様。あっちもけっこうすごいんですよ」と東口のほうを指さした。

Aさんは前日までの仕事がけっこうキツくて、今日は適当なところで切り上げようと思っていたので「そうですか、でも今日はそろそろ終わろうと思っていて」と言った。

すると、Bさんは憤然として「あんた、自分のところだけ綺麗ならいいのか。不公平だと思わないのか」と言った。

・・ボランティアとかやっていると、このBさんみたいなこと言ってくる人、けっこういるよなあ、と感じることがある。

Bさんの感じ方はある意味、人として自然だとも思うけど、だからといって肯定はできない。

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